考える秋

大学の前期の評価を1ヶ月もかけて終えました。

ふと窓辺に目をやると
この夏、眠れる箱から発掘された
多分30年間眠っていただろう、赤ちゃん用のお飾りが
風に揺れていました。


なんとも素敵。


正真正銘の我楽多です。

けれど


だれもが
ふっと優しい気持ちになった
不思議なお飾りでした。



オルゴールはもう鳴りません。
でも

キャラクターモノではない
そしてプラスチックでもない

一つの時代の
丁寧な手作業の作品です。



捨てるのはやめました。
また箱に収めて
ひな祭りか次の夏、飾ろうと思います。


でもちょっと暗い?

明るくするとこおろぎの採点現場はこんな感じです。

学生さん、よく見てください。

同じ学生さんの答案やレポートを何種類も並べて評価するのです。

この夏は400名ほどの学生さんを見たでしょうか。


そして今月からは
新しい授業が始まります。


心新しく、臨みたいと思います。


さて
こおろぎセンセーは
専業主婦に、大変敵意を持っていると思われていては困るので
書いておきます。
なぜかというと
食生活論や食品流通の講義で
専業主婦の誕生
第1種兼業主婦とか
第2種・・・とか
そういう内容に触れるたびに
少々力が入っては、学生さんたちに笑われるからです。


こおろぎセンセーが専業主婦ではないので
アンチ専業主婦だと思っている学生さんは多く、
このBlogにも
頻繁に
結婚と子育てをなんの言い訳にもすべきではないという旨を書いてきていますからね。



要するに
生物多様性だということです。

女性の生き方も
人間の生き方も
多様だということ。


ただ
女性の場合は
女性しか出産ができないので
社会人として生きるときには
想像を超える問題がたちはだかるということです。


そして
社会が期待する女性らしさとか
特に女性にのしかかる適齢期という呪縛が
能力のある女性の前途を邪魔してきたことを知っているからこそ
ついムキになる傾向があります。





子育てに関しては


「子供が小さい時は
せめてそばにいてやりたいと思います」という
ことは頻繁に言われることで
それを聞くたびに


こおろぎは
いつも耳が痛くなりました。


「仕事には代わりはいるけれど
母親の代わりはいない」


という言葉は夫たちのこれも常套句で
(カブトムシは一度も言ったことがありません。)
こおろぎの心にずっしりと刺さることばでした。


今はもういいのです。

なぜなら
不細工シスターズが
20歳と27歳になり
彼女達のそれぞれの同級生達をたくさんみてきて
専業主婦のお母様と
兼業主婦のお母様との
子育ての違いを、実体験しましたからね。


ひとときたりとも子供と離れず
塾もおけいこ事も
雨にも風にもかかわらず送り迎えしたお母様の
お子さんと


いつも留守で
手抜きご飯で
送り迎えなど、よほど時間があるときしか行かず、
雨でも嵐でも自分で往復・・・という
たとえばこおろぎさんの家のような場合でも


そこにどんな違いがあるのか
こおろぎはしかとこの目で見ましたから。



もっと
手をかけてやればよかった、と思います。

もっとああしてやれば、こうしてやればよかったと
思うこともあります。

しかし


それには際限がないのです。


働く親を持つ子供達、
働くしか方法のない親をもつ子供達

そしてそういう親たちが多い時代に


「子供が小さいときは
そばにいます」

「母親の代わりはいないので
子育てを最優先します」ということは

どんな母親も思うことで、できるならやりたい。

でも
そうできない、そうしない兼業主婦がいるのです。
そういう人たちへの宣戦布告に聞こえることも事実なのです。






これは
先日、ころすけさんも言ってました。

タレントさんたちの出産ラッシュで

子育てが一段落したらまた働く・・・という発言を聞いて


「一段落ってするの?」

そして


「子育てはしっかりしてから・・・という発言って
オカアチャマみたいな人への、挑戦状みたいに聞こえるわね、
腹がたつでしょ」


おもわず手が止まったこおろぎでした。

ちょっと胸が熱くなりました。




働く女性がいいとか
専業の主婦がいいとか
専業の母親がいいとか

比較の問題ではありません。


ただ
多様だということです。



事情も違う。


母の手が本当に必要なお子さんたちがたくさんいることも確かだし、
手をかけすぎてスポイルされる子供達もいる。


働かざるを得ない母もいれば
働きつづけることを選んだ母もいる。


なにより忘れてはならないのは
親をなくした子供たちもいる。


そんな中で


子育てより仕事を選ぶ女性への
見えない敵意や
子育てにおける親の庇護の大切さを
強調する声が
専業主婦を批判する声より
実際は大きいように思うのは
こおろぎだけでしょうか。



