さみしい週末


土曜の朝、伯母の訃報がありました。
母の長姉で98歳。
いい伯母でした。


電話を受けた母が
残念だと繰り返しながら、
写真を整理したので、見せに行こうとおもっていたところだとか
秋になったので顔をみに行こうとおもってたとか
おねえさんのことを思い出して、来週にも行くつもりだったなどと


それは悲しみの
一つの表現だったのだろうけれど


聞いていて
愉快ではありませんでした。



行こうと思ったなら
なぜ行かなかったのか


「今やろうと思っていたのに・・」というフレーズを
ここでも聞くのかと


残念。


行きたいと言えば、連れて行った。
こおろぎも大好きな伯母だったから
入所していた施設に、なんとしても連れて行った。



母自身、自分の体調が不安だったり、自分のことで精一杯だっただけ。


責めるつもりはないけれど


ああ


両親をはやく亡くした母にとって
親代わりでもあった伯母



学校には幼い母を背負って通ったという。
教室の机の足下に
幼い母を座らせて勉強したと聞く。


母の学費を工面し、キモノも用意してくれたという。



その伯母が
寮生活をしていた母のところに、
古い下駄を履いて訪ねてきたときのことを
ある日母は切なそうに語ったことがあります。




「おねえさんがね
古い古い下駄をはいて訪ねてきてね
はずかしくてね

でも
悪かったわね、
精一杯の生活だった頃よね・・
はずかしいと思っちゃいけなかったわねえ」


私は泣きました。



若い日の母、10歳上の、それでも若かったその姉。
妹を学ばせようと思った姉
その姉に感謝したときはすでに
二人とも老いているのですから。






いい伯母でした。

よい結婚をして
よい時代の工務店を切り盛りして
大勢の人を使い、大勢の子供たちを立派に育て
幸せな老後でした。




それでも


この私自身も
何のお礼もきちんと言えないままの突然のお別れになりました。


人はこうして
突然別れます。


避けられないイキモノとしての宿命を
ときどきこうして確認させられるのです。



先週でも来週でもこおろぎは札幌にいませんでしたが
幸い、お別れに行けることに感謝です。




さて
気をとりなおして
だからこそ

限りあるのが命だからこそ

心やさしく生きたいと思うばかり。


避けられるトラブルは避けたいと思うばかり。


やろうと思ったことは
できるかぎり、「ちゃんと」やる努力をしてみるだけ。


今日の「ちょっと素敵」のコーナーです(突然ですが)。

さてこの包みにはなにが入っているでしょうか。


こおろぎが関西空港から買ってきたママへのお土産。

88歳のお祝い!

さて

・・・

いやあ、88歳のお祝いに
孫の手とツボ押し。


タンザニアかどこかの民芸品で
2つ合わせて1200円くらい。


・・・・・

米寿のお祝いに娘が母に贈る品としてどうなんでしょ。

まあ、
その写真は後日お見せするとして
そんな中身なのに
なんだか素敵なラッピングでした。



いろいろ多忙で元気もそがれそうなこおろぎですが


元気です。

今週末の魔除けの一枚は
いつも通り、ビール片手のこおろぎです。


多々訳あって小説を読まなくなったこおろぎですが
さきほどテレビで紹介していた
道尾秀介さんの「ノエル」が読みたくなりました。


直木賞作家ですが経歴は農学部
ちょっとした「同郷感」もあり
インタビューの様子も、ちょっと気に入ってしまいました。


ミステリー作家が
どうやら、とてもあたたかい小説をおかきになったようです。


「見えないモノ」を信じてみる・・・こと


そんなことを語っていらっしゃった。

そして「星の王子様」が好きだとおっしゃっていました。



これはちょっと困りました。
なぜなら
こおろぎは
星の王子様・・・が大の苦手だからです。
まあ
童話は全部苦手なので
特に・・・というのではないですが


端的な言葉のなかに
どっさり教訓が詰まっている、その重い説教臭さが
とにかく苦手。
ついでに書くなら
宮沢賢治作品は全部苦手です・・・

まあそれはよいとして


その苦手な星の王子様から
さらりと引用した内容が
ずしんと
ころおぎの閉ざしてる部分にのっかったのでした。


これは
道尾秀介さんの力です。



時間をみつけて読んでみようかと思います。




突然の秋です。


アレルギー全開で
ころすけと二人、右往左往の大騒ぎ。
耳鼻科、内科と忙しいですが
なんとか乗り切ります。


こおろぎ組の皆様にはよい一週間でありますように!