報告記 1

これが、沖縄のムーチーです。
モチがムーチーになったのだと思われますが
鬼餅と書くこともあります。
興味深い伝説も多々あるようですが

旧暦の12月8日がムーチーの日。
このお餅を子供の年の数だけ、軒下につるして
子供の健やかな成長や、厄払いなどを祈るのですが

それが今でも続いている。

今回の函館新聞の連載にも書いたのですが
今現在も、作る家庭が多く、幼稚園や保育園では
行事として子供達と作っているのです。

ほかにもいろいろな「神様」のいる沖縄ですが
多くの「畏れ」や「畏敬」を前に
自分や祖先のあり方を見つめる、深い文化が忍ばれます。

しかも、現在も変わらず続いているのです。

「昔はつくってたわねえ・・」という台詞は
料理や菓子について各地で聞きます。

沖縄では今も
子供達に、全く変わることなく教えつづけ、
そのことを声高に語ることもしない、
これが本当の食育です。


私は(あえて、「こおろぎは」といわないでおきます)
自分が
なぜ、スローフードとか
食育という言葉に対して
小さからぬ抵抗を持っていたか
沖縄の人たちにインタビューしながら
漠然とですが
その理由がわかってきたような気がします。


声高に語ること自体、
すでに、大きな「ズレ」だからかもしれません。

うまく書けませんが、
声高の声が、ビジネスでもなんとか協会でも
NPOでもなんでもいいのですが
そんな所に直接届き、大きなうねりになればなるほど
生態系とか命とかの本質とは違う
ビジネス的側面が背後で大きく動くような不安、

本来の命とか生活とかとは違うところに
その[大きな声」が響いているような
そんな違和感。

それはたぶん、私が探してる
[フツーの人たちのフツーの生活学」とは
絶対に違うのです。



とにかく
月桃(げっとう)という大きな香りの強い葉に包んで蒸す
このお餅、日本中にある笹餅や笹団子とは
葉も中身も一線を画すものですが
底辺に流れるものは同じだったはず。

その「底辺にあったモノ」が
沖縄にはそのまま残っていたのです。


神と民がともに暮らす現実に
震えるほどの感動がありました。


べこ餅の調査には直接結びつかないかもしれませんが
継承の力の強さ、深さは
訳あって北国に住む事になった人々との
何らかの違いも意味しているのかもしれません。

寂しさや、貧しさ、そして必要から生まれた知恵・・・
北国で形作られた、木の葉型のべこ餅には
なにか深い背景がありそうです。



べこ餅ガールズの今後の研究にご期待ください。



お餅屋さんのインタビュー結果は追々・・・

さて
この建物・・
昨日のブログでキキと上機嫌でご飯していたお店の外観です。
中は広い。



海側から撮るとこんな感じ。




ほとんどがアメリカ人のこのお店に
ヘプバーンの本を発見。
こおろぎはずいぶんたくさん、彼女の本を持っていますが
これはイラストも満載の素敵な本でした。



この本の中にあったイラスト。
ね?
こおろぎ印をつけたいハイヒール系のシューズ、
久しぶりの こおろぎ印 はなまる満点の写真でしょ。



さて
魔除けの一枚を勢いで載せておきます。
これは沖縄のホテルの朝。
バイキング。
バイキングなのに盛りつけに凝りに凝って、
写真を撮っていたら
お店の方がこおろぎを撮ってくださると・・・。

いやあ、一人の時にもこんなにニコニコできちゃうのって
我ながらどうなの?と思いますが


ひとりぼっちでも元気に朝ご飯を謳歌しているこおろぎの写真を撮ろうと
言ってくださったお店の方に
ありがとう!と言った瞬間です。



昨日沖縄からもどり、
今朝は4時45分にお迎えの車で
元気にHTBに向かいました。
札幌大通りは今、オータムフェスタ。
こおろぎが一番好きなフェスタです。
そんな中継がどっさりの楽しい時間でした。

帰宅して原稿を書いてあれこれバタバタしましたが
いろんな仕事のいろんな「ほころび」が一気に見えて
憤ったり、悲しんだり、気持ちが大きく揺れる日でした。
でも
夕方はまた元気に再びHTBヘ。


憤ったことも悲しんだことも
ひとまず引き出しの奥に押し込むことにします。



こおろぎは本日心に決めました。
まず「忙しい」とはいわない。
そして
人前では腕組をしない。



この二つは
誰にとっても不快ですから。

ちょっと気をつけたら言わずにすみますし、
しないですますことができるしぐさです。


今夜、沖縄から噂の「ムーチー」をはじめ、
またどっさり、調査用のお菓子が届きました。
自分で送っておきながら
ため息・・・。


でも
月桃の葉をむいて、ひとつ食べてみて感動再び。

この香りは好きずきがあるでしょう。
でもなんだか全身が清められたような気がするから不思議です。

そして美味しい。

もち米を粉にしたものが生地。
べこ餅は米の粉も混ぜるので
固さと食感が違います。
かぎりなく近いけれど違う。


贅を尽くして作るか
古い米を粉にしてまぜるかの違いかもしれない。


秋の夜も更けて、
むせ返るような月桃の葉の香りと、不思議な食感のムーチーをほおばりながら
餅菓子のルーツを考え込むこおろぎです。


甘いムーチーと月桃の葉の香りとワイン、これはなかなかいいのです。
でも
べこ餅とワインの組み合わせはあり得ない。


ハレの菓子か
日常の保存食か、
もしかしたらそんな違いなのかもしれない。


証拠のないことは語れません。
そこが論文とエッセイの境界です。

今夜は疲労ついでにコトコトとバラ肉の固まりを煮ています。
長い長い一日でした。