節分

ネットで買い物をするのは得意ではありません。
「時代」になんとかついていっているので
買えないわけではありませんが

かつて
とんでもない失敗をしたことがあります。



この文庫本がわが家には6冊とどきました。

ある研究中、買おうかどうしようか迷った挙げ句、
やっぱり買おう、とポチっと押しただけのはずが
届いたのは
「迷った」回数分の6冊でした。


でも不幸中の幸い、今迷っている掃除機と
スチームクリーナーだったら
号泣モノです。

鬼の研究が6冊届いて以来、ネットの買い物には
慎重になりました・・・。


「鬼の研究」は
縁起研究には必須の資料。

名著です。


その鬼たちが
豆で追われる日が今日です。


今年も、いくつか電話やメールで
恵方巻きについて取材がありましたが
お断りしてしまいました。

が、
後悔しています。

色々な方が色々なところで
御発言。
どんどん正統派とされていく恵方巻き、
だったら、お引き受けすればよかった・・・と
久しぶりに大きな後悔です。


恵方巻
ではなく

節分に太巻きを食べましょ、という広告は確かに1930年代のものが
大阪の博物館に残っています。

問題は(・・・・大げさですみません)
それを起源として、伝統的、と言うかどうか、です。

箸の文化の国が
丸かじりすることを推奨する可能性の限りない低さと
花柳界のお遊び説、

このどちらに着目するか、

どちらにも着目したくない人たちが
見事に「復活」させた行事と言えるかもしれません。


ま、

おいおい
ゆっくり、またまとめていこうと思います。


本日は、迷う事のない正統派、柳田國男著の「年中行事」を
あげておきます。


マナー論や
年中行事に関する書籍
冠婚葬祭本
しきたり本


それらは
数しれず。


わが家にも
本棚1つ全部それらの本で埋もれています。

けれど

狭い日本であれ
行事にスタンダードはありません。


去年、教科書出版前、最後の取材で訪ねた滋賀県堅田
こおろぎとかぶとむしというアホ夫婦は
その歴史の重さと深さに大きな感動を受けました。


「それぞれ」


これが答えです。


むりやりスタンダードを見つけると
奇妙なことがおこります。


この文庫にちりばめられている
「それぞれ」の土地の「それぞれ」のひとたちの
行事の見事さは
すべて事実であることのスゴサに加えて
人間という動物のよろこびや悲しみ、天然自然を前に
常に恐怖と戦い、ゆえに神を祀ってきたこと
そして
人々が集い、共に酒を飲み、食事をしてきた歴史が見えてきます。


仕事に方向がみえなくなったとき
ときどき開く一冊です。


食育の専門家のみなさま、

このような本を
もちろんお読みでしょうね?

スタンダードを説く、一般書を鵜呑みにして
上から目線で指導など
断じてしないでください。


住む地域の歴史と文化を
知ってこその食であるべきです。


そして
この時代、だからこそ
他者の地域の
他者の文化を知る事です。


・・・


あ、まずい、

力が入ってきたので
犬に替わります・・・。


犬です。

連日、きまぐれな飼い主に羽交い締めにされています。


毎年この時期、おかあさんは恵方巻きで血圧をあげます。


今日更新されたころすけねえさんの、ミント通信(ホームページ内)でも
ころすけさんも書いていましたが
家族はもう「うんざり」です。

どうぞ日本のみなさま
恵方巻きは食べたければ静かにめしあがって

どうぞ
豆まきも楽しくなさってください・・・


平和がなによりです。


ころすけねえさんが
いみじくも
短い旅で感じたことを書いていましたが

ホント、

TwitterやらLINEやら
それって
ホントーに必要な情報?
というツールに
がんじがらめにからめとられている現代人。


かくいう
ころすけねえさんも
ときどき
おかあさんに
「手元から携帯、離してちょうだい」と言われたり、
いいとしをしたおとうさんも
「食卓で携帯見るのは、最低!」と叱られています。


本来の通信道具としてだけではなく、

誰かとつながる道具として
楽しい、ゆたかな人間関係維持の道具という側面は確かにありますが

その反面、
不要な情報で
どれだけ神経すり減ることがあるか、

社会学の専門家と話題沸騰することの多い議題です。


ま、
このブログなど
不要の極み、
「いらないモノ」の代表かも!


とはいえ
一部の方々には
こおろぎセンセーの
こんな恵方巻きごときでの興奮や
日々のご飯などの情報が
ちょっと息抜きにはなっているとの小さいお声に支えられて
細々と長々と続けているようです。


おいしいのに硬いタコの薫製で作ったご飯は
生姜の入れ方が抜群だわと
いつもの自画自賛。実際は薫製は薫製で
固さは変らず、
90歳のママさんの入れ歯にはつらかったらしい・・・


バターの入れ具合が天才的だと自己評価高かった
タラの子和えなど、誰でも作れるし、

ワカサギのマリネだって
ポン酢をこれだけ上手に使える素人はそんなにいないわと
叫ぶほどの味でもなく。
てきとーに作っただけ。

まあ、今日のお昼のお豆腐の焼きモノは、
思いつきでブレンドした卵の具合がよかったらしく
歯の悪いママさんには
好評でしたけど

鶏胸肉は、どう調理しても胸肉の悲哀はかくせず。
ただ、ソースは思いつきで作ったわりにはおいしかったですが、
いつも通りあまりにてきとーなので二度と作れない。
次のレッスンでご紹介したいほどおいしいのに
あら残念。
カリフラワーの梅酢マリネも
ま、めずらしくもなく・・・



おかあさんが
自分は天才だわ、というほどのことなどない
フツーの毎日です。


ただ、
ちょっとだけ飼い犬的に自慢できるのは
ものすごく短い時間で作るということです。
手元の材料だけで
実に簡単に作ります。


一つ何かをしたら一つなにか作るとか
気分転換に鶏肉焼くとか

ま、今おかあさんは
台所にパソコンを置いてお仕事している、ということもありますが
(おかあさんのMacは世界で一番汚いです。
油やらお醤油やらが飛び散っています・・・)




フツーが一番。


2015年の節分、
おかあさんは犬を羽交い締めにして
「フツーがいいね」と言いました。


カブトムシの亡くなったおかあさんは
「節分が来たら、流れが変わるわ、風が変るのよ!」と
毎年言ったそうです。

そうです、
立春

豆まきの日は
立春前夜。

万歳!立春です!

ワン!