素敵な一日


15年前、18歳のお弟子さんができました。

ヒョンなことから、
それは
紛れ込んだ、といいましょうか、
いえ
迷い込んだ、という表現のほうが適格かもしれません。


おねえさんの代理で私のセミナーに参加した「少女」でした。

ちょっとワルぶった、
いえいえ
かなりワルっぽい女の子は


その後
お花のレッスンに大変な興味をもち、
とぎれとぎれではありましたが
熱中するときの情熱は大きく、



ときには私の仕事をあれこれ手伝ってくれるまでになりました。



数年前、よい就職に恵まれ、以来一緒に学ぶ機会がなかったのですが

ご縁、再び。


そして昨日、こんな衣装の美しい花嫁になりました。



あれこれ
また口を出して、

アクセサリーは私の古い品を使っていただきました。



背が高く、バービー人形という表現がぴったりのKONOMIちゃんでした。



いろいろ書きたいのですが
仕事が重なり、〆切のある作業もあるので
本日は昨日の感動を
簡単にご報告しておきます。


千葉 松崎農園から届いたカラーを束ねたブーケが
凛とした美しさを放ってくれたのは当然ですが


あらためて
生花のブーケの難しさを痛感。


白い花に見える部分が大きいほうが素敵なのですが
そうなると茎も太くなります。
手で持てなくなる。

あれこれ試作を重ねて

松崎くんにも会って相談して
選び抜いた太さのカラーで作成。



持ち手の部分にも
もっといろいろ加工する予定でしたが


ああ
カラーの存在感は
私の「デザイン」を全部拒否しました。


普段ならいかようにも遊べるのですが

現実の花嫁を想像しながらカラーに対峙したとき
一切の「デザイン」が無駄に思えるという経験をしました。


アシスタントで手伝ってくれた、次女も
同感だったようで、全部やめよう!と背中を押してくれ、

選び抜いたモノだけをざっくりと束ねて(と言っても、これ、簡単ではありませんでした)
花嫁に届けたのでした。


連休中、この日だけ雨と風、というドキドキの挙式でしたが
挙式直後には奇跡的に雨がやみ、

華やかな笑顔がはじけました。

こんなマーメイドスタイル、
長身の彼女しか似合いません。
そして
カラーのブーケも
ぴったりでした。







教会から移動したレストランで
披露のパーティー

今風の、ハウスウエディングでは
彼女らしさ満開のスタイルへ。


ウエディングドレスもカラードレスも
ずーっとつきっきりだった私、

「おかあさま、このたびはおめでとうございます」と
いろいろな方に何度も言われて

「ありがとうございます!」と
お返事しつづけたのでした。





青いドレスに「赤」を合わせるには
それなりに勇気がいることでした。

赤の選び方もまた
度胸のいることでした。

サイズ感も
長さも

何度も試作した結果です。




ちょっとワルかった18歳は
立派な職業人になり
よいお仲間に囲まれて花嫁になりました。

彼女を選んだ青年は
介護のお仕事をやめてお父様のお仕事を継いだという凛々しくもやさしい青年。
実にさわやかでハンサム。
漁業後継者を決意した、若き漁師さんなのです。


ブラボー!KONOMIちゃん!


センセーはとてもとてもうれしかったです。


「センセー、疲れてない?」
「センセー、大丈夫?」
「センセー、うれしい!」

彼女のその心からの声が
15年の年月の重さを感じさせ、
そして
ブーケと花嫁づくりの疲労をわすれさせてくれました。

よい一日でした。

挙式と披露パーティーの様子はまた後日。