久しぶりの戦闘・・・

働く手は美しいなあ・・・と
つくづく思う日々です。
今日は、またまた先日の東京のクラスの写真。
新しいデザインに挑戦する手は実に美しい。


生きている植物を
もう一度
私たちのために「生き直してもらう」のが
デザインの仕事です。

お教室のあとすぐ、
バラと同じ色のドレスのHさんには
ご登場いただいたのですが
「手」シリーズで別あんぐるで再び。



この写真もこおろぎ大好きです。
「ほんわかどようび」の準備中、
どうしても必要になった造花、
一本に白、オレンジ、黄色の3色の花がついています。
コレは変。

造花なので
花首は簡単に抜けて差し替えられる。
ディレクターさんたち、まるで女工哀史のように
せっせと花首付け替え作業にはげんでくださいました。

こおろぎ、こういうシーンに猛烈に弱く、
ウルウルしてしまったのでした。


そんな心やさしいこおろぎなのに・・・
こおろぎの携帯電話がとうとう壊れました。
電源も入らず、充電もできず
何度目かの修理に持参したお店で
「事件」は起こりました。


深く考えず、家族全員の携帯電話の名義は
カブトムシです。
深い理由はないのです。

名義が違っても問題はありません。

が、

修理するために、カブトムシの承諾が必要で
こおろぎ自身の身分証明も必要。

そもそも
こおろぎの携帯電話が壊れているので
カブトムシの携帯番号などわからない。
わかったとしても
電話に出る可能性は実に少ない時間。


要するに
「個人情報」やら
なにやらかにやらが
どっさり立ちはだかって

こおろぎの携帯電話を修理するには
膨大な難題をクリアしなければならない様子。

悪いことに
カブトムシとこおろぎは仕事の都合上、同居していない。
これまた大問題。


「ご主人様のご名義なので・・・」

「ご主人様のご承諾なしには・・・」

「ご主人様とのご関係を確認できなければ・・・」



じゃっかましーっ!!!!!!
ココはメイドカフェか?!!!!



と叫ぶことができたら
良かったのですが
ぐーっと我慢した立派なこおろぎでした・・・
大人になったわ、私も・・・


しかし、
何度も立ち上がり、
普段は絶対に使わない言葉、【主人】を連発。

「あのね、【主人】はね、このあいだまで
ロシアとの国境のあたりをさまよっててね
今はたまたま日本にいるらしいけど
私は会っていないわけで
すぐまた、ポルトガルだかどこだかに
行くわけですわね・・
つまりその、
【主人】が彼の携帯電話にでないかぎり
私の電話は修理に出すこともできず

その上、【主人】と私が夫婦であることを
ここで証明しなければ
たかが携帯電話も直せないわけ?

あなたねえ、

家族ってなんだと思ってるの?

