怒りの週末

函館 五稜郭公園の桜です。

やっと青空の見えた日、授業の前に撮影できました。


狭い日本、しかしながら本当に広い。

沖縄に桜のたよりが聞かれたのはいつだったでしょうか。
そのころ、北国は、深すぎる雪に埋もれて
春など来ないかと思うほどでした。



私の喘息は
天候の回復と同時に快方に向かっています。
まだ少々あやしいですが、日常生活には支障がありません。

なのに
気持ちが重く、
怒りの週末、と題してしまったのは

今朝の某番組に橋本某氏出演。

ああ
饒舌な人間は苦手です。

こおろぎはおしゃべりですが

「こんな状況」で、異様なほどの饒舌な人間は
信用ができません。


無駄なおしゃべりの多い私は
たぶん、饒舌ではない。
ただの「おしゃべり」です。
内容がない。

ところが
この弁護士は
「饒舌」。


弁護士が向いている。


同じことを何度繰り返していたか、
その内容ではなく
ただひたすら、彼の「手法」を見極めることに
集中しました。


とにかく句点と読点の使い方が「絶妙」。
間髪いれさせない。
自分の言った文章の○と次の文章の間に隙間を入れない。
これ、ときどきいますね、こういう人。

実に迷惑。

つまりね、要はね・・・
言い換えをしてくれる、ということは
同じことを再び言うということ。

大勢の論客がコメンンテーター席にいらっしゃったので
ぜひぜひご意見が聞きたかったのに


ああ
ああ
ああ
ああ
ああっ情けない。

饒舌な一人に
司会者は、不要な笑い顔で場だけなごませ
論客たちが
意見を言おう者なら
饒舌な一人は
すかさずその言葉を全部覆い尽くしてしまう。

某氏の弁明ではなく
ただ彼の持論を
さらに展開させただけでした。



深夜のスナックの酔っぱらった常連客ではないのですから
笑って対応した司会者の
もしかしたら常識を超えた「実力」かもしれないのですが

その進行は
もったいないと思うばかり。

結局
饒舌な人は「悪くない」という結論がでたようにさえみえました。

一市長が、国際問題に向かってかくも大声で発言する不思議、
「市内」の山積する問題もあろうに。


聞かれたから答えたまでだ
聞いた方が悪い
伝え方が悪い?


え???

どうして反論しないのでしょうか・・
マスコミ、がんばれ!


一見正しそう、ちょっと聞くとまちがってはいない
そんな饒舌な一人の発言は

しかしどこかが大きく違う。


残念ながら
今明確な言葉で反論できませんが


違う。



女性蔑視?
いや
男性だって怒っていいのではないですか?


問題を上手に今、彼はすりかえようとしている。
彼の本音を彼自身が、周囲の問題にすりかえようとしている、と
思うのですが

微力で今は書けず残念。


人間には
言っていいことと悪いことがある。

本当なら言っていい、ということでもない。

なんのための『人間」か。

品位とはなにか。



とんでもない上目線で
女性を語り、弱者を哀れみ、戦争を語る
その姿勢、視線が
残念。


などと
朝からソファーに正座して腕組みしてしまったため、

せっかく入れた珈琲もまずくなり
つらい週末のスタートです。


ここは一つ、
美味しい新茶を入れ直して
仕切り直し。

こういう男、
いますね、どの空間にも。

つねに自分が正しい、
論破することに喜びがあるタイプ。

聞き下手どころか
聞く気のないタイプ・・・


なぜか男性に多い。

攻撃性、じゃないですね、むしろ
極度のディフェンス、防御の姿勢でしょう。


あ、いけない。
美味しい新茶で出直すのでした。

週末から来週にかけて
いろいろ目白押し。
饒舌男と
深夜のスナックのよっぱらいおじさんのような
笑って場をなごませる達人のことは
忘れることにしますっ。


先日、思うところあって
古い本を読み始めました。

日高敏隆から
大昔とどいたエッセイ集です。

読んだはずなのにどの文章も初めて読むような感動。
たぶん、そのころと今では読み手の私が
全く違うのだと思う。

ネコの世界を読みながら
しかし、そこには
本当に知的な、本当に文章のうまい
本当に人としてやさしい、日高敏隆という先生が浮び上がります。


とにかく明解な文章。短く平易な文章。しかし中身がずっしり。
亡くなってしばらくしてひらかれた お別れ会に1000人近くあつまったことが
理解できます。
文章も、会話も同じでした。


油断すると
難しい文章になり、つまりそれは
頭の中が整理されていないということですが
本当に
油断するとつい
いろんなことを重荷に感じたり、苛立ったりします。

けれど
ふっと息を抜けば
なんでもないことばかり。


ネコたちをめぐる世界


ご一読ください。


ネコ好きには極上のバイブル。

ネコ好きじゃない人にも
極上の人生指南。


頭が混乱しやすい人には
さわやかな風。
気分の転換。


1989年の出版です。
中のエッセイは1977年というのもあります。

こおろぎが、大学と訣別するころのことです。
あのころ、日高先生はまだ40代だったのだと思い
背中が伸びる思いです。
今の私よりずっとお若かったのに
本当に周囲に目を配り、「人」を育てていらっしゃった。


朝から
テレビの中継に激怒している暇はなかったです。


よい本を読みながら
武装することにします。


よい週末でありますように!