寒い朝

かつて吉永小百合さんが
寒い朝」という歌を歌った。
詩がよかった。


心ひとつであたたかくなる・・・という箇所があるが
心をどうもとうが、寒いものは寒い。


そんな朝、イチオシモーニングで
橋本市長の高校問題発言や
野菜の価格高騰を考えて帰宅。


早々に開いた本でため息。


「食べ物の好みが、純粋に個人的で恣意的な変異の問題ではなく、
社会的集団の中で広く共有されているとすれば、その社会集団が、いかにして
食べ物を現在好んでいるような好み方で好むようになったかについて、
何も言うことはできないのだろうか・・・」


というような



はたまた

「フランスに対するイングランドの料理上の『文化的依存』が増しつつあること、
それが中流及び上流階級の食にもたらした複雑な結果を調べ、さらに、社会階級の
最上階から底辺まで、食におけるより大きな同一性への明らかな傾向が出現したのは、
やっと19世紀の間にすぎないことを読者に指摘する・・」


というような

これほど難解な日本語はめったにない。


翻訳本である。

どんな英語だったのだろうと
そちらに興味が行く。
いっそ原語で読んだ方が理解が早いだろうと悲しい。



名著のはずだが、
これで5度目の読破挑戦。
514ページは長い。
読み終えたら報告したい。



簡単なことを簡単に伝える
難しいことも簡単に伝える・・
それが教師の仕事だと思う。


簡単に伝えるためには
徹底的に理解し、伝える側が
おもしろがっていなければならない。


教育の原点がこのごろやっとわかってきた。




さて
なにもかも
目の前のコト、モノだけ見て、考えていればいいじゃないの・・・

とか

使うとか
使わないという

頻度の問題だけで考えるという傾向には賛成できない。


ときには
モノやコトの周辺に広く深く目を向けて
掘り下げること

捨てる前に見直すこと
諦める前に一考すること
見えない裏側を「詮索」すること


こんなことが学問なのではないかと


そんなことも思うようになってきた。




玉石混淆の
首輪の束を見ながら
このどれひとつとして
我が人生の必須アイテムではないことくらい承知している。


けれど
どれひとつも捨てられない「理由」がある。
モノがもつ「背景」と「歴史」に存在の立派な『理由』があるからだ。


使うか使わないか、という判断は危険ではないのか。



かつて
ラマルクが
用不用説を唱えた。
キリンの首は、高いところの葉を食べるために伸びた・・・的な
使うか使わないか・・・が進化の力だ・・・というような


それに対してダーウインは
自然選択説を唱えたのだけれど
これがまた
適者生存
survival of the fittest
という視点。

適したから生き残った・・・
生き残ったものは適していた・・ということか。


しかし
その後
木村資生は
中立説を提唱。
これは
survival of the luckiest。


このあたりの話を昨日の生命科学の授業で取り上げたのだが


分子運動からみれば
なにかが「残る」か「消える」かは
適したからとか適さないとか
有利か不利かとか
使うとか使わないとかというより、

本当に偶然、
幸運・・・という程度の
たまたま・・なのだという説.



これは単に、生物学の話にとどめておくにはもったいない議論だと思う。

使うか使わないかという判断は
使えるヒトか使えないヒトか
利益を生むヒトかどうかとか
役に立つヒトかどうか
というような
そんな判断の基準にもなりうるのだ。

これは
実に危険な思想ではないのか。



と、

少々難しくなりそうなので
この議論は別の機会に譲るとして


軌道修正。

分子・・・なので
流れる方に流れる


という、



そんな生き方もいい。

これもこのごろ富みに思う。


ただこれは
努力しないで
ただぼーっと生きるということではない。



分子で構成されている我が身は
かならずその掟通りに年月を生きるだろうから
ヒトができる身体のケアや能力のブラシュアップは怠ることなく継続しつつ

しかしながら
必要以上の闘争性等に振り回されずにいることが
本来の姿かもね・・・なんてこと


学生さんには伝わったかどうか。



還暦周辺を歩く様になって
本当に突然いろんなことが見えてきた。


昨今、マダムこおろぎは、おもしろいこと考えるようになっています。
ご興味のあるかたは、「接近」してもいいかもしれません。
危険度は多少、まだありますけどね・・・。


簡単クッキングは続いていて
市販のソース2種類をまぜてひき肉など加えて10分で仕上げるミートソースは
常時冷凍。それを使ったポテトとナスとマカロニのグラタンは
これまた10分で極上でした。


大好物の芽キャベツ
野菜高騰の昨今は大ごちそう。
あらゆる根菜類といっしょに煮込んで
これもまた
この季節には最高。
仕上げのバターで
感涙のシチューとなりました。


センセー、ちゃんとしたレシピ、ないんですかと
お問い合わせがありましたが、
ごめんなさい、ありません。
お教室で見ててください・・・・。

そのうち、名秘書たちが
レシピにして発表してくれるのを待ってください。


センター試験が明日と明後日ですが
こおろぎができることは何もないので
何もしません。
二人の娘たちが合計5回もセンター試験に挑戦。

素敵じゃないですか。

せっかく高校を卒業したんだから
目の前にある試験くらい、せっせと受けたらいいのです。
その程度です。

ただね、本当に昨今の入試制度には言いたいことがどっさりありますが
当の学生さんや、元学生さんたちが声をあげないのだから
まあいいのか、と思ったり。

わが家の犬も
どっしりと落ち着いています。

寒い朝です。


さ、読みにくい本をあと少しがんばって読み進み、
今日の仕事にとりかかります。