がんばれ・こおろぎ

函館駅は美しい。

そう思えるようになりました。

なんだかなあ・・・と
始め、思っていたのですが

こんなにも青い空に
こんな風に眺めると

なんとも素敵です。

今年度の函館短大の講義もあと残すところ１回となりました。

今年は不思議です。
大学のどの授業も、
話足りない気分なのです。

こおろぎの中に
あふれる何かが
というか
いろんなことに
相当、憤ってきたのかもしれません。

どうしてこんな教科書しかないのかしら
とか
どうしてたかが15回くらい、まじめに授業きかないのかしらとか

どうして
こんなセンセーがこんなにエラソーなんでしょう
とか
どうして学生を馬鹿にするセンセーがいるんでしょう
とか
どうして教師を馬鹿にする生徒がいるんでしょう
とか
どうして
こんなフツーのことが
フツーにとおらないんでしょう
とか

最近、こおろぎは憤ることが多かったのですが

いろいろ考えて
ふーっと力が抜けました。

すべて過渡期。
すべてなにかの途中なのだと。

生まれてから死ぬまで
どうやら
一度たりとも満点がないのが
人間だということだと
ちょいと解ってきたのかも。

最近も
言った、言わない・・
聞いた、聞かない・・・という
あまりに低レベルな議論を展開しそうになって
あわてて我に返りました。

文書にしなかった私が悪い

ということで
冷戦直前に集結。
大人になったわ、私も。

さて
美しいお皿を２枚。

リッチ・・・イタリアーナのデザートです。

向かえ合っていただく時の
なんと美しいこと。

こおろぎの食生活論は
今年度、少々今までとトーンが違いました。
学生さんたちは去年を知らないので違いはわからないのでしょうが、

こおろぎセンセー、生物学の先生の立場が強くなってきたのかもしれません。
と同時に
文化的視野が広がったかもしれません。

フォアグラ禁止令や
レバ刺し禁止などをテーマに
学生さんに考えてもらいながら

『盛りつける」ことや「芸能としての料理」など
美学としての料理についての内容も
増したのですが、

その過程で
こおろぎ自身、いくつも疑問が生まれてきたのです。

「過剰装飾」への
小さな「嫌悪」です。

最近の西洋料理（古い言い方ですが、しかたありません）の
行き過ぎた演出。

これは
「危険」です。

残念ながら上手にまとめていませんが

なにかを逸脱していそうな
危険と嫌悪を感じるようになりました。

このリッチ先生（イチオシのイタリア料理もご担当の
川崎りつじ先生）の盛りつけは満点です。

でも
いろいろなところで最近出会う
「わーっ、きれい！」という盛りつけの多くは
こおろぎを複雑な思いにさせるようになったのです。

たぶん
「食」への畏敬を忘れそうな
不安が見えてきたからかと思うのですが

勉強不足でまだまとめられません。

西洋美術などを検討中なので
それらを整理したころ
なにか言えるかもしれません。

なんであれ
「逸脱」は危険です。

さて

逸脱・・・といえば
先日、たった一日、長女KIKIが帰省しました。
滞在時間３０時間足らずでしたが
あいかわらず炸裂した個性に
家族一同、多いに刺激を受けました。

受験生ころすけの数倍、勉強していました。
短い滞在なのに
寸暇惜しんでの勉強。
あら、研修医ってちょいと楽かと思ったのですが
こんなに勉強するんですね・・・と絶句。

「絶対に貧乏暮らし決定の医者にしかなれないわ」と名言。
なんだか嬉しいこおろぎとカブトムシでした。

そのKIKIさんの今回のファッションは
スケスケのサルエルパンツのツナギに
ビーチサンダル。

「ビーサンじゃないのよ、島ゾオリっていうのよ」

とのこと。

とにかく
妙齢のお嬢様とはほど遠い、たくましい出で立ちでの帰省でした。

あまりにあまりなファッションなので
せめて靴でもかったらどうだと言ったら
貧しすぎて美容室にも行けないというので
家族でカンパ。
そのカンパを握りしめて大喜びで美容院に行き、
まっ茶色の髪を真っ黒に染めてきました。
３年目の研修先の面接があるそうです。
沖縄の次はどこの島？でしょうか。
もう誰も驚きません・・・
そして
靴を買え・・・と言ったはずなのに
買ってきた靴・・・が

これ。

うーっ。

やっぱり「伝える」ということは難しい。

文書で伝えたとしても
「靴」の定義を確認しなければ文句も言えません。

キーちゃん、これ、靴？

と聞いたら

「そう、靴！」
とのことでした。

反論もできず

こおろぎ
未熟な自分を反省したのでした。

そうなのです、
伝えることは難しいのです。

さ、
山ほどの仕事を
片付けましょう。

人間、いつまでたっても修業あるのみ。

日々学ぶばかりです。

猛暑の日本です。
こおろぎ組のみなさま、どうぞ健やかに・・・