いっしょに住んでいれば家族なの?!
心かよわない夫婦だっているわけでしょーがって
まあそれはどうでもいーけど


じゃあ、娘達の携帯電話は
パパの子供だって証明しなければ
直らないのね?!!」


「さ、さ、さようでございます・・」



「あーそーっ、実子か養女かはどお?」


「は?」

「夫婦の証明しろと、あなた言ったでしょ?」

「はい・・・ご名義が・・・あのその・・・」

「娘たちの携帯が壊れたら親子の証明するんでしょ?」


「はい、ご名義が・・・・・」


「あのねええええええっ、長女と次女は
パパが違うのね、わが家は!」




「え?????」



「あのね、家族割引の申請は、じゃあ戸籍謄本が必要なの?」

「いいえ、自己申告でございます・・」


「はあああああ???? じゃあ、私が
10人の子供つれてきて、全部私の子供だと
言えばいいの?」


「お子様、10人でしたか・・?」



「た・と・え・ばっ!のお話ですっ」

「はい・・・・」


「その場合も、連れてきた子供たち、身分証明書なくても
家族割引の対象で携帯契約できるの?????」


「たぶん・・・・」

「たぶん?」

「上司に聞いてまいります・・・お子様10人ですね・・」


「もうういいっ!」




ああ


ぐGGっぐあああああああっ


倒れそうなほど予定の詰まっている午後
こおろぎは

「研修生」という名札をつけた
かわいい女性を相手に
悪戦苦闘したのでした。

保険証など、常に持ち歩かないし
車の免許もないこおろぎは
自分自身の身分を証明するものなどなにもなく


通帳とカードと名刺30枚ならある!
と言ってさしだしたら


「うわーっ、素敵なお名刺ですね!
こんな素敵なお名刺、初めてです!
うわーっ、素敵なお仕事ですねっ」

と真っ赤な湯でダコみたいになってるこおろぎの前で
フツーの反応。
いやあ、あっぱれでした。



結局、
正社員さんが登場して
あれこれあって


こおろぎ、タクシーで自宅に戻り、
無駄なタクシー代と時間を使って
やっと修理にだしたのでした。


家族の証明、
これ、ものすごく大変だということ
深く深く考えたこおろぎでした。


が、


あの空間で

「家族とはなにか」

という大命題を提案する意味があったかどうか

「娘たちのパパが違う」と言う情報が
果たして必要だったかどうかは
はなはだ疑問です。


それでも

歴史的にみて
今回のこおろぎの戦闘態勢は
優しいものでした・・・。


そうそう
本題です。


そういうわけで
こおろぎは今、代替の携帯電話を使っています。


こおろぎの携帯に入っていた、すべての情報がありません。

したがってこおろぎはどこにも電話もメールもできずにいます。

このブログを読んだこおろぎ組の皆様、
どうぞ
こおろぎの携帯アドレスと交信している方は
こおろぎの携帯にお急ぎ、メールをください。
心からお願い申し上げます。

陸の孤島状態のこおろぎです。

管理人みのりちゃんも
美人事務局長のみかちゃん
どうぞ取り急ぎ、こおろぎにメールをください。


戦闘モードの本日の
「今日の和柄」は
戦国武将の鎧の柄を。


すばらしい帯です。

カブトムシのママが
結納に届けてくださった逸品です。

縁起好きだったカブトムシのママは

わが家の和室に座るやいなや、
この帯を
ダーッと広げて

三津子さんにぴったりな帯でございます。
どうぞ
お使いくださいませっ!

どんな戦国武将より強そうな口調で
きりりと口上を述べられたのでした。


こおろぎとこおろぎのママと
まだ小さかったキキは

三人まとめても
このカブトムシのママのサイズには足りないくらいの
チビでしたが

精一杯背中を伸ばして

「ははーっ」と
謹んでお受けしたのでありました。


あの日、カブトムシのママは
印籠を下げてたなあ・・・・

由緒正しい
なんだか桁違いの結納式でしたが
今となっては何もかも懐かしいです。

わが家に結納が届くことになったとき、

慌てたこおろぎのママが買って来たのが
とんでもなく高価なお茶のお茶碗セット。

ママ、我が家に
どれほどお茶碗があるというの・・・と
言っても聞かず、
子連れで嫁がせる母の思いは
そんなもんだったのか

札幌で一番高いお茶碗よ!
絶対に失礼しないように・・・


と思いはつよかったのに


「お結納をお届けした場合、
どこにも寄らず、お茶も飲まないのが
常識でございます」


本当に和室から廊下を通ってそのまま
お義父様と
待たせていた
タクシーでお帰りになったのでした。


あのときのママの呆然とした顔、
思い出しても笑っちゃいます。


そのあと、久しぶりにお掃除したリビングの
ソファーに深く座って

「あーおいしい!
高いお茶碗でいただくお茶は
格別においしいわ!」と豪語。

なにもかも懐かしい思い出です。

この帯は戦闘態勢のこおろぎのお守り。
もちろん、函館五島軒での披露パーティー
ブルーの紅型の和服にキリリとむすんで
カブトムシとの生活をスタートさせたのでした。



アレルギーやら喘息やらで
「原因明らか」な症状のため、
ちょっと休養中のこおろぎですが
気力充実。


「りきまるくんの散歩道」もご覧のとおり。

闘って闘って
女は生き抜く生き物なのです。