素敵さがし

沖縄のキキから
妹コロ介に、1ヶ月遅れのバースデーカードが届きました。

1日22時間病院にいるという
驚異的な多忙さ。
笑わないでは聞けない、彼女のドジ研修医生活、
それはもう、ドタバタドラマ「ナースのお仕事」を
はるかに越えるバラエティー状態ですが
こうやって、いつか誰かのお役に立つ立派なお医者さんに
なってくれれば、と祈るばかり。

そして
彼女を取り巻く人々の
驚きと不安を思えば、
もう
申し訳なさでいっぱいの母でございます。


アホでもないのですが
アホっぽいのは確か。
なんとか育ててやってください・・・。


さて
浪人生活に突入した妹になにか
アドバイスしてやってね、と言ったら

このカード。


キーちゃん、
「女の子は、もててなんぼよ」って・・

そういうアドバイス


しっかり勉強しなさいね、ってラインじゃないんでしょうか。

そもそも

「店長」ってだれですか・・・
「院長」ならわかるんですけど・・・



やっぱり
バイト先で学んだことのほうが
医大で学んだことより
はるかに大きいようです・・・・。




まあね、母が母だから
長女が長女。
長女が長女だから次女が次女。


すべてDNAといえばそれまでです。

この姉妹、
本当に不細工ですが・・・

幼少期は
それでも
せめてかわいい洋服でも着せようと思ったこおろぎでした。

7歳違いの姉妹は
不細工なりにかわいいってもんでした。

キキの手をしっかり握ってるころすけ。


こおろぎは
この写真が大好きです。


でも
子育てなど、短いものです・・・
と思っていたら

今日読んだ週刊誌で
WH0のスイス本部でウイルスの研究をなさっている
進藤奈邦子さんの記事を読みました。

スイスで二人のお子さんをお育てになりながら
世界を動かすお仕事をなさっているのですが

「私が教えられることはすべてたたき込んでから
社会に出したいと思っています」

とのこと。


呆然としました。

こんな台詞、初めてです。

この自信、この凛々しさ、この知性!

「私なんて・・」とか
「私ごとき母親など・・・」と

おろおろするばかりの母親たちを
どっさり見てきたこおろぎ
そして
こおろぎ自身が
だれよりも、母親失格。
母親として、1度たりとも自信など持ったことが
ないのですから。


こうありたいものです。
こうありたかったし
こうあるべきなのです。


親になるということは

人間が親になるということは


子どもに、なにかを伝え、教えることが
できる人間しか
親になってはいけないのかもしれない。


ふとそう思いました。



今まで
ほかの動物のように
普通に親になってよい、
「普通」がいいと思っていました。


だから
代理母や、他者の配偶子を利用する
不妊治療は理解できなかった。




とにかく
かくあるべきなのかもしれないと
こおろぎ、息を止めてしまいました。



生んだ子どもが
どう生きるかの指針は
いやでも親が示してしまうものでもあるのだと


そんな基本に気づきました。


子どもには子どもの人生がありますから・・・
などと
つい言ってしまいますが



親を選べなかった子供達に

どうしてすべての責任を負わせることができるでしょうか。



上手に書けませんが



「教えられるすべてを
たたき込んでから社会に出す」


この発言は究極の親像です。光です。


これぞ
こおろぎがさがしていた
母親像の一つです。



生んだだけで
子どもを社会に放っても
これからの社会は
次の世代にはけして優しくなどないのですから。




と言ったところで

こおろぎはもう
わが家の二人には
何も教えられないです・・・


もしこおろぎが教えたことがあるとしたら


人生は相当、楽しいっすよ、ってことくらいしょうか。


何度転んでも
立ち上がることができるということ

いくつになっても
新しいことが学べるということ、

そんなことでしょうか・・・・

お酒はおいしく
バラはうつくしく
人間はおもしろい・・・

せいぜいがそんなところです。



子育てより
自分育てが忙しかった
母は
これからもずっと
このままです。

こんなイラストに出会うと
狂喜してしまう母なのです。
生活学会で見つけた絵本です。

「こんなこと」に意味を見出すという
この醍醐味。
どうです、人間ってすごいイキモノです。




さてさて
今日は函館からの帰りのJR、

隣にひどい咳をするオジサンが座り、閉口しました。
すばらしくファショナブルなオジサンなのですが
無礼なほどの咳。
背中を向けてパソコンに向かっていたら
通路を挟んだ席のオバサンが
窓側に背中を向けて
なんと太すぎる「後ろ足」を2本、隣の席に投げ出して
つまり
通路を挟んだこおろぎの眼の前に
ニョきっと太すぎる「後ろ足」を
投げ出して、ゴーゴー寝始めたのです。


悲劇です。
これは悲劇です。


隣のオッサンは咳をし続け、
反対隣のオバサンは太すぎる「後ろ足」を
投げ出してゴーゴーだし・・・と
泣きそうになっていたら
なんと、咳き込みオッサンは
ほどなく、椅子も動くほどの貧乏揺すりを開始したのです。
身だしなみのよいオッサンですが
ひどい貧乏揺すり。
最悪です!
捕獲して隔離でしょ!


悲劇です。
本当に悲劇です。


うっすら涙がにじみそうになったこおろぎでした。


函館からずっと我慢して
仕事をしたのですが
1時間後、後ろに空席を見つけたこおろぎ、
荷物抱えて退散。


WHOの進藤先生のようなすばらしい人もいらっしゃるのに

なんだかね・・・
羞恥心とか、
礼儀とか
そんなことに無縁の大人が沢山います。

こおろぎも大反省。

忘れてはならないものは忘れてはなりません。
進藤先生のようにはなれなくても
世間の邪魔にならない大人でありたいものです。
世間の邪魔にならない子供を育てたいものです・・・

人間は本当に多様です・・・・


いろんなことを考えた夜でした。