明るく・・・

本日からの1週間、激動につぐ激動の1週間かと
こおろぎは思っております。
だからといって
難しい顔をしていてもしかたなく
気分は明るく
やっぱりそこはピンクでしょ。

前回のクラスのデザート、
なんとかわいいことでしょう。


いつも通りの
そして思い通りにみなさん作れるようになった
ビューティフルなカクテル。

お花もデザートもカクテルもピンクでした。

さて

こおろぎ

昨日はただの一歩も外に出ず
完全に引きこもっての各種作業。

自業自得。

パソコンと電話をかかえてのまる1日。

目下、お菓子のデザインについて調査検討中。

頭の中は和洋のお菓子でびっしりです。

和洋同時に扱うものだから
聖武天皇フェリペ2世もアンリ3世も
安土桃山も十字軍も頭の中の年表でごちゃごちゃ。



ああ悔やまれるのは
高校時代の勉強不足。
世界史も日本史も適当にやり過ごした上
大人としての常識も基礎知識もないので
西暦も年号もみごとに混乱。




それでも
今日本で、こおろぎほど
お菓子の変遷や意匠に詳しい人
現時点ではいないかも。
それほどグツグツ煮立つような知識と考察。



同時進行している料理の盛り付けとテーブルセッティングの
調査も、やればやるほど
バブル時代からの装飾過剰な食卓が
いったい何を意味していたのかと疑問ばかり残ります。



とにかく一つづつ整理するしかありません。



怒涛の1週間ですが
昨日あらためて読んだ荻昌弘さんの文章に
心震えています。



往年の映画評論家です。

お菓子の文化史に触れる総説を
古い朝日百科に書いていらっしゃるのですが


「菓子とは植物の結晶だという納得」


と言うフレーズ。


菓子類を
甘味から追っていたこおろぎは
ばっさり斬られた思いでした。



以前も読んで感動したのですが
調査しなおして再びよむと

いかにこおろぎ程度の知識が甘く
狭い視野でしか考察できていないかがよくわかり
まさに鳥肌のたつ感覚に震えました。



一部をのぞいて

とは断りながら、



「菓子は・・・、大地の植物にだけ頼って造型される。
動物的素材は乳と卵という、最も母性的な繁殖要素に
局限され・・、つまり、菓子とは農業にほかならない・・」


あらためて驚愕したのでした。



そして
「菓子」のもつ非現実性、非リアリズムを
見事に説明する筆の力に
無言で頭を垂れるだけのこおろぎでした。




目下、初夏に出版される生活美学の教科書に
ほんの数ページ、お菓子について書かせていただいているのですが

ぜひともこれらの名文を引用して
再び多くの人に、荻さんの鋭い視点を
読んでいただきたいと
心震わせている次第です。



スマスマ・・・という番組も
マナーブックを出版。
マナーも行事も
あれもこれもどんどん忘れられる中、


こおろぎにできることはなんでしょう。

「しつらい屋」として視覚的に文化を踏襲して
再構成することは容易です。
しかし
その背後にある文化的思想を
ぜひしっかり考えていきたいと思います。



「なんだか素敵」
「なんだか美味しい」


という、その感動にプラスする
歴史と文化の重い重い輝き。

考えることとか感じることは
人間の特権です。
人間の脳の特権なのですから。


ああ
繰り返して悔やむのは
歴史や経済をもっと学べばよかったと
政治も文学も
もっと学べばよかったと
そればかり。



今回のカンニングさわぎで
ある番組の知的なコメンテーターさんたちが
いっそ、パソコンも携帯も自由にもちこんで
技術を競う入試があってもいいという
卒倒しそうなことを複数で話していらっしゃいました。
IT系のお仕事をなさっている方たちだったかと思いますが・・・



そんな機器を利用しての試験なら
人間が人間であることの
最も意味のある脳を使わずして
何を「試す」ことになるのでしょうか。


機器を使うのも能力だとおっしゃるなら
それは違う。
機器を作ったのは頭脳です。
しかし
機器を使うことはテクニックではありますが
機器をもぎとられたときに何も残らない人間など
不要なのですから。



難しい入試で何がわかるのか
それより
人間性を見たほうがいい、という

あいかわらず不思議な議論も展開。



人間性を見るほうが
はるかに難しいことに
どうしていつまでも気づかないのでしょうか。



客観的に解答できるはずの課題に
客観的に論理的に答える努力をする人たちを
認めない風潮には
断固、講義したいこおろぎです。


お勉強よりもっと大事なことがある

という言い方は大嫌いです。

本当にお勉強をしっかりした人たちほど
お勉強の重要性を知っていますからね。


勉強を拒否した人が
勉強する人間をどこかで馬鹿にするとしたら
絶対におかしい。



人間であることを
謳歌するために
なにをしなければならないのか

こおろぎはやっぱり
「生物学」をエコール・ド・フルールの
主軸に置きつづけようと思います。




荻さんの文書を読み、西洋史と日本史を重ねて
菓子という非リアリズムの変遷にどっぷりつかって数日
すごしているものですから
今日も朝から興奮気味。
すみません。



そういうわけで
怒涛の激動の1週間をこおろぎは
トボトボと歩きます。

応援のほどよろしくお願い申し上げます。

また皆々様にも刺激的な1週間でありますように。