花の力

花のデザインを教え初めて35年になります。

長いです。

そして相当、多種多様な場面で学んできました。




これからも
こおろぎは指導をするかもしれませんが


花のかたち、だけ
教えることは
多分ないです。


花を贈ること
その意味と
機能、


そんな
面倒な指導でよければ

こおろぎの門をたたいでください。


これからどんどん
面倒な授業になりそうです。




服装とか



言葉とか




花のデザインに
全く関係のない


衣食住やコミュニケーション、社会学


そんな

どうでもいいこと

どんどん広げて考える

そんなことをおもしろがれる方は
門をたたいてください。


なかなか開かない門になりつつありますが、





世の中にはたくさんの
お花を学ぶ場面がありますから


おしゃれで素敵なスクールを選んだほうがいいかもしれません。


こおろぎセンセー、難しいこと言いすぎるかもしれません。

めんどうなこと、言いすぎるかもしれませんから。






こおろぎは

昔から
伊勢谷友介さんが
大好きですが



目下、COCO塾のCMが、最高です。



伊勢谷友介さんが最高なのは言うまでもないのですが


赤いバラの花が
プロポーズに必要だ、というその設定が
今のこおろぎの心境に近いのです。



人はなぜ花を愛でるか


というシンポジウムがかつてあり、


こおろぎの恩師であった
本当に恩師であった
直接門下にいなかったのに
恩師以外の誰でもなかった日高敏隆先生が
冷静にまとめられたシンポジウムでしたが


そんなめんどうなことを
いっしょに考える勇気のある方だけ


こおろぎの門を叩いてください。





誤解を恐れずに言いましょう


世の中には
本当に
どうでもいいダメな花束があります。


3000円で!


とか

5000円で!


とか

1500円程度で!


という

そういう役割を背負う花束です。


それは花束の宿命です。






その「価格」を贈るという、その「出費」の代用しか
果たさない花束の空しさと切なさ。





先日、そんな花束を
また見てしまいました。



大変お世話になった先輩のお一人がご退職なさいました。


幸い、お見送りすることができました。

御定年を前に、ご事情があってのご退職は
いかばかり無念だったでしょう、


そのお手元に
一つの花束。



こおろぎなら
絶対に選ばない、絶対につくらない
格通りの
心にのこらない花束でした。


花束を贈ろう、

という意識は一般化しましたが
選ぶ意識は、低いままです。



その花束が
さみしく見えたのは
なぜ、その建物にその時いた全員が見送らなかったのか、という
そういう疑問があったからでもあります。



仕事中とはいえ

長年ご苦労をされた方の労をねぎらう、その思いは
花束を越える表現のはずではなかったでしょうか。



実は
花束はいらないのです。


気持ちが充分に伝われば
花束はいらないのです。


伝えきれない思いを伝える手段が花だということ


そこに
思いを馳せられない人が選ぶ花束が
悲しいのです。



人と別れるとき
人の魂が露呈します。


死であれ、
移動であれ


日々の帰宅や下校
なんでもいいのです、

そのときの挨拶、


それが
実は大切なのだと


こおろぎセンセー
たかが花束ひとつで

ずっしりと考えこんだのでした。




こおろぎセンセーのお教室
今後、変ります。


覚悟の有る方、どうぞ御入門ください。
ただし、試験のあるクラスが登場します。


偉そーなこおろぎセンセーですが
許してください。



攻撃的なこおろぎですが



それがこおろぎがやる花塾であり
もてなし塾なのではないかと
考え始めたのでした。