原点


この夏、ひとつの大きな仕事がまとまります。

ある著名な学者には
400冊という著作があるときき
仰天したのですが
たった一冊を編纂するだけで
私はこの半年のほとんどの時間を使った気がします。


昨年の冬の始まり、

先生(はずかしながら私)の思いのこもった教科書の出版を
お手伝いしましょうと
光生館からのお声。




2014年の秋からの授業で使えるならば
ぜひ、とお返事したところ

「無理」
と即答。


12月に企画が動きだして9月に出版ということは
通常あり得ないと。

教科書というのは
多くは複数の筆者が執筆する。

無理ですね・・・とのこと。


「いえ、きっと可能!」



そのときの私に
いったいどんな根拠と自信があったのか



お声がけする著者のお顔が一気に浮かび、
そのどなたもが
きっと書いてくださると


強い確信がありました。


果たして


企画が固まって1ヶ月後
共著者全員からの原稿があつまりました。


奇跡!

と言われた所以です。


そしてさらに


それぞれの業務を並行しながら
初校原稿が完成して
校正作業にはわずか1週間。


これもまた


「無理」
というのが、プロの編集サイドの予想でしたが


ここでもまた

奇跡は起こって

全員が1週間で校正原稿の返送完了。



私の人選はただしかったと
うぬぼれても
だれもが否定しないだろうと思います。


忙しいことなど
なんの言い訳にもならない。


忙しくない人などいない。


忙しいことこの上ない最前線で
ご活躍のみなさま、
労を惜しまずのご執筆、校正


お願いした私自身、
その謙虚で真摯、
誠実なご執筆姿勢に
言葉にならない感動を得ています。


9月の始めには
ご紹介できると思います。




12月に動き出して
奇跡の教科書と言われた

「食学入門ー食べるヒト・食べるモノ・食べるコトー」


難産が予想されましたが
大安産と言ってもいいかもしれません。


今しばらくの
緊張する編集作業ですが

喜びをもって
取り組もうと思います。



昨日は朝から
出版社の会議室で
担当の須賀さんと今泉さんの3人で
蝉の声を聞きながら
修正作業に明け暮れたのでした。



上の写真は
それに先立って
わが家で行われた撮影風景。


あ・うん
の呼吸で仕事ができる仲間を得たことは

私の人生の大きな宝だと感謝しています。




さて
次女ころすけが
テレビドラマ
「若者たち」を見て感動しているとのメール。
歌もいいという。



知っていますが
私は見る事ができません。


1960年代のドラマです。

佐藤オリエという女優さん
田中邦衛という名優の
若いころの名作です。


そしてテーマソングは
ブロード サイド フォー。


黒沢監督のご子息、
黒沢久雄さん、若い日の名曲です。



YouTubeで聴けます。
ブロード サイド フォー 若者たち

で検索を!


(誰に向けてのメッセージでしょうね・・・)



ぜひぜひ。


さて

台風を前に
そして
大詰めを迎えた編集会議の前夜
長女KIKIに会ったのは夜も10時をすぎてから。



医者になって4年目、忙しい日々を元気にやっているようですが
あいかわらず、待ち合わせはそんな時間。


彼女の予約していた店は
鳥茂。


美しい。



美しい焼きものたちに
しばしうっとり。


そんな時間なのに
店内は満席。

それも若くておしゃれな人たちばかり。


なるほどな・・・・



焼き鳥が
こうなるか・・・


という感慨。




昭和24年創業のお店ということですが
たぶん当初は
よくある焼き鳥屋さんだったのではないでしょうか。


時代に合わせて
ニーズに合わせて
伝統をまもりつつ進化させてきた業態に敬服。


途中で2度、
注文していないお漬け物と
生卵+ミョウガ+オクラが
出てきました。
お聞きすると
ふたつとも「お口なおし」とか。


なるほどなあ・・・・



心遣いにも仰天。


だからファンが減らない。


口コミの時代、若いお客はみんな携帯片手。

ツイッターやらなにやらで
それぞれの感想、感動が瞬時に拡散する。


なるほどなあ・・・



価格も不満なし。いや安すぎるかも。
私のすきなテンプラニーリョ種のワインをハーフでとっても
このお値段?という満足度。

KIKIはパタパタ写真とって携帯操作していましたから
またこの感動が拡散する。

なるほどな・・・



とここでKIKI


「おかあちゃまもFacebookおやりなさい」


「でも・・・」


「思うんだけど、
◎◎はやらない主義、っていう人いるけど
なんの意味あるんだろうと思うよ」


ドキっ。


確かに
携帯電話を持たないのは各自の自由。

でも

「もたない主義」というのはよくわからない。
相手が居る場合、不自由をかけることもありますから
「主義」といわれて威張られると迷惑する。


「いい情報の共有は役にたつ」

KIKI、母の携帯をパシャパシャ動かして

さっさとFacebook始めよう!と行動力のすごいこと。


でも残念ながらパソコン操作が必要になって中断。


でも思いました。


たしかにKIKIの言う通り。


「・・・・しない主義」というのは
内に秘めているべきで
言う必要はない。


ま、私の場合、Facebookをやらない主義、ではなく
やる機会がなかっただけのこと。


もしかしたら
意外と早く
こおろぎセンセーの元気なFacebook
このホームページとリンクしてスタートするのかもしれません。



御期待を・・・。


ブロード サイド フォーの歌う「若者たち」は
森山直太朗の現在のその歌と
やはり違う。


1960年代の終わりの
あの時代の風。


でも今またそのドラマと歌が支持されるとしたら
今の時代のなにがそれを求めているのでしょう。


考えるところです。


YouTube
ブロード サイド フォーを聴いていたとき
テレビで
宮澤章夫氏の
戦後ニッポンサブカルチャー史の第2回。

1960年代の懐かしい方々の名前に
しばし釘付け。


横尾忠則・・・大島渚
唐十郎寺山修司・・・
紀伊国屋社長の田辺茂一・・

そこで
フォーククルセダーズの名前も。


次回はそのお話を書こうかと思います。


涙なくして書けるかなあ・・・・


台風襲来の週末

平穏に過ごせますように・・