勤労意欲消失

気がつけば今年も半分ちかく終わりました。

でもまあ

今年は早々から、こおろぎとこおろぎ一家は騒々しい日々でした。
こおろぎの仕事も
大学の試験に始まり、教科書、研究等、ぼーっとしている暇はありませんでした。

実り・・・は少ない日々ですが
忙しいばかりで達成感は極小の、せつない日々でもありますが

健康がなにより。
日々、たのしければなにより。

写真は、この春の大嵐の日の神戸のホテル。

沖縄便が飛ばず、やっと宿泊できたホテルですが
小さくても洗練されたホテルでした。

一階のカフェの
非日常的な空間に
凛として運ばれた珈琲の存在感。

そしてクリームと砂糖。

こおろぎは
何が嫌いだといって
スティックの砂糖と
一人分のパック入りのミルクです。

どんなお店のどんなお料理のあとでも
それが出た瞬間に
零点になります。

家庭ならいい。

でも
サービス業がやっていいことと
やらないほうがいいことがあります。

価格設定上、必然的ならそれもしかたないでしょう。

でも

珈琲の味にこだわり、
お店の雰囲気にこだわっているのに

それなのに
スティックの砂糖と
パックのミルクでは

「楽」しすぎ。

「楽」はだめなのです。

こおろぎ的に、
「楽」は時に大敵なのです。

ウエストがゴムのスカートは「楽」だからだめ。

化繊のキモノも洗うのが「楽」だからだめ。

メラミンの食器も扱いが「楽」だからだめ。

使い捨ての器も洗わなくて「楽」だからだめで

緊張しなくていい人としかつきあわないという人も
「楽」しすぎているからだめ。

街づくりがうまくいかない街は
街づくりのリーダーたちだけが楽しみすぎているという意味で「楽」しているからダメ。

常連であふれているお店が、それ以上伸びないのは
常連と店主が「楽」しているからだめなのです。

次の角を曲がって、誰に会うかわからないから・・・という
緊張感が
ココ・シャネルの美意識の底辺にあったように

常に、新しい出会いを意識した緊張感こそ

無礼を最大防ぐための緊張感こそ

「素敵」の原点かと
こおろぎは思っています。

超だらしない生活をしているこおろぎが
こんなことを言うのは大変問題なのですが、
はなはだ恥ずかしいのですが

だからこそいつも考えているのです。
いつもいつも大反省しながら生きているのです。

素敵
ということには
絶対に「緊張感」が潜んでいます。

緊張感は
徹底した「楽」の中にはありません。

気を抜いているのに
さりげないのに
素敵、という人は確かにいますが

そんなひとは

どこかでしっかり緊張して生きてきた人ばかり。

珈琲とミルクと砂糖については
そして常連と価格の問題についても

食生活論やフードコーディネート論で
必ず学生達に問題提起して考えてもらっています。

食品流通論でも
課題にしているほど。

つまらないことだとおもわばおもえ・・・

でも

「ここ」に本質があるのだといつも思うのです。
学問としてのテーマになっているのです。

さて

本日のタイトル、勤労意欲喪失・・

たまにはそんな気持ちになります。

こおろぎ先生、大活躍ですね、などと
誤解されるコトが多いのですが
こおろぎ先生は、あれこれなんでもやっているだけで
活躍はしていません。

不労所得で楽しく生きている人がこんなにいる日本、
格差社会ということばを
背中でききながら
全く無関係に生きている人がこんなにいる日本で

あくせく時間に追われて
あれこれ心配しながら生きていると

時々ふーっと疲れるってもんです。

でも
小さいお花のデザインを
せっせと考える幸せ
新しいお料理をせっせと考える幸せ、

そして器探しや
お花探しを手伝ってくださるお仲間がいて

ショップを支えてくれる大番頭さんたちがいてくださって

研究仲間もあちこちにいて

いいじゃないですか、こおろぎ先生・・・

そうですね・・・

そうですわっ。

次の論文は何をまとめよう・・
テーマは山ほどあるのです。
ワクワクしながらとりかかることにします。

次回のレッスンはなににしましょう・・
やることは沢山。

生活美学の研究コースもきっと近く再開します。
メンバーの皆様、少々お待ちくださいませ（業務連絡でした）

大学で室町時代の食文化の話をしながら
なにがどうしたのか「Wの悲劇」の話題に飛んだこおろぎでしたが
歴史がこんなにおもしろいことに
最近気づいたのですから

そして
数学がこんなにおもしろいことも
きづいたのは最近ですから

やっぱり
生きているということは楽しいわけです。
「楽」ではなくて「楽しい」というのが一番です。

明日は朝５時から煮物です。
おいしそうなタケノコと蕗とかまぼこをゲット。
素敵な朝になりそうです。

勤労意欲復活。
めでたしめでたしです。