文化のチカラ

madam-cricket2010-07-04

前回のこのブログと
本日の函館新聞の連載「暮らしのパレット」
両方に、こおろぎは
函館から札幌までJRで
笹竹を背負って運んだことを書きました。

HTB土曜日お昼12時からの
「ほんわかどようび」で
その笹は輝きました。


スタジオには
セットの中庭にディスプレイしてあった
造花の竹はありましたが、

華奢な函館生まれのフレッシュな竹は
風に細い枝を揺らして
それはそれは「ホンモノ」らしい存在感を
見せてくれました。




本日の小さい写真の
この抜群のプロポーションの女性、
彼女こそ
この番組のチーフディレクターであります。



長身に長い手足、バービーちゃんのような姿の
隣に立つといつも、
こおろぎはまるで
ガリバー旅行記の舞台に並んでいるような気分になります。

そんな素敵な彼女のイメージを
なんとか形にしたかったのですが

おかげさまで
下の写真どおり、
スタッフやテレビ局の社員みなさんが書いてくださった
沢山の短冊で
本当に素敵な
七夕飾りができたのでした。

みんな思い思いの短冊を書く様子は
こおろぎにとって
本当に感動的でした。


こうして童心に返って
ちょっぴり真剣に短冊を書くことの

なんと大きな意味、
なんと大きな力。


ことばでは簡単に説明できないのですが


え?
わざわざ書くの?

え?
自分も?


と言いながら

でも
いざ短冊とペンを手にすると
そうとう真剣にみんな
「願いごと」を書いてくださる。


そのことの意味。


そこにこそ
伝統文化の大きな意味があるのです。


若いADさんは
「ディレクターになりたい」と書いていました。

「幸せになりたい!」と書いた妙齢の美女もいました。

さて
こおろぎは何と書いたでしょうか?・・・・?




とにかく画面の美しさは
すばらしいものでした。
司会者お二人も浴衣姿。


北海道では、
七月七日に七夕を祝う地域は函館周辺と
道南に限られ、
八月七日にそのほかの地域がお祝いします。


二度も七夕があるのです。

函館短大の「フードコーディネート論」の講義では
ちょうど行事食について今やっているので
七夕が江戸時代に定着した五節句の大切な一つであることを
話したところでした。


年中行事の煩雑なお道具の準備やしつらいは
たしかに簡略化されたり、省略、消滅の方向に
向かっています。



わが家でもつい手を抜くことが増えています。


でもこうして
みんなでワイワイやっていると

ここにこそ
「人間」の「生活」の醍醐味があることが
明確になってきます。



こおろぎは本来、生物学の教師です。
しかし
ミトコンドリアやDNAそのものに
直接興味があるのではなく
そんな微細構造でできている分子の集合体である人間の
「生活」と「文化」に大きな興味があるのです。


この2〜3年で、急速にこおろぎの興味と仕事が
見えてきています。

この七夕もその一つです。

貴重な機会を得た思いです。


今日の1枚目の写真は
この日のスタジオの
大きなちゃぶ台を飾ったしつらいです。


使った太い竹の器は
こおろぎがいけばなに熱中していた30年以上前、
展覧会の大作のために作ったものです。
何本かあったのですが
転居のたびになくなり、
今はこれ一つ。
色が変わってからは
金銀にスプレイしながら
使ってきました。

それが今また、テレビのメインステージに登場。
若い日、夢中で花にとりくんでいたことが
浮かんで、胸がいっぱいになりました。



ドウダンツツジを低く這わせて
なでしこを少しだけ入れました。

このなでしこ、なんと3週間前にわが家に届いたもの。
地物の切り花の強さにあらためて驚きました。
ただし、こおろぎは
枯れた部分を捨て、
悪くなった茎を切り・・・という
「花仕事」を毎日続けていますから、
わが家の花たちは、いつまでもこうして元気なのだと
思います。


そしてこの華やかなお菓子。
お盆や様々な行事の際、日本海側の町のいくつかで
作るという「花だんご」。

その美しさには目を奪われます。

昨年の北海道文教大学の紀要に、こおろぎは
中国の云先生と共同執筆で
年中行事の菓子について論文を書きました。

そのとき、日本ではこのような
花だんごを作る地域があちこちにあることを
すでに確認しています。
中国にもあります。

日本では特に長野県や新潟県に華やかなものが
見られるのですが
この写真の花だんごの製作者さんは
やはり新潟県にそのルーツがあるとのこと。
もちろん、北海道全部に見られるお菓子ではありませんが
これもまた
手間隙かけて作る、その過程こそ
「食べること」自体より数段大切なのに違いありません。

食べるために作るのではなく

「作ること」のために「作る」のです。

それを文化、伝承料理と言うのではないでしょうか。


新しい1週間です。

ちょっと元気のなかったこおろぎですが

やっと今日、髪を切ってきました。
たっぷり休んで
こおろぎらしい夏をすごそうと思います。

毎日書きたいことが沢山。

どうぞ応援してください。


では本日の日記のおわりに
こおろぎが七夕飾りの短冊に書いたお願いを
こっそり書いておきます。



「早く背が伸びます!」

です!

願いが叶いますように!