りきまるだより・インドのお花とりきまるの受難

一週間のはじまりは、あかるい写真でスタートしましょう。

ころすけ姐さんは、お顔の色合いとパーツの配列のせいでしょうか
この色彩が実ににあいます。



そして

強烈な今週の魔除けの一枚。


おかあさんも
若いころは、ころすけ姐さんのように、ぴっちぴちの時代があったのでしょうか。
どろーんとしたど迫力、国際的に怖いですね・・・・


え?
すごいですね、この色彩!


このリトルインディアというエリアの
なんとかわいい色合い。


そして今日はインドのお花の写真を!

このエリアのあちこちに
こんなお花売りのお店が並んでいたようです。





寺院に行く時持っていったり
それぞれのお宅の神様に飾るのです!

ガネーシャ、でしょうか、象の神様にも
こんなふうに!


これは布屋さんの
お店に祀られていた神様ですが
本当に大切に祀られていて

おかあさんは
どんなに大きなため息をついたことか
ボクは犬ですが
よく想像ができます。



日本にはヤオヨロズ(八百万)の神がいたはずですが
都市生活者が増えたのとともに
形骸化した都合のよい神様と仏様だけが際立ち、
衣食住の文化がすべて
うすーいものになってしまっています。

都合のいいときだけの神様と仏様、
そしてお盆とお彼岸だけの突然の仏教徒


生活全般の近代化に興味のあるおかあさんにとって
今回のシンガポールの短い滞在は
大きな刺激になったことはまちがいありません。


ただよう花とお香の香りは
確かに人々の空気感、意識を「見える」ものにしているようで

かるい嫉妬心を覚えたのではないでしょうか・・・・・




なーんてね。




さて
喉をやられて、すっかり弱っていたおかあさんが
予想通り、復活しつつあります。
いや、パワーアップして復活しつつあります。

象の神様どころではありません。
ガネーシャかマダムこおろぎか、


とんでもないパワーアップです。
実はおかあさんのお靴のリボンが片方なくなりました。
クリップ式のリボンです。


「りきちゃんっ!」


どきっ。


「こっちに来なさいっ!」



オロオロっ・・・・




「アンタ、どこに持っていったの!!」




は?
ボクじゃない・・・・




「アンタ以外のだれがリボンを持っていく?
アンタ以外のだれがリボンで遊ぶ?
アンタ以外のだれがリボンを隠す?」




おかあさんが相手を「アンタ」などと下品な呼び方をするときは
激怒中の激怒、逆鱗が逆立ちすぎてハリネズミか剣山のようになっているときで
三年に一度くらいしかないことです。



でも
ボクは絶対にしりません。
ただ、
この残っている一個も
靴から外れていたので
それをほんの一瞬、鼻先でころがしたところを
おかあさんに見つかったのです。


でももう一個は絶対にしりません。



でも
すでにハリネズミになっているおかあさんには伝えることができず
ボクは赤い首輪をつかまれて
市中引き回しの極悪人のように玄関からリビングの隅々までつれて歩かれ、



「どこなの?どこなの?」との詰問。



そして本当にみつからないのです・・・・



「アンタね、この間立てなくなったでしょ、歩けなくなったでしょ?
助けたのは私ですからね!」



ええええええつ・・・・

引っ張ったのは、
つまり加害者はおかあさんではなかったでしょうか
そして確かに、
「私がわるかった、りきちゃんごめんね、」
と弱々しく言ってたのに・・



「あのとき、すぐにマッサージして、ギュギュギュと
全部の関節曲げ伸ばししたから、グニャグニャではずれちゃったかもしれない
関節が治ったんだからね!」



えええええええええっ・・・・



「そもそもこのあいだ、フライパンのお肉、全部食べたでしょ!」



それは・・・はい・・




「アンタ、いい気になってるんだよね、このごろ!
鶏肉も食べたでしょ!あの大事な鶏肉!
鶏の骨、食べたら犬は死んじゃうんだってよ!
それが大丈夫だったのは
骨まで柔らかく煮た、私のおかげだから!」



たしかにしゃぶしゃぶの肉をさっと炒めたのをフライパン一杯全部たべました。
ふっくら煮た鶏肉も大皿一杯全部たべました。
おかあさんがちょっと離れた隙に、
はずかしながら
全部食べました。


それはすみませんでした。



でも

鶏肉を食べたとき

「りきちゃん、骨付きの鶏、たべちゃったの?どうしようどうしようどうしよう!」
と叫んだおかあさんの
「どうしよう!」は
ボクが鶏の骨が内臓に刺さって死んだらどうしよう、
ではなく
晩ご飯ところすけ姐さんに冷凍で送る分がなくなってどうしよう、
だったのではなかったかとボクは思いましたが・・・



とにかく


ぼくは
大変な叱責を受け、
見せしめのために
この靴をカゴの前に置かれました。
探せ、ということらしいです。


よっぱらったおかあさんが
タクシーから降りるときに
ぽろりと落としたことは充分考えられることだと思いますが
モノが言えない悲しさです。



唯一の救いは
このお靴が
シャネルではなかったことです。


ブランド嗜好がまったくないおかあさんですが
大切にしている靴が2足あります。
シャネルです。

この靴先が黒いのは、シャネルが働く女性達のために
先が傷んでも目立たないようにとに考えたもので
この2色づかい、バイカラーは、働く女性の色だと思うのよと
おかあさんはときどき
この靴をみながらぶつぶつ言います。



このハイヒールもシャネルですが
こちらは踵とヒールが黒。
同じ意味のある色です。


どちらも
おかあさんが「眺める靴」なのです。
ときどき履きますが
長くは履きません。

なぜかというと
おかあさんの足が太ったからです。


ひっひっひっ・・・


もう一度書いておきます。


おかあさんの足が太ったからです!



とにかく



ボクは絶対におかあさんの皮のにおいのする靴には近づかないようにしていますが
もしボクが
このシャネルの靴を鼻先でころがそうものなら
ボクは二度と家に入れてもらえず、外犬として玄関先につながれ、
北国の厳しい雪と寒さに耐え、時々屋根から落下する大雪に埋もれながら
生きることになるのだと思います。



いずれであれ
ご近所のみなさんも含め
お願いしておきます。


もしおかあさんのシャネルではない靴のクリップ式のリボンを
見つけた方は、どうぞ届けてください。

よろしくお願いします。


ふーっ



ほんの短い間、おかあさんは弱り、優しかったのですが
平和、平安は長く続かないということをつくづく思った週末でした。