余裕の見つけ方

暮らしを豊かに・・・なんてこと

1985年に花と料理の教室を作った日からずっと
言い続けてきたのですが


その上
そんなことを

学問として学ぼうと
指導しようと
ずっとがんばってきたのですが


さて
当の私は、と言えば
豊かさとはずいぶん距離のある人生を歩いているような・・・。



たかだが
キモノ着るだけで

むかしから
祖先が着ていたモノを着るだけで

「せんせい」をお呼びして
着せていただくなんて


大人として
どうなんでしょう・・・


と思いつつ

長時間着ていなければならない日は

着崩れや
苦しさを考えたら

やはり
「せんせい」に着せていただくのが一番。


思えば、そうとう不思議なことではあります。

十二単衣を着るわけではなく
フツウのキモノですからね。



しかも
着れなくはないのですからね。



「習わなくては着れないキモノ」になったのはなぜか。



これは
キモノに罪があるのではなく
キモノを
面倒な衣類にしてしまった歴史と
暮らしそのものの変化
価格設定
あれこれ理由はあるのですが


キレイに着ているキモノと
キレイじゃなく着ているキモノがある以上


キレイに着たいと思うのは当然で


こおろぎ、今年度、少々真剣に


キレイとはなにか・・・を研究する身でもありますゆえ、
「せんせい」にしっかりコツを学ぼうと思います。



昨日は、イチオシの新年度の初日でしたから
桜の柄の大島を選びました。

帯合わせに悩みましたが
母の古い帯に
私が母に贈った九谷の帯留め、
キモノが暗い色なので
帯揚げは春らしい色にしました。



それにしても
桜の柄など
贅沢な買い物をした時代があったのだと反省。

かなり昔、母と興奮して買ったのですが
桜は、春だけでなく
日本の花だからいつでも着ていいのですよ、などという
上手な「クチグルマ」に乗せられましたが
お祝いの席であっても
モミジやカエデの時期に
大雪の時期に
わざわざ着る気にもなれず


結局、春のひとときだけの贅沢品。

食器もキモノも
日本は贅沢な柄があるものです。


桜はその代表。
ある意味、要注意の柄だと
思いながら

今こそ着なきゃ、と
思った次第です。



こおろぎの着付けのせんせいは
若いかわいいせんせいで
じつに帯扱いがやさしい。

帯の傷み方が少なく、
着ていても全く苦しさがないのです。


夜遅くまで着ていたのですが
暖かく、心地もよく
キモノのよさを痛感しました。


さて
昨日の次女の入学式には
母親である私は欠席しましたが
なんと、当ホームページの管理人、みのりちゃんが出席してくれました。
不動産鑑定士として
多忙を極める日々なのに
東京から馳せ参じて、
次女の部屋のタンスを組み立てたり、大活躍の上、
入学式には
若い若いお母さんの顔をして
しっかりと次女の旅立ちを見守ってくださいました。


東京で受験したり発表を待ったりした日々も
ずっといっしょにいてくださって
次女には強い強い支えでありました。

みのりちゃんの撮影による
入学式の様子をみて
ひとしきりため息。


その感激と同時に
写真を観ていて
別のため息も。



かれらのファッションの画一化。


黒、紺、グレイ・・が主流なのはいいとして
(これとて、冷静に考え、今一度、その根拠を明確にしたいと思いますけれど)


私の調査では
入学式には
リクルートスーツ」が多いと。

「すぐに就活がはじまるので、そのとき着ることができる」という理由。


そもそも
リクルートスーツ」とはなにか。



大人たちの「ブラックフォーマル」が基本かもしれない。






黒が喪服の色になったのは最近のこと。

そしてその喪服が
結婚式でも着てよい、就活でも着てよい、
冠婚葬祭、いつ着てもよい便利な洋服になったのはなぜか。


キモノが不便な衣装になり
洋服が日常のものになったものの

西洋の衣装の文化まで学ぶにはいたらなかったのではないかと思えてきます。


個性を重んじる風潮とは全く違う現象です。


成人式の
振り袖のふわふわの白いショールも同じです。
なんでしょ、あれ。

作られた奇妙な晴れ着文化が
そこで安定したようで
不思議でなりません。

リクルートスーツも同じです。



あんなに制服が着たくなくて
あんなにスカートやズボンの長さを勝手に調節してきたくせに

似合っても似合わなくても
抵抗がないのはなぜでしょう。



ずっと考えきたのですが

とうとう次女の入学の年になり
未だに、その答えはでません。


次女には
もちろんそんなスーツを買おうなどとはおもわず、
普段も着られる黒のワンピースにいつも着ているグレイのジャケットを合わせる予定でしたが


結局
シャツタイプの上身頃にスエード風のスカートのワンピースに
ニットの紺の軟らかい素材のジャケットを組み合わせました。

通学にもよいセットだと思います。


「着る文化」を考えるのは興味深いことです。

これからも
大切なテーマにしていきたいと思います。


さて
今日のお料理のご提案は


さ、ら、だ!

フツーのお豆腐のサラダですが

これ、日本料理店のお豆腐のサラダ。

とにかく器がどれもこれも秀逸だったのですが
盛りつけが丁寧。

ざっくり盛り合わせるのではなく
丁寧なお豆腐が美しくて
丁寧に丁寧にいただいたのでした。


神戸の哲粋というお店でした。