優しい日々

また土曜日です。
速いです、時間。

さて上の写真は先日の花新聞の撮影準備中。
小さいお盆が活躍。
テーブルのレイアウトには必須アイテムです。

さて
こおろぎ組のみなみなさまにおかれましては
いかがお過ごしでしょうか。

こおろぎは
あまり元気ではありません。
勢いよく「発泡酒」を飲む元気はもちろんありますし
すごい勢いで「アイスモナカ」も食べられますが
まあね、
生きていれば
いろんなことがあるものです。

悲喜こもごもは人間の、ある意味、特権。


恐ろしいことに、アトリエの地下室の掃除を開始。
恐ろしい・・・って何が?
見なけりゃわからないわね、この怖さ・・・。
古道具屋さん数軒分の荷物。
全部捨てろ、と世間は言います・・が

玉石混交。宝もあるのです。
国宝みたいな・・ものも、
お姫様のドレスも
ダイヤかもしれないものも・・
でもたぶん違う・・
そんな山。

家中を一気に片付けながら
とうとう地下室にまで手をつけたのには
理由があります。
アトリエの開放。
スタジオとして生かすためには
とにかく整理整頓が第一。
論文執筆にも
地下室の書籍が必要。

頭も体も大忙しの中、
嫌なこともあったりしながら
でも嬉しいこともあって


結局のところ、
優しい人が一番。
優しい言葉が一番・・
そう思うばかり。


上の写真は
今日の
「こおろぎの思い出シリーズ」
レタスクラブに連載していた頃の
キレイな誌面を発見。

追って雑誌の写真続けましょうか。
こおろぎ、
がんばってたなーと
うっとり眺めてしまいました。
編集者さん、ライターさん、スタイリストさんたちと
丁寧にページを作っていた時代のものです。
そんな大掃除の中から発見した一枚。


そして
この一枚の絵も地下室から発見。

コロ介が
「これなーに?」と質問。

「なんだと思う?」と聞くと

「なんだか知らないけど、ちょっと感動しちゃうんですけど・・」
とのご発言。


いやーっ
今頃はタイはバンコクで会議でもしているはずの
オオデブカブトムシが聞いたら号泣しますぜ。

これは
カブトムシがまだ小さかったキキに
描いてくれたものです。
広島に住んでいたカブトムシは
札幌にいる5歳のキキに見事に毎日
こうして絵を描いて速達で送ってくれたのでした。

毎日です。

そして
全部ひらがなのお手紙には
必ず

「キーちゃん、おかあちゃまは
きっと きょうもごきげんがわるいかもしれません。
もしかしたら、とてもこわいかもしれませんが
がまんしてください。
おにいちゃまが(ずうずうしく、自分のことを
おにいちゃまと名乗っていました。再婚前のことです)
おこづかいをきょうもはっておきますから
たくさんためてあそびにきてください・・・」

と言うような文句があって
50円玉とか100円玉が
その手紙に両面テープで貼ってありました。

そんなことが数ヶ月続いたのでありました。
そうとう手間がかかったはず。

その間、論文書けなかっただろうなあ・・・
だからノーベルショー、まだなのかも・・・。


まあ、とにかく、
オオデブカブトムシは相当な画才があり、
いろいろな結果も残している人ではあるのですが
キキに描いた絵はどれも
かなり素敵です。

へとへとのこおろぎも
そして
日ごろ、オオデブカブトムシを全く評価しない
こおろぎですが
ひさしぶりにこの絵を見て
ひととき、優しい気持ちになったのでした。

まあ、相当、こおろぎが弱ってたからでしょう・・・




りきまるさんにも受難の日々。
ものすごく汚れています。
足をあげておしっこをする立派なオス犬なので
しかし、どこかの形状形態の具合が悪いのか
おしっこのたびに足が4本とも汚れます。
全身の毛は大掃除の中を転がるのでネズミ色。

昨日は通りの向こう側の人から呼び止められました。
全く知らないご夫妻です。

コンビニの前だし、
危険はなさそうだったので
立ち止まって待っていたら、


「珍しい色のスタンダードプードルなので
ぜひ見せていただきたくて。
ブチですね!」


「・・・」

「灰色のはいますけどね、珍しいですね」

夜遅かったのは確かで
暗い中、コンビニの明かりに浮かび上がったりきまるは
確かにブチ色に見えたかもしれまえんが
わざわざご夫婦で呼び止めて
信号を待たせてまで質問するほどのことでしょうか。


「はずかしながら白です。真っ白・・・」

うつむきながら答えたこおろぎでした。
見ればりきまるも、
コンビニのポストの前で
はずかしそうに
うなだれて座ってました。


「あらあら、それは失礼しました。
そうですよね、考えれば、ブチのプードルっていませんよね、
ほら、おとうさん、私が言ったとおりでしょ、
白がよごれたんですってよ!」




「は?」



世界で一番無礼なおばさんに昨日会いました。

夫婦であのプードルはブチかひどく汚れた白か
賭けでもしたんだと思います。
品のよさそうなご夫婦、大笑い。


チョー失礼なんですけどっ!



どんなに品がよくても
アンタたちみたいな人たちの老後なんて
何の保証もないっすから。

きっと絶対、確実に
息子夫婦に見捨てられて
実直そうな夫には数人愛人がいて、
手を出した先物取引に失敗し、
隠れてやってた妻の株は暴落し、
次男は薬物で逮捕されますからっ!



相変わらず心の小さいこおろぎです。
笑顔で別れたものの
こころなしかりきまるの歩みものろく、
フツーの飼い主と
フツーの犬は
「いいもんねー、りきちゃんはフツーの
よごれた犬でも、いーもんねー」と
繰り返しいいながら夜道を帰宅したのでした。


まだキレイだったころのりきまるの
獲物を見つけた勇姿を載せておきます。


人生、果敢に挑戦しようじゃありませんか。
りきまるだってこんなにがんばっています。
なんどもなんども振り出しに戻る・・
だとしても
平気平気。

こおろぎ組に素敵な週末を!