ワクワクする暮らし

とんでもなく予想不可能

想定外・・・


そんな日々が続いています。

時間は読めず
予定もたたず


あちこちに
申し訳ありません・・・と言いながら暮らしています。



2月は少しは余裕があるかと思ったのが間違い。

大学の定期試験の作成、採点、評価に加え、
論文の校正、執筆の準備・・


非常勤生活にも関わらず、
それなりに迫る仕事があるものです。



そんな日々なのに
住生活と衣生活の整理もせねばならず

手をつけた、義母の衣装箱には

まだまだ驚くほどの「衣裳」が眠っていました。



真っ白い喪服と
真っ白い喪服用の真っ白い帯と
真っ白い喪服用のための真っ白いコートが
出てきたことはすでに書いたかもしれませんが



今回はあらためて


恩師でもある義母の「贅沢」に触れて
ため息。


和装用のコートがどっさりでてきたのです。

よく見かける、胸元を四角くカットしたような長い雨コートではなく


なんともエレガントな和装用のコートが
それも、いろいろなデザインのものが
何着も。


今日の写真はその一枚。


イマドキ

こんな丁寧な柄

丁寧な裏地

あるのかしらと思うような


そして
この組み合わせは

義母のセンスだと疑う余地のないものばかり。



裏地に凝るのが和服ですが



ああ

本当に美しい。


オモテの柄を受けて広がる
あでやかな裏地の柄。




春を待つ、こんな柄のコートは
きっと秋も深まり、小雪の頃用のものだったのでしょう。


それとも

作っただけで、眺めて楽しんだのかもしれないと


裾にしつけ糸が残っているのをみつけて
思ってみたり。






センセーはいつも楽しそうですねと


時々言われます。



確かに楽しそうに見えるかもしれませんが


それは


楽しいからです。



今楽しいということは


過去ずっと楽しかった、ということではありません。


しかし


過去の苦労を滲ませてくらしても
マイナスの流れしか生みませんからね。



ときどき、
人を評価するとき、


「いろいろご苦労なさった方」

とか


「なかなかの苦労人」

とか

「相当な不幸を乗り切った方」


という「肩書き」が
想像を超えて、好ましい評価を得ることがあります。



不満ですね、私。


不幸だったり
苦労をしたりしたのは

今の人間性とは別なのに


苦労をした人、が
今はどんな人であれ、

ひとまず、「いいひと」の枠で一歩前に出ることができるのが
日本。


不思議なことです。



「今」何をしているか
何ができるか
今、どういう人間か、だけでいいのじゃないかと
思うこと、多いです。

そして
今が楽しいかどうか、じゃないかと。


昔何をした、とか

昔は何が出来たとか

そういう歴史は
大切ですが


人間の価値を決める時

「継続」には意味がありますが

古びた栄光や
越えた不幸は
自慢にはなりません。



なぜか
そう思うことが多い昨今です。




私が
もし
楽しそうに見えるとしたら


たぶん
楽しいからでしょう。




「昨日、おみかけしたとき、元気がなかったので心配してました」と

今日午後、仕事仲間の先生に言われたのですが、



「はい、元気がなかったのです」とこたえました。


定期試験の作成、実施、合計350名の採点と評価、
論文の校正が重なっているところに
高齢者も抱えるフツーの日常ですから
元気がなくなることもあるわけです。


元気のないときもあります。



でもまあ


多くの時間、私は楽しいです。



ですから


楽しくなさそうに仕事をする人が
かなり苦手です。



どんな仕事でも
やるなら楽しそうにする人が好きです。



そういう人はどんどん楽しくなり

いっしょにいるひとも楽しくなれますからね。



楽しくなさそうな人は
周囲に楽しくない風を吹かせてしまうので
近づかないことです。




義母には義母の苦労があったはずですが

いつだって華やかで
いつだって笑顔で
どんな時も楽しそうな女性でした。


亡くなって15年。
今こうして、和服を学びながら
その軌跡をたどりはじめて

呼べど答えのない哀しさに
胸のつまることがありますが



けれど

彼女の残したキモノも食器も驚愕のレシピ数と書籍を
全部使おうとしている嫁を

どこかできっと見て笑ってくれているだろうと思って


元気に後継に勤めようと思っています。



日本の柄は美しい。


豪雪の札幌に
この梅のなんと美しく映えることか。

窓辺にひろげて
しばしため息をつきました。

いやな事件の多い昨今ですが

素敵なモノをさがして

ワクワクすることをさがして

なんとか春を待ちたいものです。


わが家の受験生も元気に再度挑戦を開始しました。

人生は確かに長いですが

思っているほど長くはありません。


「そのうち・・・」など絶対にない。


「今」。


「今をたのしく」。


古いキモノから
今を生きる元気をもらったような気がします。

義母の心意気が、私を元気にしてくれたのかもしれません。