それぞれだということ。


さて
こおろぎは、と言えば、
子供達の生命力と、彼女達の自立を信じて
彼女達ができないことを手伝い、応援するというスタンスを
ずっと貫いてきただけです。


最低限の手伝いも応援もできなかったかもしれない。




ごめんなさいね。
でも
彼女達は、たぶん
同年代のだれよりも
調理、料理ができ、
サバイバル能力はあり、
だれかの役にたつことができるのではないかと
私はうぬぼれています。





大雨の日、大雪の日、
どんな日もバス亭に立ち、バレエに通ったころすけさんの
姿が目に浮かびます。


「バレエを習わせるなら、送り迎えぐらいやればいいのに」という
かげ口(・・・・)が何度も聞こえましたが、
私がバレエをするのではなく
学びたいのはころすけですからね。
でもまあ、そんな「かげ口」が飛び交うのもまた
子育て時代の宿命だったのかと
思い出せば微笑ましくもあり
腹立たしくもあり・・・。




大学時代、学費以外、親のお金を使わず、一人暮らしを通したKIKIの
そのたくましさと、そしてその間養った、たくさんのやさしさを
私は誇りに思っています。



お嬢さんが居酒屋さんでバイト?


という質問は


よく「そんな」バイト許しましたね、という批判以外ではありませんでしたが


余計なお世話です。


KIKIがバイトで学んだことは
医大で学んだことと同等の価値があり、
今、救急外来等でどれほど彼女の気配りが生きているか、
沖縄のおばあたちに人気があるか
想像しては嬉しいこおろぎなのです。






まあ、
子育てには
雛形はなく、


結婚の形にも雛形などないのです。



どんな仕事をするか
しないか
家事をどうとらえるか



多様性。


そこを強調することが
こおろぎの仕事だと思っています。



ご清聴ありがとうございました・・・・




さてさて長くなりました。

今まさに、女性の生き方に関する文章を書いているところなので
つい力が入ってしまいました。

上の写真は
今机の横にあるストール2枚とイアリング。

戦闘モードですわ、ひさしぶりにヒョウ柄の多い昨今。

イアリングもヒョウ柄。もちろんリムセさんのデザイン。


ストール、茶色はKRIZIAで、白黒はtibi。

永遠不滅の戦闘系女子の鎧です。


そして
普段のこおろぎは

さて
このド派手な脚、どちらかがこおろぎでどちらかがころすけです。


こおろぎセンセー、このパンツはいてお散歩ですか・・・と
首脳陣に叱られそうですが
フライドチキンのようでもあり
道頓堀太郎のようでもあり
お祭り現場のようでもあり
zaraのバーゲンで980円のパンツは
実にすぐれものでした。



さて
りきまるさんはといえば

先日、散歩の途中で、立派な野球のボールを拾ってしまいました。

その執着たるやすごいものがあり、
ころがしたり、くわえたりしながら
帰宅。

どこかの少年がさがしているかもしれません。


こおろぎの家の周囲1キロ以内でこのボールなくした少年は
どうぞ名乗りでてください。
きれいにみがいてお返しします。


警察に届けてもご迷惑なので
道のまんなかにあったので
しばらく、ボクが預かることにしました・・

本当に本当に、本当に大切にしています。


でも板の間には跳ねると音がうるさいので
めったに遊べないのですが

ときどき目の前に出してもらうと


うっとりと眺めて
時間をわすれる犬なのです。


そして
今は
この立派なパプリカを
じっと眺めて夏の終わりをすごしているのです。




いろんな人の
いろんな人生を
ちゃんと認め合えたら
本当に心優しい時間がすごせるのに・・・


そして
この年齢になって
やっとわかることがどっさりあるということに感謝。



だからこそ


迷う若い人たち
言いたいことがどっさり。



結婚に適齢期はありません。

職業にも貴賎は本当にありません。

子供はいてもいなくても全くなんの問題でもありません。


仕事は、社会にでてしても、家庭内の家事でも
なんでもいいのです。


それぞれなのです。


意地悪くなく
こころやさしく


それだけかも。



大忙しの9月なのに
長くなり反省。


今日は木曜ですが、イレギュラーでイチオシモーニングに
おじゃましました。
工藤静香さんの二科展入選にコメントもとめられ

「恵まれた才能に加え、キムタクが夫だということがずるい」という
アホみたいなことしか言えなかった情けないこおろぎでした。