流れる時間

一週間前、こおろぎは素敵な結婚式に出席しました。



その報告記はすでに書きましたが

また追々ご紹介していきます。



日本は広い。

地球上では本当に小さいのに


北国はまだ雪の中。

今も震えながらブログを書いています。

西の方ではそろそろサクラの話題ですのに・・



先週着たキモノを片付けるにあたって

しみじみとながめています。

義母であり料理やファッション、生活デザイン全般の師匠であった
恵美子先生が残したキモノの一枚です。



キマキ小袖という商標登録もしたのでしょうか、
着丈で切ってしまうデザインを考案し、
自らのキモノのほとんどを切ってしまった師匠。
厚生年金会館でファッションショーも開いたほどの
力の入れようだったのですが


広める前に他界。


残された押し入れ一杯のキマキ小袖に呆然とした嫁でした・・


この小袖は、便利なようで不便。
着る人の身長によって調整がむずかしいからです。


そうとう高価な品も、ワタシ好みのものもあるのに
残念無念。


しかし残布があるものを駆使して
和裁の心得のある母がつなぎあわせて何年もかけて直せるものを直したのですが


この春らしい柄もその一枚。


とはいえ、
どこで着る?

という柄でもあって
一度も袖を通していなかったのですが


今回のお祝い事には季節柄ぴったり。


たぶん義母は60代で着たはずなので
えいやあっと、不得意なクリーム色ですが
着てみました。


義母が選び、母が直した一枚です。


そんなキモノを着る気持ちになる嫁、娘であったことは
小さな親孝行かもしれない、と
自己評価。



さて
近況を。

一年間、日程を固定して展開してきた
テーブルデザインコースの3月ラストレッスンがありました。

場所は札幌グランドホテルレストランの個室。

今後は外部の施設も利用して
さまざまな可能性を模索して行こうと思います。


先週の結婚式で作ったブーケの作り方などを
ご紹介しながら
みんなで小さいコサージュを再現してみました。

布のあしらい方も復習しながら
お料理を堪能したのでした。

自宅アトリエでは
いつもバタバタしてしまいますが
お料理はプロにお任せすると
座学でゆっくり学べます。

今回は
ナイフとフォーク、スプーンの配置などについて
1600年代のヨーロッパの事情などから
検討しました。


食具の配列や使い方について
その作法の歴史などを目下調査検討していますが


あくまでも
正しいとかまちがい、とかではなく

美醜の問題と捉える見方がありますが
そのとおりです。

美しいか美しくないか。


そして
安全か危険か。


さらに
合理的か合理的でないか。



この3つが基本。


そして
道具を使っての食事には
それが上手に使えるか、その知識があるかどうか、

それも問題視されてきたのです。


貴族階級の特権をどう守るか。


どんどん道具を増やした背景には
階級を守りたい、差別化の思想があったに違いありません。


そんなことを
時間をかけていっしょに考えてみるクラスを
春から作れたらいいなと
考えています。





さて先日、2泊3日で帰省した次女は
バタバタと帰って行きましたが
帰る直前、ラーメン!という要望。
時間もなく慌ただしい中で
ワタシが提案したのは札幌駅北口の
味の時計台


ラーメンに限らず
お寿司、おそば、これらには
絶対におすすめ、というお店を
大勢の方がお持ちです。


え?そこ?
絶対にどこそこがいいのに!


え?そこのが美味しい?
味わかんないの?


え?だめだめ、そこはだめ!
なんてったって、どこそこのなんとかラーメンがいい!



百人が百通りのご意見があります。
そういうみなさんには
ゆるがない自信があって
おもしろいなあといつも思いますが、


さてラーメン、
実はマダムこおろぎ、ラーメンにはあまりうるさくありません。


平均的でいい。


なぜならラーメンだからです。


札幌で有名な某ラーメン店が近所にありますが
実に個性的。
その個性的なラーメンが食べたいときはそこに行きますが、

いわゆる平均的なラーメンではない。


意識して自分でお金を払って食べるようになって40年、
ラーメンは偏差値50から60点がいい。

偏差値?


そうです。偏差値。


長くなるのでいずれまた・・・ですが

最低要素が含まれていて
北海道らしい黄色い卵の縮れ麺で
そこそこの濃厚さがあればいい。


バターとかカニとかコーンとか
それ、不要。


したがって
チェーン展開している味の時計台は合格点なのです。

少なくとも札幌駅北口のお店は
その偏差値を裏切りません。

次女は味噌ラーメンとバターライスのセット。


ワタシが少しだけ食べたかった塩ラーメンも
次女のものとなり

この大満足の笑顔。


ラーメン・・・
そうだなあ・・・
こんどはラーメンの調査、しようかしら・・
でもたくさん研究者いますね・・・



興味深いのは
「私のイチオシ!」をみんなもっていることです。


ラーメンそのものより
私は
ラーメンを語る人、
それも自信満々の人に興味があるのかもしれません。

さてさて
犬、わが家の犬は
耳のトラブルから解放されず、ひさしぶりに病院へ。

大好きなロン毛のチワワが先に帰ってしまったのが
悲しくて
ずーっとこうして見送っていました。

やっぱり明確に「好み」があるようです。




STAP細胞で騒々しい話題が続いています。

いい論文だったかもしれないのに
たぶん、学ぶべき論文の作法やマナー、ルールを
どこかで学びわすれてしまったためでしょう、
発見や成果とは全く違うところで
指摘される結果になりました。

なぜ、どうして、という疑問だけ、いえ
残念さが大きい。


科学など
簡単に証明も再現もできなくてもしかたがないことが多い。

遺伝子の本体がDNAであるということとて
どれほどの年月、どれほどの科学者が苦労し、苦悩し、
否定され、罵倒されながら
たどりついた結果であったことか。


しかし、その道には
正しい科学の手法があり、
表現の作法がありました。


今回はそのプロセスがまちがっていた。


あ、まちがいました。
とか

それ、下書きでした、とか

単純な取り違えでした


ということは
ありえません。


断じてありえません。


フツーならありえないのです。



博士論文の真偽までさかのぼる理由があったかどうかは
別問題にして

ただただ残念。


そろそろ研究の現場から離れようと思っているマダムこおろぎは
ここにきて
改めて学問とはなにか、
博士論文とはなにか、
そんなことまで考える時間を持っています。


巷には
おどろくほど簡単に博士論文を手にする人もいなくもないのは現実です。

こおろぎのように3年の予定が6年半かかったという
それも正常な精神が壊れてしまいそうな
人格破壊が起こりそうな苦悩の末の博士号でしたが


いろいろな博士論文があることは事実です。

そんなことを
知る機会にもつながることは
悪いことではないかもしれません。


今週も元気ですごしたいと思います。