わからなくてもいい

わが家の納戸化している地下室から
美しい器を
また発掘しました。


撮影にでも使ったのでしょうか

サイズ違い
色違いで2組。


こんなご飯茶碗で
ふっくら炊いたご飯をいただくこと


久しくありませんでした。



気取らない、
丈夫な


そんな器のほうが
ずっと庶民的でいい・・・



それは確かです。


ご飯茶碗に蓋など不要。


確かにそうです。



でも


じゃあ


ご飯と汁椀を分ける必要もない。


所詮、お腹のなかでいっしょになるんですからね。

丼一個でいい。


いや鍋一個でいい。



必要か必要ではないか、


そういうことだけで判断するのがドライで
カッコ良く、
合理的で気取っていない・・・と
見る考え方は

やはり理解できません。



茶碗の蓋は確かに不要。

こんなに薄い磁器の器など
扱いも緊張するし

第一、小さすぎます。



そう思うなら
丈夫な丼でどっさり食べればよい。


そんな時があってもいいし
こおろぎにもそういう時間はあります。





でも


「そこ」なのです。





その無駄、
その緊張感



それが文化だということ



こおろぎ、やっと分かったのです。




そもそも

茶碗に

こんな柄、不要ですからね。





あってもなくてもいい

でもあったらうれしい



それが文化だと思っています。






何を着たって同じです。


着るものになどお金を使うのは
無駄だという人もいる。



でも

今日のこおろぎは
ちょっと考えて装いました。



カブトムシのママが残したキモノに
こおろぎのママが使っていた帯



和服を着るのは少々手間がかかります。


けれど


手間をかけて装うと

それだけの気合い
それだけの緊張があります。




それが仕事に必ず表れます。



だから


「ソト」で、「ソト」の自分を作ることにおいて
手を抜くことはできないのです。





母親たちが大切にしていた和服や帯、
残してくれたものに
古い時代を思いながら



こおろぎの感覚で着ていこうと思います。


先日来、こおろぎの和服探訪、和服研究におつきあいくださる先生もでき、
本日のイチオシも
藍色の単衣。大きな蝶の柄でうかがいました。





おびあげの色は
こおろぎならワインレッドか深い茶色にするところですが
和服のプロが選んだのはこの優しい色でした。


帯じめも、引き出しにあふれる母達のお宝のなかから
ひょいと選んだものに。


ブルーとワインレッドが素敵。


と書いて、
この色の表現、日本の色では 何というのでしょう。

調べてみることにします。




帰宅するとりきまるさんが
またまた怪訝なかお。


おかあさん、スカート、長いっすよ、という声が聞こえそうで
おもしろかったです。


仏壇用の大きな座布団は
今ひとつ気にいらないようですが


りいちゃん、与えられた幸せ、ってのも
味わうことに多少、意味があるってもんです。


欲しくなかった幸せってのも

あるかもしれません・・


なにかと大げさな最近のこおろぎセンセーですが
元気です。


朝型のため、
夜はボーッとしていますが
それはりきまるさんも同じです。




そうそう
こおろぎの大好物が届きました。

ころすけも大喜び。


美しいなあ・・・
ミモレットです。

しかも24ヶ月熟成。

ヒャーッ、ワインに合わせるより
珈琲や煎茶で。


ころすけさんと奪い合っていただきました。


ころすけは赤ん坊のときから
甘いモノが大の苦手。

ケーキ、お菓子類は不得意です。

そのころすけさんから
Blogの応援団に伝言です。


きっとどこかの大学に合格するので
どうぞ祝ってやろう、という方は
ひとかけらのミモレットを!とのことでした。



こおろぎは
レッドチェダーも大好きです。

よくサンドイッチに入っている、あのオレンジ色の。


いろんなチーズのどれも好きですが


素人だと笑われることもありますが
なんの遠慮がいるものですか、

ミモレットとレッドチェダーが好き。



そういえば
話題のものとか

大勢が評価するものとか


専門家の押し売りとか



そんなことに目も舌も狂って
本当に好きなものを好きだと言えない人が
実はいることに最近気づきました。



魯山人の器は
本当にいいのか、



だれにとっても
どんな料理にとってもいいかどうか

それは不明です。



こおろぎはご遠慮です。



リチャードジノリロイヤルコペンハーゲン
確かにいい。
使いやすい。

でも
大倉陶苑の白い磁器と
どちらを選ぶかと聞かれたら
こおろぎは大倉を選ぶかも。


丈夫さで言えばちょっと違いますが。



クリストフルの銀器は確かにいいですが

銀器は他にもあります。

素晴らしい会社がたくさんあります。




なにが言いたいかといえば




好きなものが好き、ということです。


ときどき
こおろぎは馬鹿にされることがあります。



たとえば
どんなチーズが好きですか、と聞かれて

レッドチェダーです、と答えると


9割の人が、少々あきれたり馬鹿にした顔になります。



どこの
なんとかタイプの
何年のどんな・・・


という答えをみなさんご期待なのかもしれませんけどね。




同じく
ワインもそうです。




コンビニの500円のワインも実に美味しいのがあります。


それでいいじゃないですか。



こおろぎ

何が嫌いかといって
ワインの講釈の長いオッサン、苦手ですね・・・。



お医者さんと弁護士さんに多いように思うのですが
偏見でしょうか。
たぶん大偏見ですね!



黙って楽しめ!

と言いたくなるくらい
講釈、ご説明、ご演説、ご評価ご批判の多い
愛好家は大の苦手です。


美味しい、というのは表現していいけれど


このトシの葡萄がどうだったか、
このシャトーのなんとかがどうだったか

とか


ああ、いやですわ。




漬け物たべながら
蕪や大根の取れた土地の説明や講釈する人、いないでしょうが。




また機嫌が悪くなりそうです。



まあね、

確かに、味のわからないおばさんなのかもしれません。

イイモノがわからないおばさんなのでしょう。



ここまで生きて来て、
やっぱりレッドチェダーなんだし、
渋い赤ワインが好きなんだし。







お仕事お仕事。


おいしいミモレットを薄く削って
濃いお茶といただいて
調べものを再開します。


静かな夜です。