もう少しお正月気分

やっと4日。
1日に家族で新年会を開いて以来、
1歩も外に出ず、
ただひたすらパソコンと書物に向い、
食べ続け、飲み続けながら
古ぼけた脳細胞を駆使していたこおろぎですが

本日久しぶりに「外」に出ました。

まだ少しのあいだはお正月気分でいたいな・・・と
思いつつも
現実は、すでに容赦なく刻々と時を紡いでいるようです。

上の写真は
12月のボルボのライフデザイン塾の実習作品。

赤と白と緑。
クリスマスの色なのに
なにかがどうにかなると
完璧に日本のお正月。

「色」だけではない意匠のワザでしょう。


前回の「今日のご馳走」はおいなりさんでしたが
実はそれはなでしこ倶楽部の実習のひとこま。
今日は、同じ器にサーモンを。

このお重箱、すばらしい優れもの。
日本料理の「をとわ」さんで使っているモノの
ひとまわり小さいサイズ。
長く捜していたものですが、
こおろぎのお友達が見つけてくれて
年末購入。
美味しいモノ好きのお友達ならではのアンテナです。
お重箱に入っているサーモンのマリネを盛りつけた
透明の小さいカップも彼女が発掘したプラスチック製。
本来はディスポーザブル・・使い捨てのパーティー用ですが
毎回、きっちり洗って保管。
なかなか貴重なサイズです。

器の中を器で仕切るというのは
本当に贅沢な手法。
汁モノが多い日本の食卓には便利です。
なにより、空間を愛でる文化にも
上手な「無駄」の演出ができて
これぞ、日本の「重ね」の技法だと
思っています。



さて本日の「魔除けの一枚」は
なぜか一本足に撮れてしまった貴重品。
ちょっと高い目線で撮ったので
鼻デカ風遠近法のため
小さいこおろぎがもっと小さく撮れて残念。

さてこおろぎの隣にいるのは誰でしょう・・・・
Tシャツの柄が秀逸ですね!


本日、HTBイチオシの2011年の初回でした。
せっかくの松の内なので
大好きな市松模様でうかがいました。
イチオシでは初の和服となりました。
みなさん、丁寧に扱ってくださって
嬉しかったです。


さて

お弁当の現代史研究は遅々として進みませんが
2001年に四国の小学校の校長先生が提案なさった
お弁当の日」に突き当たって困惑。
一年に何度か、子どもだけでお弁当を作って
学校に持参するという日です。


それが
なんと現在、全国44都道府県で522校が実施。
中でも九州大学での活動は
マンガの原案にもなり、
大ブーム。


親が手を貸さず、子どもだけで弁当を作るというのは

無理なくできるなら素敵なことです。


持参して見せ合って食べるのも
悪くないことです。


なのになあ・・
だけどなあ・・・

食の場面の演出が専門のこおろぎなのに

デッカイため息が出る理由

それが
自分でも分からないのです。



もしかしたら
「食べること」は
あくまでも「食べること」を目的にしていて欲しいのですが・・・

お弁当の日の目的は、

家族の団らん
感謝
世界の見方
果ては日本を変える・・・

などなのです。



立派過ぎる主旨への違和感、
すばらしすぎるスローガンへの
「違和感」なのかもしれませんが


どうであれ
こおろぎは
この「お弁当の日」の広がりに
多大な関心をよせつつも
自分の中の不可解なざわめきに困惑しているのです。


学校教育を延長して
家庭の台所を使って、あえて弁当を作るのか・・

学校と家庭は常に一直線上にあるべきだとは思いつつ

家庭を利用して学校教育に新しい方向を見つけようと
しているようにもみえ、

そもそも
「一家団欒」は
すでに神話である現実を
どう捉えたらいいのか


なにかと背景は簡単には思えない。


ただ
「共に食べること」は実に人間を「陽気」に
してくれます。
特別なコミュニケーションツールとして機能してくれます。



それは
こおろぎの大学での講義で
最も力説しているところでもあります。

こおろぎは学生時代
昆虫の研究をしていた研究室の仲間と
大学の部屋で共同炊事をしていました。
当番制で
一人が1週間、全員分の晩ご飯を作るのです。
10人くらいの仲間でした。
こおろぎ以外の全員が
今は立派な研究者、学者として
海外でも通用する研究を続けています。
みんな覚えているでしょうか・・
あの貧乏な学生時代、
それなのに
楽しかった炊事当番の晩ご飯・・・・



それはそれは大変でしたが
大きな家族となって
苦しい研究生活に
ひととき、豊かな時間をみつけることができたのでした。


料理の持ちよりも楽しいものです。


でも
だけど
しかし

お弁当持参の日の提唱は

どうしても
ストンと納得できないのです。


なぜか、
本当にわかりません。


もしかしたら
「お弁当」がもつ「家庭の露呈」性が
心配なのかもしれないし
古今東西の歴史が語っている食の場面の残酷な「虚飾」や
「権力」の萌芽への危惧か・・・。

いやいや
そんな大袈裟な心配は全く無用なのかも・・・・
もっともっとシンプルなことなのかも・・・・・


でも普及に努める理由が今ひとつ分からないなあ・・・

「効果」をどう評価するかだわね・・・

ディメリットは見えていないだけではないかしら・・・


あくまでもなぜか今回は消極的、懐疑的。
食の専門家としてプロになった証拠だと
思うしかないか・・・・。




いずれであれ、
あと数日で書き上げる予定の論文に
なんとか一文、考察をまとめなければなりません。

そうなんです、歴史に学ぶ・・
これこそが、文系の作業の真髄のようです。

弁当男子、という不可思議な「グループ分け」の
解釈も急がなければならず、
キャラクター弁当にも言及しなければならないし


小さいお弁当にまつわる様々な現象の変遷に
こおろぎ、相当頭なやませています。


しかしながら
明日からは、脚も使って調査調査。
このハイヒールは
シールです。それも
ワイングラスに貼るシール。
誰のグラスか分からなくなるのを防ぐ目的の
優れもの。
先日、なんと1泊3日でアメリカ取材に行ってきた
若きテレビ人Aさんが、見つけてきてくださいました。


ハイヒールのモチーフが大好きなこおろぎには
このところハイヒール柄が集まり始めています。
集まれハイヒール!
走れ!こおろぎ、ハイヒールで疾走せよ!

年齢には負けてなるものか!
結局は歩く人の勝ち!


健康第一、そして丁寧な日々を!