マダムこおろぎ 少々活躍

母が89歳の誕生日を迎え
ささやかなお祝いをしたと思ったら

息つく暇なく
バタバタと
神戸に飛んで
またまたバタバタと
こおろぎらしい日々を過ごしました。

函館生まれの私は
港町に
懐かしさを感じずにはいられません。


三津子という名前は
両親のお仲人さんが名付け親となってつけてくださいました。

両親の名前から一字づつ音をとったのに加え、
干支やらなにやらどっさり思いをこめての
文字とのことですが
津という文字は
港という意味。

津波の津、ではなく
港という意味の津、だということを
幼いころから
なんとなく嬉しく思ってきました。




阪神大震災の年、
再び大学にもどるべく神戸に通い始めて
港街神戸にご縁ができたことを喜んでいましたが



今春、次女ころすけも
神戸に進学することになり

感慨もひとしおです。


私は神戸が好きです。



次女もまた
若いなりに紆余曲折の苦労をして
どうしても住みたかった神戸に住むことを可能にしました。


住居に決めたところからの散歩道は
谷崎が細雪の背景に描いた光景と重なり


ひととき、息をのみました。



あの震災で
なんとか持ちこたえたキャンパスの木々が
私には嬉しくて

なんとも愛しく思えたのです。


1991年、私は広島県に移り住みました。
その時、
広島の街の美しさと
人々の優しさ、明るさ、気持ちの豊かさに
どれほど癒されたか知れません。


筆舌に尽くし難い過酷なエピソードを抱えての
人生の再出発が広島でした。

私には
笑っている余裕など
当時は皆無でした。


しかし

縁あって移り住んだ広島の
街の美しさと人々の優しさが
私に新しい人生を歩くことを許してくれたような気がしたのです。



広島は
悲しい歴史を抱える街です。

神戸もまた
つらい震災を越えた街です。


阪神大震災の日
東広島の私たちのマンションも大きく揺れて目をさましました。


その何日かあと
陸路を断たれた私は
飛行機で関西に飛び、
大学の入学試験を受けたのでした。


青いシートでつつまれていた
西宮と神戸の街を思い出すたびに胸が痛くなります。

力を合わせて立ち上がった
美しく、強い街で
これから次女は学びます。


ビジネスを学びたいと切望し、
どうしても神戸で学びたいという思いが
とうとう叶いました。



医学部志望からの転身のストーリーは
思い出しても切ないものがありますが

彼女が出した答えであり
努力の結果であり
たくましくなった精神力の賜物です

彼女の切なる希望であるかりぎり
周囲の心配は無用です。

若い人の
未来を
遠くから応援して行こうと思います。


私には私の仕事があり
週明けからは親らしいことはもうできません。
仕事優先なのは当然ですから
入学式にも行きません。

せめて住居だけは決めようと
バタバタした結果
細雪ワールドの近くに
よい住まいを見つけました。

マンションのドアを開けると
坂道の上に大学が見え
反対側には遠く港が見えます。

マンションのお向かえには
こんなかわいいお花やさんがありました。


1985年に長女が生まれてから
28年間
私はじつに適当なお母さん業をしてきました。

本当に手抜きの適当さは、つねに批判非難の的でした。
記録に残しておきたいほどひどい母親業でした。
乳幼児検診、予防注射など、忘れるのは常で
膝にのせて絵本の読み聞かせなど一度もせず
幼稚園にも入れ忘れ、あれもこれもウソでしょ、というエピソードの連発。
だめなだめな母親でした。

けれど
いや
だからこそ
彼女達は実にたくましく育ってくれました。
感謝するばかりです。

彼女たちのおかげで
私は、とてもとてもたくさんのことを学びました。
彼女達あっての私でした。



28年間の
母親業を
ひとまず一区切りしようと思います。


家から徒歩15分のところに大学があったのに
「遠い」と言い切って、長女は20歳のとき一人暮らしを始めました。
一円の援助も必要とせず、一人で大学を卒業しました。
次女もまた
20歳の春、家を出ます。



彼女たちに負けない様に
私もまた学び、仕事をしていこうと思います。


今読んでいる本は
読み始めた時は
ぜひこのブログでご紹介しようと思う内容だったのですが
大好きな学者と
大嫌いな「文化人」との対談で
やはり
予想通り、大嫌いな「文化人」の独壇場となり
このところ思索思考から遠ざかっていた私を
多いに刺激するところとなりました。

しばらく戦闘体制になく
政治経済文化芸術各領域から離れていたので
対抗手段が見当たらず残念。

来週から
ダメダメ母親業から、戦闘モード全開のマダムこおろぎに転身して
強気で進むことにします。


ご期待ください。

こんな風に書いてしまったので
この新書をご紹介できなくなりましたが
今後は
本のご紹介もせっせとやっていこうと思います。


ホームページの東京通信で
みのりちゃんがみごとな桜を紹介してくれています。

次女のミント倶楽部通信も
神戸ミント倶楽部通信として
近くアップすると思います。


それにしても・・・・

偉大なる某大先生と
偉大に見せるのが上手な文化人某氏の
奇妙な新書は
お酒がまずくなる展開。

理由はわかっています。

かれらには
「庶民」が見えないのです。

それだけです。

机の上で語る人種は
イマドキいらない。

ああ腹がたつ!

マダムこおろぎ、完全復帰です!