神戸通信母バージョン

「おかあさん、よーこーべにきはるなあ!」

と次女は周囲に言われているらしいですが

そのとおり、頻繁に神戸に行きます。


しかしこれは
次女に会いに遊びにいっているわけではなく
仕事の必要で行かなければならず、彼女の狭い一部屋に転がり込んでいるわけで


有閑かあさんのお気軽訪問ではないのですが・・・・



今回は
神戸大学の大先生お二人にお会いし、
教科書執筆のお礼と
追加ご執筆のお願い、内容確認など
かなり大きな仕事をかかえての参上でした。



とはいえ、
夜空港(この神戸空港が、日本一便利なところにあるかもしれません・・・
ポートライナーで20分で神戸都心三ノ宮着)に着いたので
そのまま多忙なメンバーは駅裏の
活気あふれる居酒屋での会合。


次女ころすけ(当ホームページ内神戸ミント通信執筆中)も
お知り合いということで「参戦」し、
にぎやかな会議となりました。


相当重要な内容であるにもかかわらず、
サクサクっと議事は発展的に進行し、
執筆・出版の成功を信じての乾杯となりました。



この表面張力も美しいお酒は
こおろぎのものではなく
神大の大酒豪先生お二人のもの。


さてこれはなんの天ぷらかといえば

セロリ。

めずらしいメニューを頼んだところ
予想を超えるボリュームに仰天。
葉が美味しかったです。


さて
神戸の基地であるところの
ころすけさんの巣、本人の許可を得た写真を載せておきます。
一部は以前も載っけましたが
狭い一部屋ですが
現役女子学生の部屋、実録です。


昨年春、入学式には母こおろぎは仕事で行きませんでしたが
ホームページのみのりちゃんが
出席してくださったのでした。
思えば、母も父もできなかったこと
長いおつきあいとはいえ
お仕事を休んで東京からかけつけてくださったこと
あらためて感謝しました。


この白いタンスは
IKEAで買ったものですが
組み立ては「ご本人」。

ころすけが一人でできるはずはなく
理系大学卒業のみのりちゃんの知恵と技術をもって完成した
記念すべきタンス。

その上が
こんなふーです。


あらら、よくみたら
ここにもリムセのアクセがいくつか・・・


あってもなくてもいいものが
アクセサリーであり
ぬってもぬらなくてもいいのがツメ。
最近は
長くても長くなくても
カーブしてもしなくてもいいのがまつげ。

それでも
いや
それだからこそ

そこのに力を入れることが
積極的に生きている証拠でもあるようです。


にぎやかなスペースは
人間にとっての自己装飾の機能と社会背景・・・なんていことを
真剣に考えさせてくれるフィールドに見えました。




なにせ一部屋の狭さですから
部屋の装飾といっても空間がありません。

天井近くの白い壁こそ
貴重なスペースらしく

なかなか
いいセンスでディスプレイしてありました。


気がつけばもう一年がたちます。

昨年の今頃は
センター試験を終え、
二次試験の受験先を多いに迷い始め、
私大も受けることを決めて、準備に追われていましたっけ。


長い長い冬、寒くてこごえて
身も心も小さく小さく震えていました。


期待した春、 予期した春ではなかったものの
自らの人生の多様性は受け入れるべき。


昨日朝、東京のホテルのテレビで観た「新報道2001」では
非常勤講師の待遇の悪さなど、ずいぶん長く、真剣に扱っていました。
月額8万ほどで20年がんばっていらっしゃる先生を追った内容でした。

当然生活できず、他に飲食業やホテルなどでアルバイトなさっているのですが
ご家族も大変。

番組の流れでは、その待遇の悪さ、非常勤講師の多さを批判するのが多数。
その中で、作家の西村賢太さんは
正規雇用の試験に挑戦10回で夢やぶれた現実を受け入れるべきではないか、
家族の犠牲等を考え、教師にこだわることにも問題はないか、とご発言。
私は同感しました。

その質問に対してご本人は
「でも自分は教えたい、教師がしたい」と熱意。

8万円、という価格をみなさん「ひどい!」と言う中
西村さんは、正規雇用の教師がフルタイムで働いている時間、時間外でもかかえる仕事を
考えればその労働時間に対しては妥当だという意見をおっしゃいましたが
大方からぴしゃりと否定されていたのが不満でした。


どうしても何かになりたい、
なにかがしたい・・と
こだわることは
ある段階までは夢を追う、立派な姿勢ですが

叶わない夢は追わない勇気と判断も必要です。

周囲の応援支援を巻き込み、
家族の犠牲を強いてまで、貫く意志というのは
どうなのかと
いつも思っていました。


大御所、専門家がそろっての番組でしたのに
用意されたかにみえる「非常勤講師の待遇がお気の毒」という流れから
大きくそれることのない、進行と司会が
残念でした。

そして西村さんの視点の鋭さに拍手。



私自身が
学生時代から非常勤講師生活を30年数年続けています。
その労働に対する対価、評価はこんなものだろうと思っています。
なぜなら非常勤だからです。
毎年、ご相談をうけ、ご相談がなければ翌年度仕事がないのです。

そのような雇用を非常勤というわけです。


心身の疲労、つらさは言うまい、と今は思っています。
繰り返すと
それが「非常勤」だからです。


いやなら引き受けないという方法もありますからね。


なんでも行政が悪い、という流れも不満です。


なにかの問題の裏に

「実現しない夢」の原因が行政にある、政治にある、時代背景にある、と直結させるのは
危険。

だれでも「世界の本田」にはなれない。

そのことをどこで知るか、ではないかと。



神戸で元気に、次の夢さがしをしている次女を見て
彼女の判断の正しさを改めて思ったのでした。


彼女に
「なにがしたいの?」と聞くことはナンセンスです。

なにかがしたい!と答える必要は
必ずしもないと思います。



身体的理由、物理的理由、経済的、何的・・・いろいろな理由で
夢と希望を語れない人はたくさんいます。


今をどう暮らすか


年をとったからでしょうか、

夢を声高に語る人もいい
何も語ない人もいい


いろんな意味で
多様性を認めることが
現代なのではないかと思うこのごろです。



多様性といえば

日曜日の朝、次女と私の朝ご飯。
珈琲は美味しく入れました。
パンは神戸の古いパン屋さんのレンコンとベーコン入り。
お惣菜は前夜のコンビニ。
そして
テーブルは
私のスーツケース。


長女も学生時代はこんな風に勉強していたかも。



テーブルのコーディネートも仕事の範囲ではありますが

食の場面で大切なことは
誰とどう食べるか、

ひとりでも
どう食べるか、
であって

豪華であることも
素敵、であることも
最優先事項などではないこと

そんなあたりまえのことを
思った朝でした。



土曜、日曜は
都内でまた打ち合わせという
移動の多い三日間でしたが

実り多い、週末でした。