鬼のおかあさんが弱った泣いた!


荒井さんちの犬です。

大変です、おかあさんが弱っています!


昨日大学で「なにか」があったようです。


ずいぶん長く教師をしているのだと痛感したようなのです。
時代が変わった、そういうことなのでしょう。

当然
携帯という便利なツールの悪用もありえるわけです。


善良な学生さんたち
真剣に勉強している学生さんたちがほとんどですが
まあ
とにかく
アンフェアなことも起こりうることを
予想しなかった自分を
おかあさんは大変悔やんだようです。



なにも決定的なことは確認できず
大きな問題はなにもなかったのですが、


教師はときに性悪説をもって教育現場に立たなければならないのだと
そう強く自覚したようなのです。

それは学生が悪いのではなく

時代の変化、次々に提案される便利なツールの存在と
使用方法の問題のようです。


ノートをとらず、
板書の写真を撮ろうとする学生は
なぜそれがだめなのか、懇々と説明してもわからない。

教師用の資料をコピーしてもらえないかと申し出る学生もいる。
過去問を全部もらえないのはなぜかと詰問してくる学生もいる。

答案用紙を2枚ほしいと言う学生もいる。

資料の持ち込みがだめなら
撮った写メを見るのはいいだろうと、
そう思う学生がいてもおかしくはないのかもしれません・・・・



20代の後半のいっとき、おかあさんは学習塾で教えていました。
でもある日突然やめたそうです。


その理由は
六年生の生徒に授業料のお月謝ぶくろを投げられたからだというのですが
そんなことで?


貧乏な若い日、そんなことでやめてはいけなかったのに
「センセーは私のお金で働いているんでしょ」という女の子の言葉に
「だからちゃんと教えなさいよ」とそう笑った彼女の言葉に
そしてひらりと机に落ちた月謝袋に
そうとうなショックを受けたとのこと。
未熟未熟。

そんな弱い自分は教師には向かないと思ったらしいです。



高校の生物の講師は続けましたが
小学生に教えるのはやめました。


おかあさんは
「子供は苦手」とそのころから公言しています。

悪魔のような言葉を時々吐くからです。

天使でもあるのに
知らないがゆえに
時にとんでもない言葉を吐くこともあるからです。
子供同士のやりとりにも
ドキドキすることが多く、つくづくと
自分には向かないと思ったのでしょう。


思わず人を傷つけてしまうのは
親や周囲の大人のせいだとわかっていますが、


どうであれ
おかあさんは学習塾をやめました。


昨日、
おかあさんは大学の帰りみち
その日のことを思い出したようです。



大学をやめるとは言わないまでも
時代の変化をうけとめて
違う時代を生きる若者たちに接する方法を
ドライにさぐらなければいけないのだと
痛感したようでした。



まあ、そこは大人。
20代の弱っちいころのおかあさんではありませんから
背中を伸ばして帰途についたのですが
帰り、本屋さんで6冊の本を買ってきました。


6冊です!6冊。


生命科学の試験をした日、
おかあさんが買ったのは全部生命科学系の本ですが
一冊、恩師である日高敏隆先生のご本もありました。


この本は先生が亡くなってからまとめられた一冊。
あとがきは長いご友人であったジャズピアニストの山下洋輔さんが
お書きになっています。

2009年に亡くなったのですが、2014年の出版のご本。

全体をながめ、
山下洋輔さんのあとがきを読んで
おかあさんは不覚にもぽろりと涙をこぼしたらしいです。



大学退学を決めた二十歳の秋に講演をお聞きして以来、
ずっとおかあさんを遠くからご指導くださった先生でした。
48歳で博士号を取得するまで
見放すことなくご指導くださいました。


教師に向いているのかどうかはわからないけれど
君には独自の視線があるから大事にしなさいと
その明るさを大事にしなさいと
楽しく研究しなさいと
いつも背中をおしてくださっていたこと



ま、イイトシをして
紀伊国屋の2階の
踏み台に腰掛けて
ぽろりとこぼした涙のはずが、
いつのまにかオイオイ泣いたおかあさんだったようで

あーはずかしっ。
周囲のみなさま、どんなに不気味だったことでしょうか。
どこかに保護されなくてよかったです。




帰宅したときはすっかりいつもどおりでした。



ただ
あまりおいしくないワインをのみながら
あまりおいしくない塩辛をつまんでいる姿は
ちょっとかわいそうに見えました。


あまりおいしくない塩辛、というのは

91歳のママさんが
「みつこちゃん!この塩辛、イカの足ばっかりなのよ!」と

おかあさんに返してきた塩辛です。


イカだもの、足だってあるわ、たくさん・・」と
おかあさんはぶつぶついいながら

おいしくないワインの肴に食べていました。

イカの足のうち、長い2本は生殖器なのよ!」


そんな状況でも
生物学的なおかあさんの思考、
おいしくない塩辛の足のなかから
生殖器を探そうとしている姿は、かなり不気味でした。



ま、根が単純なので
生殖器探しに飽きたころは
すっかり元気。


今朝のイチオシモーニングでは
早朝6時には
この笑顔。

おかあさんは
かなり落ち込むことがあっても
長引かないですね・・・
恐ろしいほど復活が早いです。


こんなコンビニの店長さん風のブラウスをちゃっかり着ちゃって


なにが楽しいのか
油断した大笑い。


おかあさんが元気なら
犬はうれしいです。


昨日の夜の
イカ生殖器探しの沈黙の時間は
なんともわびしいモノでした。



鬼のように強いおかあさんですが
ちょっとわかりずらい原因でばっさり弱ることがあります。
犬はまだよくわからないのですが
弱る理由など、明確に分かりしだい
報告しようと思います。