不機嫌なこおろぎ

美しい器に出会って、
一気にイメージが膨らむときほど
デザイン業者として幸せなことはありません。

赤い器に赤いピーマン。赤い薔薇の実をかぶせた作品。
久しぶりに嬉々としたこおろぎでした。
製作時間2分。

和のイメージを、どう大切にするか
それは本当に難しい。

数年前から、夏の浴衣の着方が大きく変わって
膝丈に持ち上げて足を出して着たり、
大人が三尺帯をチョウチョに結んだり。
これって「和」でしょうか。
外国映画の、デフォルメした「ジャパン」に
見えるのですが・・・・


こおろぎ組の
生活美学、生活文化学的視点は
けしてぶれることなく「和」の法則を
たぐりよせて行きたいと思うばかりです。


さて
昨日、このブログで
こおろぎは
大変気が重いと書きました。

ソロモン流
素敵な魚博士を見て
多いに考え、興奮したまま
情熱大陸どん底の気分になったりして。


情熱大陸の登山家は服部文祥という人でした。
重装備で、大勢の現地人に荷物を運ばせて行う
登山に疑問を持って
単独で挑戦し続けているようです。


一見すばらしい志。そして心意気です。

でも
その目的はなんでしょう。

登山の目的ってなにか、と聞くのは野暮かもしれませんけれど・・・


重装備でサポート付きの登山はフェアではない、という
スタンスらしいですが

だからといって最低限のものは持参するそうだし、
そもそも洋服着ているわけで、
なんとなく主義主張に説得力なし。
重装備と軽装備の違い、線引き、曖昧。
洋服着て、靴をはいて
時に裸足になって鹿を打つって
そのどこが
自然にたいしてフェアでしょうか。
素手で鹿を捕まえるわけでもない。
無防備な鹿にたいして
自分で作った武器でたちむかったわけでもない。

いろんな意味で
納得できない。



あえて食料を大量に持参しないというそれだけの理由で
子連れの母鹿を打っていい理由はない。


貧しさや
生活状況の悪さや
あるいは
災害などの悪状況で
食べるものがないのなら別です。


ひとりの人間の趣味で
一匹の鹿を打ち、その場でさばいてうまいと言って喰う、
その姿はやっぱり違う。
なにかが絶対に違う。


サバイバルというのは
目的にしてはいけないのではないでしょうか。
無礼です。
生きることに必死の人たちが
こんなにいるのに

どれだけできるかやってみよう・・的な
「生」に挑む遊びはいけない。

その結果の殺生は悪です。


彼は、殺生につきまとう
後ろめたさなどに疑問も投げかけているようですが

確かに、殺生を直視しないのはいけない。
殺生なくして人間は生きられないのですから。

でも
不必要な殺生はいけない。


こおろぎは
命を大切に・・・と
高いところから説教をするつもりなど毛頭ないです。
でも
そもそも
命なら
どんな命であっても
マットウさせてこそ、命。
無駄死にはいけない。


こおろぎは
今日は今日で
朝から、泣きたいことがどっさり勃発。

かつて
ラジオ番組で
「マダムこおろぎの不機嫌な食卓」という番組を
させていただいてましたが
「不機嫌なこおろぎ」でした。

声をあげて泣きたいことも
生きていればあるのは当然。


こおろぎの仲間たちに
ちょっと悲しいことが続いています。
でも仕方がないことは仕方がない。

笑顔笑顔。

それしかありません。


寸暇のない暮らしは辛い・・・と思ったりしましたが
やっぱり
寸暇なんていらない。

せっせとあるいてこそ
酸素も二酸化炭素
体をかけめぐるってもんです。

と書くと
休む暇もなく働いて・・
センセーお体大丈夫?と
ご心配の向きもありそうですが

大丈夫。
寸暇はないですけど
ダラダラしてますから。
お酒のんでボーっと音楽聴いて
テレビ観て
ちゃんと転がって寝てますから。

さてさて
この重い気分から速く脱出しなければ。

せっかくの「生」を
しっかり抱きしめて歩かなければ
DNAに失礼ですからね。

今夜は、ママがテレビで観たという
豚肉と茄子の柳川風、を
適当に作ったら
それはそれは美味しくできました。

「食」にはたくさんの問題があります。

「食育」を、栄養バランスと
農業への関心、感謝などで
美しくまとめられては困ります。

どこまで教師が
切り込んで教えられるか

そもそも
私たち教師が
どこまで覚悟して学び、知っているのか。

教育の問題は
あくまでも教師のレベルの問題です。

あら、
また重くなってきた・・・

この秋、こおろぎ、ちょいと
変身するのかもしれません。

お教室も25周年を迎え、
大きく方向を見直し
次ぎのステップを踏み出そうとする今、

当のこおろぎ、
なんだかウルトラマン風に
変身の準備なのかも。

ご期待ください。

それにしても
今夜の茄子は美味しかったなあ・・・
切り方一つで、こんなに美味しくなるなんて
まだまだこおろぎ、修業が足りません・・・
茄子に学んだ夜でした。