春を待つ時間

10個捨てれば30個集まるのが
私の運命です。


ハイヒールグッズコレクターは
ただ道を、
ボーッとあるいていただけなのに
古道具屋さんの窓辺に
こんなハイヒールを
しかも2つ、見つけてしまいました。


絶対に
確実に絶対に
フツーなら見過ごすモノです。


「呼ばれる」という
まさにそんな感じで
振り向いたショーウインドーにあったのでした。


ほこりまみれの
ガラスの靴は
ペーパーウエイターか
ただの飾り物か


大きな役割は果たせそうもない存在ですが



美しいので合格です。
板チョコ一枚分程度のお値段で
ゲット!でした。




モノの価値は

何に使うか、
というだけには存在しません。


役に立つかどうか

というだけではない。



それは人も同じです。



思い切って言えば

学問も同じです。




寝たきりだったり
不調だったりすれば

直接役にたつことなどできない。
それならば
そういう人は
不要かといえば
断じてそうではない。




存在の理由は
「そんなところ」にはないのは明白です。




なんの役にもたたないけれど
必要なモノはたくさんある。



数日間、母校の研究室に通っていたのですが
この考えを
不動のものとして
しかと確認してきました。



3月の神戸、西宮は
すっかり春の陽気でした。


武庫川女子大学
植栽は
いつもどおり美しく調えられていました。



この大学は実に大きく、
まだまだ大きくなりつつあって
道路を挟んで
歩道橋やら通路やらがどんどん伸びて
日本一大きい女子大学は
今も成長し続けており、
頼もしいかぎりです。



そこで何をしてきたかというと


昨年から始めた食卓まわりのモノ調査の
研究打ち合わせと

これも大きなプロジェクトである
ある女性の家財道具すべてを調査するという研究。

今は
粗品」についてまとめているところです。

粗品、とはなにか。


そんなことを考えてどうするんですか?


という声があちこちから聞こえてきそうですが



追々お伝えしていきます。



今回は1万点(!)近い物品の中から
5000点ほどのアイテムを精査し
粗品ってなんだろうと頭を悩ませました。



・・・・・


熨斗をつけて
手渡す粗品の機能

実に興味深いものがあります。


来月はそのほんの一部を囲んで
またサロンを開催予定。


さて
そんな作業のためには
ホテル暮らしも余儀なくされるのですが

これも「業(ごう)」でしょうか。


一瞬の休息時間のテレビでさえ、

スタジオの花の写真を撮ってしまうのです。

実にまったく

どこにも休息などないわと
苦笑するばかり。


しかし

調査、研究、デザインの全てが
私の趣味でもあるのでしょう。


こんな年齢になって
次から次へと
思い浮かぶアイディアで
身動きできないほど。

ありがたい限りです。


さて
お里に預けられていたりきまるさんは
お母さんやら兄妹姉妹と猛烈に楽しい時間をすごしていたらしく
大変強気になっていました。
興奮状態が続いていたのでしょう。
しかし
人生
いや
犬生

それほど甘くはありません。

お寿司屋さんのトラちゃんは
のら猫返上して外ネコとして
立派な小屋に住んで6年という大御所ですが

りきまるさんとの相性は抜群に悪いのです。
しかし
りきまるさんは
嫌われていることがわからない。

嫌われても嫌われても近づいて行きます。
その根性には
学ぶものがあるほどです。


しかし
今回は強烈でした。

お里帰りして犬らしさを学びなおし
強気になって
ついボーダーを超えて接近してしまったのでした。


トラちゃんの怒りが爆発寸前。

そこでカメラを構えた私は立派です。

さながら戦場カメラマン気分。


本当に飛びかかられそうで
このシャッターを押したあと
りきまるさんを引き離すので必死でした。


トラちゃんは
今でこそ
柔和(?)なお寿司屋さんの外ネコさんですが
元々は苦労人(猫)。
やわなスタンダードプードルなどに
愛想を振りまくことなど
絶対にできず
ましてや

仁義をふまえず
境界を越えて接近する甘い奴など
絶対に許さないという気構えでした。


実に立派。


りきまるさんを
不戦負にして
やっとおさめた戦いでしたが


その後も
トラちゃんは
しばらくのあいだ

戦闘姿勢をくずさず、

人に飼われるほ乳類として
最低守るべきプライドと
野生の強い遺伝子を

その姿で
りきまるに教えてくれているようでした。


多々
書くことはありますが

追って続けてまいります。


春はそのあたりまで
確実に来ているようです。