一流の姿勢

土曜日、こおろぎは
東京家政学院大学に初講義にいきました。
テーブルコーディネート論です。
2コマ続きで、大変だったと思いますが
すばらしい学生さんたちに会いました。
管理栄養士の国家試験の勉強などで必死の4年生が
選択科目をとるというのは
本当に関心がなければありえないことです。
実にまじめで、聡明な4年生の皆さん、
真摯な態度もきびきびとした動きも
感動的でした。

一流の学生には一流の指導者がいることも
また痛感した次第です。


担当のM先生のご指導方法もお聞きしましたが
ノートの提出や、評価など
1つも手を抜かず、学生をぐいぐい引っ張っていく力の
すばらしさ。
学ぶところの多い場面でした。


講義のあと、テーブルコーディネートの実習。
事前の下見も準備もないなか、
こおろぎが持参したクロスと
テーマにあわせて
あっというまに4つのグループが献立を決定。
それを想定しての食器のレイアウト。
大学の食器をすばやく選択してのデモンストレーション。
所要時間は10分程度。
初めての試みでしたが
すばやい行動、判断力等で
みごとな結果でした。
4つのテーブルに持参した花や葉を
あしらって、イメージを膨らませる実習。
時間に限りがあり、残念でしたが
1時間足らずのあいだにできるかぎりを伝えたつもりです。
みなさん、一生懸命見て、質問して、ノートをとり、
その姿は、私にとっても大きな励みになりました。

東京家政学院大学4年生のみなさん、
忙しい中、出席してくださったみなさん
本当にありがとうございました。
管理栄養士合格率90%前後を誇る理由が
よくわかりました。


さて当のこおろぎ、
金曜日は武庫川女子大学に参上。
その際、まさかの大寝坊。

玄関の呼び鈴で目がさめたのが6時17分。


「あのー、6時に予約されませんでした?」

とインターホン越しに運転手さん。


「え?お願いしましたけど・・・・
今何時?」

とテレビを見たら6時17分。


絶叫して

「どうして6時にベルならさないの!」と
運転手さんに訴えても無駄。

「待っててくださいっ、5分で行きます!」


こおろぎ、生まれて2度目の寝坊でした。

こおろぎは絶対に寝坊などしない人間です。
一度目は学生生活をひとまず終えて、
ある放送局のアシスタントのアルバイトの面接に行く日でした。
前夜、亡父の麻雀に付き合い、お酒にもつきあって 
二日酔いで寝坊。寝ながら「面接はあきらめよう・・」と
思ったのがたった一度の寝坊でしたが

ああ
まさかの大寝坊。


バタバタと荷物をまとめて
タクシーにのり
「駅まで!」
と叫んで

「携帯が壊れて、代替の携帯のアラーム操作を
間違ったんです・・」などと
運転手さんに言って気がついた!

あ、携帯忘れてきた!


Uターン。

「お客さん、何時のJR?」

「6時30分のは無理か・・・・・・
でも、なにがなんでも携帯がなければ困る!」


と家に戻り

やっと再び
「駅!」

「へいっ、ガッテンダイ!」と
なんとなく江戸時代風になりながら


再出発。


「お客さん、間に合わないかもしれないですよ、次のJRは?」

「6時40分台・・・」

「あぶないなあ・・・さっき携帯とりにもどらなかったら間に合ったかも」


「しかたないです・・」


「じゃ、がんばりますから化粧でもしててください!」



「え?お化粧?・・・け、け、け、けっ化粧品っ・・・」


「どうしました?」


「運転手さん、戻って!」


「え?」

「いいから戻って!」


こおろぎ、化粧道具一式持っておらず・・。


ひどい顔。



今回は仕事で大勢の方にお会いするのに

この顔、この姿ではだめでしょ。


神戸空港から大学に直行なのに・・・。



「お客さん、絶対に間に合わないですよ!」



「でも・・・」



「化粧品なんてなくても・・」


「化粧しなくてもいいと思います?」


すると
バックミラー覗いて
こおろぎの顔を直視した運転手さんは
「・・・・いえ・・・その・・・戻りましょう!」


この運転手さんの判断が何を意味するかは別として
こおろぎ再び家に戻ったのでした。



結局、こおろぎはそうとう緊縮財政なのに
タクシーで千歳空港に向かうハメになったことを
ココに謹んでご報告し、
深く反省する次第です。


千歳までの価格交渉もソコソコ成功し、
タクシーで化粧して
空港にセーフ。

大反省でした。

前夜、仕事のあと、どうしても掃除がしたくなり、
床まで拭いたのがまずかったのかも・・・


老眼鏡も忘れ、
不自由しましたが
三宮の露店で洋服売ってた男性に
百円ショップはないか、老眼鏡を売っているところは
近くにないかと聞いたところ、
「お仕事ですね?それはお困りでしょう」と
ご自分が一度使った100円ショップの老眼鏡を下ったのです。
こおろぎ、泣きそうでした。
ママに激安のブラウスを買いましたが
本当に、その優しい言葉、これぞ、
一流の商人。
とっさの言葉、対応、学ぶところ多いです。


結局は大学で
Y先生により度の強い眼鏡を拝借して
仕事を終えました。
この眼鏡は18金のチョー豪華なもの。
緊張しながら
いただいた100円のめがねと
交互に使う旅となりました。


武庫川では
これまたすばらしい編集者さんとお会いしました。
Y先生の感動的な学際的なご発言、ご意見を
するするとまとめる力、
私やMさんの発言もうけて
あっというまにパソコン上に一冊の本の
全体像を描く力、

ああ
一流の力に遭遇した思いでした。

上の写真は
今日の「和柄

真っ白い帯。手書きの美しさ。

これぞ贅沢です。

よごしてはいけない緊張感。

懐石をはじめ、もてなしの基本にある
緊張感を伝えてくれる帯です。



そして白といえば
久しぶりに白くなったわが家のりきまる君。

おかあさんが留守の間、実家(実母すみれちゃん、養母洋子さんの
いるドッグステーション)にホームステイしていました。


あずける直前のこの後姿。

ま、

彼にとって、実家はパラダイスのはず。

おかあさんはこの二日間、寝坊に始まったバタバタ旅でしたが
疲労はゼロ。


町田で素敵なギャラリーにも行きました。
今日の一枚目の写真は
東京教室のHさんの作品。
彼女のお教室も動き始めようとしています。
夏には
田園調布のギャラリーにも
こおろぎ、お邪魔してHさんといっしょに
ディスプレイするかもしれません。

歩いていればこその感動と出会いです。

さ、

新しい1週間、どうぞこおろぎ組の皆様には
素敵な日々でありますように。