準備

お教室を運営すること25年。
でもこれはエコール・ド・フルールと名乗って25年なのであって
こおろぎが
「アトリエまつぼっくり」
とか
「アトリエ あき」
と名乗っていたのはさらに遡って数年。
つまり
30年は続けています。

あ、
「アトリエ あき」のあきって誰?

あきさん というのは
秋さん と書くのですが 
こおろぎの雅号です。

源氏名・・・ではなく
いけばなの雅号です。

そうとう気に入ってますね、秋の一文字。
でもまあ
流派を離れて長いので
もう使うこともないのですが
どこかでまた
この名前を生かすことができたら、と
実はちょっと考えたりしています。

とにかく
ずいぶん長いあいだ
アトリエとお教室を運営しているのですが


なにが大変といって
準備です。

花を生けることは
花があって技術があれば
だれでもできる。

ではどう花を集めるか、
その技術をどこで習得して磨き続けるか

それこそが問題なのです。

「結果」の美しさや完成度でしか
なにごとも評価されない。

オリンピックがそうでしょう。
「知られざる秘話」がいくら並んでも
競技の目的に見合った結果が必要なのですから。


上の写真は
2時間のレッスンに17名分の食器を会場に運んだときの
一部。

これ、ほんの一部です。


持ち帰った食器がまだ
そのまま玄関に箱詰めのまま。
要するに
仕事のほとんどは
「準備」なのだと
あらためて思っています。



このカーネーションとブプレリウム
なかなか器にあって素敵ですが
これ、アレンジしたものではなく
生徒さんが使いやすいように切りそろえただけ。
「準備待機中」の花たちです。

こおろぎの仕事の9割は
レッスンの前後の何日間。
レッスンは1割ですね。

材料の顔を見てからテキストを作る。
論文も同じです。
ほんの何ページかを埋めるために
場合によっては何年もかけるわけで
あきれるほどの本も読む。

土の下
水面の下の
深い根っこや水かき

これを大事にすることが大事。
突然再確認。



先日の武庫川女子大学生活美学研究所でのセミナーのとき
奥村彪夫先生が作られた松花堂弁当のご説明を聞きに
参加者が周りを囲んだとき、
当然こおろぎはカメラを構えたのですが

おひとり、素敵な男性がいきなりスケッチを始められました。

あら、どこかでおみかけした・・・


中華料理の第一人者、邸先生でした。

その見事な筆跡に
大感激したこおろぎは
お弁当の写真より
邸先生のスケッチと先生の姿ばかりカメラに収めたのでした。


もう学ぶことなどないような
そんな中華の大御所が
和食の専門家に
細かくご質問。
ひとつひとつ、丁寧にメモをとる。

やっぱり
ノートをきちんととれない人はだめだと
あらためて痛感。

学ぶということは

学んだことを頭にいれる・・のではなく
形にして残すことです。

デジカメに納めることとか
いつかまとめるメモ・・ではなく

しっかりと
形にしていくことを学ぶというのだと
確信。

大学の試験を終えて
ノート持参を許した今年のこおろぎ、

学生たちの
学ぶ姿勢が変わったことも
確認しました。

感覚を信じたり、
頭に入れる・・・というようなことや
ましてや
「ネットをしらべればいつでもわかる・・」なんてこと

それは学ぶということとは
全く違う次元です。



ウィキペディアを見ることを
「調べる」だと思っている人があまりに多くて
びっくりです。


それはほんの入り口にすぎない。
そこから何を引き出して
どう組み立てなおすか
それが「調べる」ということです。



地味な労働である
自筆のノートをしっかり作れる能力のある人は
生涯学び続け、その結果発信しつづけられるということですね・・



もう30年も教えてきたこおろぎ
3月から今年度スタートします。
頭を使いましょう。
知恵とアイディアをフルに使って
新しい勉強方法で歩きましょう。

この写真は
東京の師範養成講座の初日。
平日のお昼でしたのでRさんお一人の特訓。
そうとう疲労したかも。


頭を使うお花のレッスン。
頭を使うお料理のレッスン。

これ、可能ですから、絶対に。
こおろぎはやる自信あります。



週末、休養したこおろぎ

怖いほどのパワーアップ。

1月から2月、
雪の深い北海道では
なかなか活動しずらかったのですが
そして体調もよくなかったのですが

3月を前に
パワー全開。


まずは一週目、伊勢に出向きます。
仕事ではなく、婚礼です。
仕事ではないといいつつ、
伊勢神宮まで行って
周辺で調査してこないはずのないこおろぎです。

日本はおもしろい・・

日本にとりつかれたこおろぎの
3月からにご期待ください。


こおろぎ組にパワフルな一週間を!
そして
笑顔の1週間を!