余裕考

数年前から
お肉もお魚も食べたくない・・・という「気分」、
気分だけ、そうなるときがあります。

函館で6年暮らしたとき、頻繁にご近所からいきのいいお魚やイカをいただき、
調理するうちに、生きている魚介をさばけなくなり、


同時に食文化と
食べる、ということを研究の中心におくようになるにつれて

肉食にも
少々抵抗がでて

以来、困ったぞ、というときが稀にあります。


だからこそ、

食べるとはなにか、

イキモノとはなか、

ということを前にも増して
真剣に考えるようになり、
大学での講義も自宅でのレッスンも
変ってきたのでした。



さてその
ベジタリアンには嬉しいカフェに行きました。




神戸の
おしゃれなお店の並ぶエリア。
2階、3階は古着屋さん・・・・といっても
全部が素敵すぎて
時間をわすれる上質の輸入古着ばかりです。


その1階。




このビルとカフェの名前は後日、当ページ内神戸ミント通信で
ころすけさんが書いてくれるのではないかと。
(ミント通信、まだ去年・・・)


お客様の半分が外国の方で、かわいいメニューも英語版と日本語版が
用意されています。


が、

なぜかこおろぎセンセーのところには
毎回、英語版が差し出され
そのつど次女が苦笑。


たしかに若いころは
国籍不明の顔だったかもしれませんが
昨今は
しっかり純日本風(!!!!?)のおばさん顔になったと自覚しているので
かなり不満でした。


が、まあ
材料と薄い調味のせいで
迫力には欠けるランチとなりましたが
なんとも言えない安心感のある
プレートでした。


で、その食卓で
カップにお箸とナイフ、フォーク、紙ナプキン、塩などが入っている
そんなシーンに興奮して写真を撮るのは
たぶん、私だけでしょう。

マナー論を読みすぎると
学者が言うところの作法やマナーと

実践のマナー本とのギャップが明確すぎて
いろいろな迷いがでてきます。

今もまだ明治時代ではないかと思うほど

私たちは
「どれが正式?」と気にしつづけているのは
たぶん、

日本人の「恥」の意識が
まるで遺伝子にでも組み込まれているかのように
継承されつづけているからであり、

同時に
いろいろな商業主義が
いろいろな衣を着て
消費者を「脅し」続けているからではないかと

そんな風にも思えてきます。


海外の方が大勢集う、こんな気軽なお店で
こんな風に「食具」がサービスされます。

これをだれが無礼だと言うでしょうか。

もし王侯貴族が来店しても
たぶん、このままでしょう。


最近、HTBイチオシのディレクターさんから
カレーライスとライスカレーの違い、
水の入ったコップにスプーンを入れてサービスした理由
スプーンを紙ナプキンで包む理由など問い合わせがありました。

実に今まさに調査していたことなので
大興奮で考えましたが、

さて答えなど出るたぐいのものではありません。


明日のイチオシモーニングで特集があるようです。

北海道のみなさま、ぜひご覧ください。
私の「意見」も登場するかもしれません。


正式かどうかではなく
美か醜か
清潔か不潔か
合理的か非合理か
無礼か無礼でないか


日本はまだ明治時代のまま・・・


そんな思いをどう文章にするか
頭を悩ませているところです。


いや、それだけではなく

刻々と〆切が近づき
動悸息切れ、目眩に吐き気・・・のはずですが


意外に元気で冷静です。


ああ
大人になってよかった、と思う日々。


経済的にも精神的にも
余裕などないのですが


「余裕のような」時間と空間を作る知恵と度胸を
持ち合わせることが
私はできるのだと思います。



さ、大学の講義を終えて
夕食までの時間も
ひとしごと。
そうそう

そのカフェには
こんなネコさんがいました。

そしてお店には
10歳以上のネコ用の缶詰やキャットフードのカンパお願いします、と
いう張り紙。


ローカル猫たちのためのカンパの瓶も。


猫の多い町は平和な町。

尾道もたくさんの猫がいましたっけ。


このネコさん、

お店を自由に出入りして

私がドアをあけると
ゆるりと出て行き、
お迎えのポールスミスのショップに入っていきました。


でも
お店の誰もあわてず、
ネコさんも悠然とくつろいでいました。




神戸はいい町・いい街です。



余裕のないはずのマダムこおろぎ
昨日も、寸暇のない中、
ちゃんとキモノでイチオシにお邪魔しました。


大昔買った大好きな柄。

イチオシのメイン司会者、ヒロ福地さんの奥様のお財布と同じ柄だそうですけれど!
(ヴィトンですわね・・)


こんなに自分の写真を載せると
「ご自分がお好きですのね」と苦笑されそうですが


目下日本研究中(キモノでの行動範囲や周囲の意見収集も含め)のため、
記録用にもしばらく続けます。

いやあ、居酒屋こおろぎ、そろそろ開店準備です!




追伸:
このさらりとして実に楽な着付けは
キモノイズム、村上先生のご指導です。