元気製作所

当ブログ、２回前に
田中ますみさんのMOLA刺繍の個展のご案内をしました。
パナマの民俗刺繍、華やかな色合いと
独特なモチーフ、元気がでます。

こおろぎ組の相談役、田中さんの
古希の記念の個展は
それはそれは華やかに
美しく開催中。

ぜひぜひぜひぜひ！
札幌在住のみなさまはぜひぜひぜひぜひ
お急ぎください。

MOLAの多彩なモチーフを
田中さんは
さらにご自身のセンスで解釈なさり、
繊細さと、豪快さ、
芸術性を加味なさっての展開。

田中さんご自身も
自作の帯を黄色い和服に重ねて
それはそれは美しかったです。

赤が特徴的なMOLAですが
黒と白のこんなモダンな作品も
目を惹いていました。

たくさんの元気をいただいた個展でした。

さて
久しぶりにアーティスティックな気分になったこおろぎ

近代美術館で開催中の
「かな文字」の展覧会にも足を伸ばし、
ここでまた大感激。
平安時代の文字にも触れて

ああ
日本はいいわ・・・と感嘆。

そして
同時開催中のエコール・ド・パリ、
｢モンパルナスの灯」展で
ユトリロ、ローランサン、パスキンなど
久しぶりにホンモノに触れて

ああ
やっぱりパリはいいわ･･･と再び感嘆。

そしてさらに
２階に足をのばして
中江紀洋さんの現代アート
力強いインスタレーションの空気の中で

ああ
なんてったって現代アートはいいわ・・・・と何度でも感嘆。

けして時間に余裕のある暮らしではありませんが

妥協のない｢作品」に触れる時間は
絶対に必要なのだと再確認したのでした。

花ばかり見て
食材ばかり見て
書物ばかりあさっていた
小さい小さいこおろぎでした。

そして
あれこれ次々に起こる日常の悩みごとや
小事件、悲しみ、憤り、迷いなどに
一喜一憂していましたが

ああ小さい。
こおろぎ、小さい。

平安の文字の
その優美さや

モンパルナスに集った、
かつての芸術家たちの夢の大きさに比べたら

そして
中江紀洋さんの巨大な作品、｢回帰（終章）」の
深いメッセージに比べたら

小さい、小さい。

こおろぎの悩みなど
やっぱり
ゴマメの歯軋り、
スズメの涙、
一寸法師の背中のホクロ・・・
スズムシの扁桃腺、
チョウチョのため息・・・

取るに足らない小さな小さなものに思えてきました。

さ、
生きなければ。

ちゃんと生きなければ。

「モンパルナスの灯」などという
華やかな時代の絵画を見たら、

パリの街に学ぼうと
キキを両親にあずけて
なんどもパリに通った
２０年ほど前を思い出しました。

一年に何度か
小さいキキを置いて
こおろぎは
安い安い飛行機に乗って
２０数時間かけてパリに通ったのでした。

たった一人で
何をしようとしていたのでしょうか。
ハサミとエプロンをいつもバッグに入れて
どこにでも飛び込んで
たくましいこおろぎでした。

エコール･ド・フルールと名づけてしまった
勢いで
その後、
キキとパリに住む計画も進めたこと、
懐かしく思い出します。

カブトムシに会わなければ
今頃、キキと二人、
パリで何をしていたでしょうか。
絵の上手なキキは絵描きになったかもしれず、
洋服の好きなこおろぎは、意外に腕のいい
縫い子さんになっていたかもしれません。

いつだって
予測と違う風がふき、
耐えられないと思う嵐もありますが

なんとでもなることを
こおろぎは証明できます。

とはいえ、
がんばることは
あまり美しいことではないので

やっぱり
こおろぎは

「雨にも負けて
風にも負けて
夏の暑さにも
冬の寒さにも負けて
そんな私のどこが悪い？」

という詩を後世に残したいと思います。

上の写真は、こおろぎが大好きな甘味処の
あんみつ。

なんの余裕もないこおろぎですが
ひっそりあんみつを食べるのが
至福のとき。
そんな時間に
相当大きな発想や
エネルギーが得られるというものです。

秋は速足。

お教室のクリスマスパーティーまであと１ヶ月。
ク、ク、クリスマスですよっ！

今年も残すところあとわずか。

再度申し上げます。
こおろぎの生誕記念日は大晦日です。
まだご準備のできていないみなさまにおかれましては
当ぶろぐ、何回か前に
生誕祭貢物参考リストを載せてありますので
どうぞご利用ください。

追申：本日電気釜が壊れました。
買いに行って仰天。
たかが電気釜が何万円もしちゃうんです。
こおろぎの家では
冷蔵庫も壊れ、
古いテレビも画面が砂の嵐。
りきまるにひっぱられてころんで
膝、化膿。
こおろぎ、すっかりご立腹です。
アートでせっかく感激感嘆して、
心清くなってたのに
いつだって現実は、
こんな風に
適度な不幸をまとって展開するものです・・・
奥が深いなあ・・・人生！