懐石と会席

犬です。
また叱られました。

飼い主がせっかく撮った紅葉の写真に
犬のしっぽが映ってしまったと
パソコンに取り込んでから激怒。



「りーちゃん!
アンタのしっぽ、邪魔!
どうして映っちゃうの!」




「・・・・・」



不本意、という
全く不本意というしかないこの叱られ方。



撮る人の注意不足に決まってるのに

犬は今日も犬である悲哀を噛み締めています。



最近膝にも痛みがあるという
こおろぎセンセーですが

食べることと運動しかないことを熟知しているので


晴れた日曜日、
犬とおかあさんは
また中島公園までお散歩しました。


しっぽだけ映ってしまったのは失敗でしたが
いろんな犬さんに会えて
ソコソコ楽しかったです。


なぜソコソコだったかというと

中島公園を歩く犬たちの
9割が洋服を着ていて
その5割が
こんな汚い犬に敵意むき出しで吠え、

3割は
完全に犬を無視します。


すこし悲しいですが
膝の痛いおかあさんと
汚い犬は
それなりに楽しくお散歩しました。



この日もまた
公園をお散歩する沢山の外国の観光客に
犬は大人気でした。



「ナントイウナマエ?」


と、いつも通り聞かれるおかあさん、


前回のお散歩のとき

りきまる、というのは外国の人は発音できないと学んで以来

「シロ」

と答えるおかあさん。




おかあさんは
三津子という名前を
美津子と書かれただけで

荒井を新井と書かれただけで

必要以上に厳しく訂正を求めるくせに


「シロ」


って平気な顔で答えます。



It means white とか、適当。


犬は大勢の人に

「シロ、シロ」と呼ばれ


もっと悲しいことは

それなのに
うっかりしっぽを振ってしまうということです。


反射、ってのでしょうか。
犬の悲しい「さが」ってやつでしょうか。




とにかく短い秋、犬もおかあさんも
健康第一でせっせと歩いています。




おかあさんの近況です。



古い料理雑誌に
明治生まれの京都の料理人さんの文章を見つけたおかあさん
驚喜していました。


懐石はお茶事の簡単なお食事。

会席はお酒の場の料理。


いつも学生さんには説明しているのですが
一般にはもう説明も理解も無理・・・と思っていたようです。


が、



本膳料理というのを手軽にした形を会席というのだと
明記してあって
おかあさんは眼鏡をかけ直して読んでいました。


「お客もよろこぶもんやから
会席料理も懐石のええとこを取り入れて
いっぺんに料理を並べる、てなことをせんようになった。
またお茶事の懐石のほうも、料理屋が手を出すようになって、だんだん
料理も贅沢になるし、品数も多うなって、会席料理顔負けみたいになってしもうた。

いうてみたら、お互いに影響し合うたわけや。そやから、料理がどっちの字で
かいせきと書いたかて、実質には大して変わりがないはずや。」


と。


でも、とおかあさんは思うわけです。

どっちでもいい、ってことはない。

お茶のための料理か
お酒のための料理か


そこんとこははっきりさせておかないと

どっちでもいい、ってことはやっぱりないはず。


そもそも
懐石は
懐石、であって

懐石料理

という言葉はごくごく近年誕生。


定義が難しい「和食」が
世界遺産になったりして

ますますわかりにくい日本の食ですから

おかあさんはちょっと
真剣に
分類や定義をしようとしているらしいです。



おかあさんは最近、「食」について考えることが多いようですが
クリスマスに向けて、あれこれ思案中。



今朝は
早朝から、ご依頼いただいていた原稿の校正で大わらわ。


「キャラクター弁当はなぜ生まれたか」


という内容です。


来月発行になる雑誌なので
出たらページに載せてもらいます。



そして珍しい写真を2枚。


なでしこ倶楽部のYUKOさんが
TV画面を撮影してくれたようです。


おかあさんは
録画を観ることができない(録画装置故障中)ので
自分の姿をみてため息ついていましたが


何を着たかよい記録になってうれしそうでした。


2枚とも赤やらピンクやら

還暦だから仕方ないとはいえ、
どうなんでしょうね・・・・・




今日もこれから
なにかにコメントするお仕事にでかけるようです。


毎日刺激的なことがたくさんある家の飼い犬は
飽きることはありませんが


そのつど巻き込まれて
犬には過酷な時間も少なくはありません。


お散歩さえできれば
文句など言えないのが飼い犬ってことでしょうね。





そしておかあさんの
「自分のためのお弁当」
大好きな豚バラ肉丼。ストロガノフ風だそうです。

15分で作ったと、また威張っていました。