食空間のつくり方(1)

まずはご報告

夏出版の教科書の書名が
やっと
突然
いきなり
きまりました。



現代食事学入門  という仮称で
作業をつづけてきましたが


食事、という言葉に
いろいろな違和感を感じたままの作業でした。




そして熟慮の結果

・・
ウソです。


熟慮など、これまでの人生でしたことがなく

今回も
突然のひらめき。

東京に向かう飛行機の中で


「そうだ、食学」

といういきなりのひらめき。


「食学入門
   ー 食べるヒト・食べるモノ・食べるコトー」

に決定!


出版社でご苦労いただいている編集のお二方にも
ご賛同いただき、

また
今回、ご執筆をいただいている広告代理店博報堂の國田さんにも
褒めていただき、


内容はともかく

「食学」という
新しい領域、視点のスタートです。





2日間、文京区の光生館の会議室で
うなりながらの初校編集作業は
ハードでしたが
生みの苦しみでありながら、
生みの楽しみ、幸せでもありました。


そして
以前もこのブログに書いたカフェ、totoruでランチ。
http://totoru.jp/






この店の、なんともいえない雰囲気、気になり過ぎ。


意を決して調査開始。


オーナーと店長さん、ともに若く、お話をお聞きすることができました。

黒板を使ったメニューなどは
昨今めずらしくはないのですが


なぜ手描きが受けるか、ということについては
今回の教科書で
國田さんや私がコメント書いています。



それ以外に

トトルの、「一貫性のないインテリア」がスゴイ。


本当なら「一貫性のなさ」はマイナス。

それが+に働いている。





その理由は

なんと
Facebookで、大工さんやデザイナーさんを募ったというのです。


普段、自分のアイディアや技術を発揮する場面の少ない若い職人さんたちが
あっというまに集まって

制作費ゼロ、的な集団が、この店を作り上げたとのこと。



おどろくようなドア、床
天井、壁、椅子、テーブル!

Facebookか・・・


外食産業起業については
これまた
今回の教科書で不動産鑑定士でもあるホームページの管理人みのりちゃんが
丁寧に解説してくれていますが


おもいもかけない方法で
費用を節約し、その上、効果的な結果を得た実例に触れ、
心うたれたのでした。


若いオーナーも店長も、お店のスタッフも
とにかくはつらつとして、楽しそう。


お客様もなんだか心地よさそう。



これ、珈琲を落とす「土台」です。

ええええええっ!
なるほど!

という「仕掛け」です。


石をはめた壁や、おもしろい床、塗込めた壁
牛革の床!?など


どれもこれも
「誰かの作品」であり、しかも実用性大。


新しい食空間の提案に
心躍ったのでした。


昨今の若者は・・・などと
ひとくくりにして語るとき、
どの時代も
多くの場合は否定的、批判的です。


でも
軽やかに新しい食空間をつくりあげた
Facebookという手法と
上手に利用して
自分たちの思いを形にした若者たちの勝利です。


ジーンズを縫い合わせて貼ったベンチシートは
みんなで縫ったというから驚きでした。


もちろん、この空間のカジュアルさに抵抗がある人もいるでしょうし、
食事の目的によっては利用しずらい場合もあるでしょう。

それはどの食空間でも同じ。


ただ
この店は楽しい。
心地いい。
そして美味しい。


それは「なにより」なのです。



若いデザイナーや職人さんたちの
エネルギーがうれしい空間です!


また報告します。