過酷な日々

地下室がある家・・というと
豪邸を想像されそうでこわいのですが

豪邸でもないのに地下室があります。
しかも総地下というか、地下に4部屋取れそうな空間があるわけです。
都心部の狭い敷地に、三世帯住宅を建てたのでしょう。
こおろぎ一家は、その中古住宅を購入したのが10年近く前でしょうか。


その地下室に
こおろぎの実家の荷物と
カブトムシの実家の荷物が
全部入っているのです。


いろいろ移動したものの
花の道具と書籍と食器類は地下。


でも今回、
洋服類も発掘されました。


え・・・
なにこれ・・・・


ああ
こおろぎセンセーが某大学農学部大学院を
優秀な御成績でご卒業なさったとき
卒業生代表に選ばれ
(出席番号順でした)
市民会館での卒業式の壇上にあがったときの御衣装です。


写真では色がわかりませんが・・・

すみれ色。

いつ、どこで、だれが今後着るでしょうか・・


でもなあ・・・
お品物は悪くなく

ああ・・

発掘してしまいました。


あららあらららららっ

こんなドレスも。

いつ着たんだったっけなあ・・・・


似合わない色だわねえ・・

いつだったかなあ・・・


海外のなにかのレセプションだったのような・・



あららららららららっ
こ、こ、これは・・・



フラメンコ時代かしら・・・


いや、このドレスは、相当 お似合いだったため(・・・・)
何度も着ましたわ。
そしてお友達にもお貸ししたような。



今でもおかしくないデザイン。
ころすけさん、発見して
かわいい!と言いましたものね。


不滅のデザイン、というのはあるものです。



とはいえ、
少々黴臭これらのドレスを
どうしたものか・・・



で、問題は
この3着はほんの一部だということです。


こおろぎのフルレングスのドレスは
この他にもどっさり発掘され、
一回目の結婚式のお色直しのドレス(こおろぎ自身が、既製服を改造)、
二回目の結婚式のドレス(こおろぎデザイン)
のほかにも・・・


そしてブライダルのお仕事をしていた関係で
つい集めてしまったウエディングドレスも数着。


ティアラが見つかったのですから
驚きはしませんが



家庭内仮装パーティー、家庭内コスプレ可能な家、ということです。


ああ


どうしよう・・・


もちろん捨てなさい!
ですか?


着ないから捨てる・・・でしょうか・・・


少々飛躍すれば


使わないから捨てる・・・ということですか?


そのとおり!なのでしょう。


でも

使うから必要
使わないから不要


どうしても
割り切れないのです。




かつてラマルクという生物学者が昔いました。


進化に関する学説を学ぶ時
必ず登場しますが


要不要説を唱えたひとです。



高い木の葉を食べようとしたから
キリンの首は伸びた・・・・という例が有名ですが


結果的に否定されたことは自明ですが



要不要


これがモノの判断で
いつも首位に立つことに
大きな疑問があるのです。



こおろぎのドレスのように
二度と着ないもので
こおろぎが納得したモノは
リサイクル屋さん行きの箱にはいって
すでに発送しました。


上の写真の2着目のグリン系のドレスと
写真にはないですが
シルクジョーゼットのブルーのドレスも
箱に入れられました。



でも



こおろぎ自身、ちょっとだけ洋裁学校に行った経験があるからか
ちょっとだけ知識があるからか、
やっぱり処分できませんね、仕立てのいいモノは。


なんとか寝食の空間に影響がないなら
今しばらく手元において
花の仕事などの背景や
ブーケのイメージ作りに使ってみようかと。




断捨離の思想は
今回の大掃除で
益々こおろぎから遠いです。


二人の娘達をつれてアメリカ大陸を
移動してあるいた幾度かの夏の日々、
持ち歩いた大きなトランクたちも
処分。


あれもこれも処分しました。


でも


できないモノもあります。



おいおい
「愚痴」書いていきましょうか。
物欲、執着心を、笑わば笑え・・・です。


モノがもっているはかりしれない力を
なんとか言葉にしたいものです。



きっとできる。


そう思いながら


寸暇はすべて
地下室の片付けにあてています。




仕事に加えて、そんなことをしているので
りきまるさんも居場所はないし
遊べないし。


テーブルの下で不満そうです。


みんな不満なんですわ・・・


人生、不満だからがんばれるんですわ。


つぎつぎに発掘される
我楽多たちが
一気に饒舌に家中で語り始めたようなわが家。


その饒舌なモノたちの声を拾うことこそ
こおろぎに課せられた使命・・
それほど大げさな何かを感じています。



モノ、に意味がなければ消費社会などありえないのですから。
極端なことをいえば
経済も政治もこんなに複雑じゃなくていいのですから。




昭和のお土産品
亡父が集めてしまった、三流(・・・)の絵画
名石・・
義母が集めた卒倒しそうなほどの料理の本
そして
こおろぎが集めてしまった花の本や食器・・・



人形もおもちゃも
それらを写真に残して処分したり
収納しなおしたり


この作業は

こおろぎがこおろぎの時代を再考する作業でもあるのでしょう。


不細工シスターズが1歳から3歳ころに着た洋服を
車庫で虫干ししていたら

道行く人も、こおろぎのママも
ころすけも笑顔。

このかわいい洋服たちが
地下室の箱のなかから飛び出して
ひととき
大勢の人を笑顔にした事自体、
どう理解、解釈できるでしょうか。



モノの意味。

モノの機能、

今日も朝から難しいことを考えています。


5時から採点をしているので9時にはすでに疲労
よい一日でありますように・・・


追伸:昨日、某所で冷房下で2時間。
その直後、外にでたら震えがとまらず。
寒くて異常を感じました。
帰宅してセーターを着ても寒いという恐怖。
完全に体温調節ができなくなりました。
冷房病か熱中症か。
どなたさまもお気をつけください。
暑さはつらいですが、冷房は怖いです。