長い一日

一週間で一番長い一日、木曜日です。


犬です。
こんにちは。


おかあさんが朝3時に起きて、4時20分に家を出るという
刺激的な日です。


犬もいっしょにバタバタしてしまいます。



おかあさんは
3時に起きるからといってお昼寝するわけでもない
不思議な体質のようです。



番組からもどってずっと
大学の試験の採点をひたすらしています。
そして
疲れたら今年の写真をいろいろ整理して
また犬のへんちくりんな写真をみつけては

ひっひっひと笑っています。



上の写真は
今年の夏の思い出です。



お天気の良い日で
おとうさんもいる日曜日だけ
犬は大通り公園を歩かせていただけます。



そして
キレイにトリミングされたときだけ
このお店に寄せていただけます。


通る人たちがときどき立ち止まって
「あらかわいい」、と
オベンチャラ言ってくださると
おとうさんとおかあさんはそのオベンチャラをマに受けます。
はずかしいです。


でも
犬にとっては
数すくない社会生活の場なのです。



東京ドームホテル
時々、こうして覗くと
カフェでお茶していらっしゃるかたが
ひえっと驚かれたりしますが



いつも同じルートのお散歩しかしない犬は
こんな風にホテルのカフェをちょっとだけ背伸びして見ることだけで充分幸せです。




犬は東京ドームホテル
札幌パークホテルに行ったことがあります。

これは少し、自慢です。



さて
おかあさんは
朝早く起きたからではなく
今日は少しだけ不機嫌です。


その理由は


ノーベル賞を受賞なさった先生がお二人、
記念のコンサートはいかがでしたか、と聞かれた際、

半分寝てました、というようなことをお答えになったからだと
犬は推察しています。



え?そんなことで不機嫌になる?



はい、おかあさんは
多くの人が憤ることはスルーしても



「こんなこと」で猛烈に考えこんだり
想定外の失望感を表したりするので
むずかしいのです。




仮に
コンサートで
寝てしまったとしても

そうおっしゃっていただきたくなかったと
思ったようです。



親戚のおばちゃんのように残念がっていました。





クラシック音楽が眠たいという仮に「現実」を
気取らずに感想として言うことを
「気取らない」お人柄、
とか
「親しみやすい」大先生とか評価しがちな日本の傾向も
悲しく思ったようです。



いただいたメダルを
「ただの金属ですよ」ともおっしゃっていましたが


それも
日本人特有の「テレ」と見るか
どうか、


世界中の科学者が望んでも手にすることができない賞を
いただき、
華やかな式典に招かれたのですから
「疲れた」という言葉も
飲み込んでいただきたかったと


本当にお疲れなのは想像に難くないので
無理難題に違いないのに



おかあさんは
思うところが多々あったようで
肘をついて
ため息もついていました。




おかあさん自身、相当高齢化したということかもしれませんね・・



美智子皇后さまが
ベルギーの王室のご不幸に、現地で一泊もせずに3日間で往復なさるという
ニュースと重なったことも
おかあさんのため息をいっそう大きくしました。


「大人の礼儀」




これは
どのようにお辞儀をするかとか
どのように名刺をうけとるかとか
どのように挨拶をするかとか
グラスの持ち方とか
そういうことではないと



あらためて幾つもの例を具体的に考えなおしたようです。




言葉を選ぶことの大切さと
大人としてのトレーニングには限りがないということを

しみじみとしみじみと思い
自らもまた
猛省しながら
ため息に次ぐため息をついていました。




ああむずかしい。
こおろぎセンセーの触角は、いったいどこに向かって揺れるのか
実にわかりずらいです。




さて閑話休題
先週の木曜日、
おかあさんはついにサンタクロースと画面で共演したようです。

うれしそうですね!

パエリアとも共演しました。


あ?


あ、そうか、チキンとも共演してました。


そうそう、この派手な花柄の上着
スタイリストさんたちに
これまた「すてき」と歯の浮くオベンチャラを言われていましたが
どこのモノかと聞かれておかあさん
「20年前に東広島の中央公園のイベントで300円で買った」と答えていました。


青空ガレージセールのようなイベントで
見つけたのですが
売っていたのはとても素敵な女性で
何年も前にニューヨークの古着屋さんで買ったものだと。


つまり20年前に何年も前、しかも古着となれば
どれほど古いものかわかりません!


ホントーに、
モノ持ちがよすぎます。


このデザインはすてきなので
すでにプロに型紙を作っていただいているので
よい素材に出会ったら作ろうと思っているようです。


御期待ください。



さてさて
長い一日
犬が書いている今は18時。


おかあさんはこれから親子丼を作るそうです。


親子丼をつくるたびに

「ああ、残酷よねえ・・・
ひよこさんになれたはずなのに・・・」


と、不気味なことを平気でいいながら卵を割ります。


「ま、いいか、フライパンでおかあさんに会えたかもね!」


えええっ、ほんと、怖いんですけど・・・。




でもまあ、
おかあさんの機嫌が直れば犬はうれしいです。


幸い、平和賞のマララさんのスピーチが流れて
おかあさんはそれを正座して聞いて
立派!と一言。


この若い女性への平和賞にもいろいろな意見はあるのでしょうけれど

彼女の言葉には素直に心を傾けていました。


Why is it that countries which we call “strong” are so powerful in creating wars
but so weak in bringing peace?
Why is it that giving guns is so easy but giving books is so hard?
Why is it that making tanks is so easy, but building schools is so difficult?



すごいですね。
この力のある表現。



As we are living in the modern age, the 21st century
and we all believe that nothing is impossible.
We can reach the moon and maybe soon will land on Mars.
Then, in this, the 21st century,
we must be determined that our dream of quality education for all will also come true.



こおろぎ先生は
還暦の一年で
なにかが大きく変わったようです。


考える方法も
方向も
とにかく想定外のことに遭遇したようです。


マララさんのスピーチと
少し重なる「思い」もあるようで


これからのおかあさんのお仕事に
形になって見えてくるといいなと犬も思っています。



犬も3時に起きて、いっしょにウロウロしていたので
すでに疲れました。

おかあさんは親子丼のあと

ドクターXが始まるまで
またひたすら採点と大掃除をつづけるようです。


タフですよ、マダムこおろぎ。

たぶん、真夜中にアマニ油かオリーブオイル、ゴクゴク飲んでいるのではないかと
犬は思っています。