視点転換


突然ご近所に咲き出したライラック
ほんとにもう、突然なんですもの
北国の初夏は
だから素敵なのです。

フツーの食器にフツーのフォーク
フツーの食卓です。

フツーに簡単なタコライス
ありったけのスパイスを
全員でセーノ!で振り入れるという
乱暴な味付け。


そのときセーノ!で各種スパイスを
いっせいに振り入れた札幌なでしこ倶楽部のみなさまに
ご連絡です。
スパイス吟味に熱中した私たち、
ちょっとフライパンに火を入れすぎた気がします。
ご自宅で作るときは、もっとサラリと加熱して
ふんわり仕上げましょう!


この写真は
以前お見せした生活学会で出会った絵本の1ページ。
こんなトレイに意味を見出そうとする視点、すばらしいのです。
こおろぎ、目下生活学に熱中です。

しかしながら
本日、
こおろぎユリイカ、買ってしまいました。
サキイカではありません。ユリイカです。
カユイカでもありません。ユリイカです。
サムイカでも、ヤバイカでもなく
「詩と批評」の雑誌ユリイカです。

え?
ちょっと路線違いませんか・・・?

確かに違う。

でも
ふと開いたどのページにも
昔のこおろぎの台詞に
よくにた言葉が並んでいて
我に返ったのでした。
森茉莉特集です。


こおろぎは森茉莉さんの作品を
作品としてちゃんと読んだことはありません。

が、しかし、なぜか今日、森茉莉さんの名前に惹かれて
開いたら
こおろぎが忘れていた世界がそこに展開していて
今、軌道修正が必要なこおろぎには
必要な活字に見えたのでした。


森さんの
1974年のエッセイに

「今の若い女の子達はくだらないですね。・・・
ミニスカートとか自由奔放なふりでいるけれど、
古いカラみたいなものを強固に身につけていますよ。
本質は
私の若い時代と全く、いやそれ以上の強固さで、
女は二十三歳を過ぎたらオバアサンとか、
お嫁にいかなくちゃ、なんていう観念にとりつかれていますね。
よく年齢を尋ねられると「ウン歳」なんてトボケるけれど、
あれ、いやですねえ。いつまでも
古い観念に縛られていないで、もっと自由で、個性的な考え方を
身につけなきゃ駄目です。これじゃ、
大正時代の女性達の方が、ずっと生き生きした情熱的な
生き方をしていましたよ・・・」

というのがあります。


1974年といえば・・・
こおろぎは農学部の学生で
ああ、どうしたものか、このまま農学部に在籍するか
やめて素浪人としてやり直すか、
ウロウロしていました。
ただ
こおろぎは相当自由な発想を振りかざしていました。

少なくとも35年後には
ほとんどの女性たちが
本当に「自由」に、
男性たちとも対等に生きているだろうと信じていました。


でも
全くなにも変わりませんでした。
あいかわらず女性たちには
家庭人としての重圧がのしかかり、
「自由」などないのです。


独身であれば、そのことをいくつになっても案じられ
結婚すれば子どもを生むことを期待され
子どもを生んだら、母親であることが第一に求められ
親の介護も女性の仕事


なにもかも変わりませんでした。

これだけでなく
森茉莉さんの紡ぐ沢山の言葉の山に
こおろぎは、目が覚めたのです。



とにかく

こおろぎは
2011年の初夏、
突然、森茉莉を特集したユリイカを手にしました。


これは偶然か必然か。


このところこおろぎの周囲には
サラリと新しい風が吹いています。
このユリイカ
その一つに違いありません。


そして今日、若い仕事仲間に
小さな愚痴(あまり言わないんですけど・・)
をうっかりもらしたら

だまって笑いながら聞いていた彼は

「センセー、思い切ってケツまくったらいかがですか!?」


「ケ、ケ、ケツ?」
ヒャーッ、
なんとお下品な
でもなんと素敵なフレーズ。
新鮮でしたわ、このフレーズ。


こおろぎは言いた放題し放題だと思われても仕方がないのですが

それでも
我慢に我慢を重ね、
重ねすぎて我慢のミルフィーユになってることも
17年に1度くらいはあるのです。
ミルフィーユからはみ出たクリームは
もう絶対にもとにはもどりません。
仏の顔も三度まで
こおろごごときの頭も156回くらい踏んだら
ハイヒールを叩きつけてもいいのかもしれません。


そうだわね
我慢できないなら
いっそ訣別。

それが一番なのです。

そんなこと
こおろぎが一番よく知っていたはず。




笑顔でやり過ごせないなら
いっそ「ケツまくって」去る。

それが、だれにとっても結局は「吉」なのでしょう。

そういえば
こおろぎ語録には
ちゃぶ台返し」という秘策があったことを
思い出しました。
ちゃぶ台をひっくり返したいほどの激憤、
昔は沢山ありましたからね・・・


とはいえ、「ケツ・・」は
使い慣れない言葉なので
当ブログには
再び登場しない言葉かと存じますが


心に深く深く秘策の一つとして隠し持って
森茉莉さんにはずかしくない「女子道」
いや、「人間道」を
探索しようと思います。

そうなのです、女には武器が必要なのです。
ささやかな戦闘には、無形の武器をいくつももなたければ
辛いのです・・・。


深い深い思索に
ちょいと酔いしれる今夜のこおろぎでございます。