続 京都でスタバ 

季節ものなので
チョコレートケーキの写真を。
今日の函館新聞にも
ほとんど同じ写真あり。
そしてバレンタインデーの記事あり。
みんなが楽しいんなら
チョコのやり取りも
いいんじゃないですか・・

文化とは
本来そんなもんですから・・・

ただ
その陰で
消えていった行事が
悲しいですね・・

そんな思いが
今こおろぎを
ちょっと突き動かしています。

チョコではなく
商業ベースにのれなかった
地域のお菓子や料理
行事を
丁寧に拾いたいと
思っています。

この写真
前々回も載せました。
何枚も撮ったのに
やっぱりこれいい。


日高先生を送る会の前夜
こおろぎは
330年以上の古いお庭に面するこのバーで
水割りを飲みました。


こおろぎのパパも
ウイスキーしか 飲みませんでした。
日高先生もウイスキー党でした。

そして
こおろぎも
ウイスキーが好きです。


送る会の前夜
こおろぎは
明るいMちゃんといっしょで
楽しい話題に花が咲きましたが
それでも
気持ちの深いところで
一人
日高先生と京都の風の中で
お別れをしました。

博士論文を
よく何度も見てくださいました。

京都まで運んで
駅前のホテルのロビーで
見てくださった時は

本当にお忙しかったのだと思います。


「いい?時間がなくてね、運転手さんが外で待ってるんだよ」


そして
「ごめんね」


おっしゃった。


誤るのは私でした。

当時は
滋賀県立大学の学長だったはず。

多くの公職もあり
一瞬の時間もないなか

出口の見えないこおろぎの博士論文のために
車を待たせて
見てくださった。


未熟な論文なのに

「いいね、いい発想だね」と

いつもどおり
褒めてくださいました。

どうやって
お礼を言い
どうやって
ご恩を返したらいいのか

こおろぎは
一杯の水割りを
飲みながら
降り続ける雪のお庭を
ながめていただけでした。


そして
翌日午後の
送る会の会場で
こおろぎは
先生の祭壇に
たった一つ置かれていた
グラスを見つけました。

お菓子も果物もなく
ウイスキーのグラスが1つ。


「三津子、よく来たね・・
やっぱりお酒はウイスキーじゃなくちゃね」


その声が聞こえるようでした。


「最近、ちゃんと書いてる?
三津子の発想は間違っていない。
おもしろいよ、
堂々と書きなさい」




そんな声が聞こえるようでした。

こんな美しい祭壇を
こおろぎは見たことがありません。


先生はネクタイをせず
いつも大きなペンダントでした。

ファッションにトレードマークをもつことは
とりわけ男性には難しいのです。

奇抜な服装で
奇をてらうことは簡単です。

でもそうではなく
本人も
周囲も楽しい、
そんなトレードマーク。


会場に設置された
いくつもの展示のひとつが

「HIDAKA STYLE」と題した
この愛用されたペンダントのコーナーでした。


素敵な先生でした。


先生をしのぶ
数々の品が並び
多くの方がたがみな
微笑みながら
先生を思い出し
語っていらっしゃった。


生き方を
学んだ
送る会でした。


どういう大人であるべきか
こおろぎは
最後に
先生から学んだような気がします。


「なれるもんなら
素敵な学者もいいよ、女であることを
ちゃんと楽しむ学者ってね
あまりいないからね・・」



「髪振り乱して戦うみたいな姿は
カッコ悪いね」



20代の前半、
迷子だったこおろぎに
けして
「命がけではない生き方」



楽しみながら

しかし

力を抜かない生き方を教えてくださったのが
日高敏隆先生でした。


40代を過ぎてからの教えもまた
少しもぶれず、
怪しく未熟な論文を
褒めるのと同じように

靴やら洋服やら
そんなものへのコメントも忘れない先生でした。


神戸の服飾美術館のための
人はなぜ装うか、という
映像作りの時には
及ばずながら
多少、お手伝いをできたかと思います。


日曜日
テレビで日曜美術館
魯山人の器を見ました。

こおろぎは
魯山人のよさが
全くわかりません。

みんながいいといいます。


よさがわからないのは
こおろぎに
審美眼がないからだと
いわれそうですが



よいと思えないのです。

日高先生なら
どうおっしゃるでしょうか。

「君の見たとおりでいい」


みんながどういおうと

「君の見たとおりでいい」


そうおっしゃるに違いない。
そして
なぜ
どうして
いいと思えないのか
そこを考えなさい・・・

そう続くに決まっている。

学ぶことは尽きません。

涙は突然流れますが
弱気も時にはいいものです。


いい日曜日です。


講演の準備、掃除、採点で
あいかわらずてんてこ舞いですが
よく食べ、よく寝て
元気です。
今朝はカボチャとちくわでした!


こおろぎ組に
素敵な1週間でありますように!