センチメンタル


猛烈にセンチメンタルな1日でした。
教育テレビで
井上陽水特集。

年をとって素敵になるオトコというのがいるものです。
井上陽水さんはその代表です。

ジュリーは
若い日、あんなにきれいだったのに
なにがどうして
あんなに太ったのでしょうか。
還暦記念のようなテレビ番組をみましたが
ソファーからずり落ちたこおろぎでした。
その日がわかってたのなら
なぜもうちょっと努力しなかったのでしょうか・・・


太るとか
頭髪を失うとか
おなかが出るとか
そういうことだけじゃないんです。

年齢を重ねるにつれて
どんどん素敵になるオトコって
いるものです。


たとえば
寺尾聡サマ。
布施明サマ。
井上陽水サマ。


筑紫哲也さんもそうでした。
もちろん
トップは三国連太郎サマですけど。


そうそう
緒方拳サマもそうでした。


若いときは素敵だったのにね・・

ってのは

「あんた、今、なにやってんの?」


ってことですからね。
外見じゃなくて、
いや
うっかり外見にでてしまう
油断や、歴史。

怖い怖い怖いです。


1972年あたりからの
陽水さんの歌を聴いて
センチメンタルなこおろぎです。




徹子の部屋
勝間和代さんがでていました。
12時間くらい感想を述べたいところですが
陽水さんの
歌をどっさり聴いたら
現実味のない経済評論家の女性たちへの提言と
生活理論、そして
なんだか不可思議な印象を
ここで論じる空しさを感じてしまいました。


能力も技術も
地位も名誉も名声も
もちろんお金も未来も
どっさり持っている
今話題の経済評論家と比して
こおろぎの
なんとちっぽけな存在であることか、


ごまめの歯軋り、雨アラレ。


しかし
しかし
しかしです。

彼女よりこおろぎの方が
ちょっと「イイ」ところ見つけました。

口角です。


つい最近も
こおろぎは笑顔を褒められました。
この年で笑顔って
それこそ笑われそうですが
先生のキーッという笑顔、スゴイです、と
言われました。
そうです、こおろぎは
キーッと口角あげて笑っちゃうクセがあります。
この口角は実はこめかみまで裂けます。
つまりそれほど口がデッカイのです。


この話題の経済評論家は
美しさも話題のようですが
笑顔は美しくなくてとても残念。


でも
実に全くこれぞ
ごまめの歯軋り。
笑顔などあってもなくても

仕事にも
評価にも
全く関係ないわけで

実力あるのみの世の中、
こおろぎに
勝ち目があるとしたら

でっかい口と
こめかみまで口角裂けて無防備に笑うってことでしょうか。



日々の生活を
生産的だとか
投資のためだとか
そんな風に分類して無駄なく暮らすこと

それができたら実に立派です
しかし

だとしたら、
では寝たきりの人、
訳あって病んでいる人は
全く生産的ではないわけで
ダメな生活をしていることになる。


健康であることを前提のご提案の数々であることは
百も承知の上ですが

聞いていてどこかがモゾモゾする。


気分転換など
そんな余裕の余の字もなく働く人たちのことを
彼女は
全く想像できないんだわね・・


週に二度、健康とストレス解消のためにジムに通うなんてこと、
子供を預けて働く女性たちの
いったい何パーセントの人に可能だろうか。
いや、そんな人、いるだろうか・・・


英語の勉強の仕方も
実に立派ではありますが
そんな「余裕」も見つけられない女性たちがいること、
彼女は
想像できないわけで、
彼女流のやり方が「出来ない」人は
能力とやる気のない人、というくくり方なんだろうなあ・・・。



マッキンゼーをはじめ、
外資系の一流の企業をあげて
ご苦労を語ることもまた
なんとも耳に心地わるい。



理想的な会社を転々となさりながら、
それでも疲労で自殺願望もあったというのを繰り返して語るのは
いかがなものでしょうか。



彼女なりの
苦労話は
どれもこれも
一般的ではないということです。



「母にSOSして・・」というだけで
もう大多数の働く女性の最大公約数をはみ出している。




こおろぎも
シングルマザーしてたことあるし
子供預けて地獄の日々すごしたけれど

このこおろぎの地獄は
こおろぎ的レベルの地獄なわけで、
恵まれた地獄だったと今は思っています。

ほかの誰にもあてはまらず
誰の参考にもならない苦労でした。
もちろん、相当ドラマチックで
もしかしたら
外資系」を次々まわってキャリアを積みながら
「苦労」していたらしい勝間さんとは
比べられないほどレベルの低い
しかしながら
こちらも
いや
こちらこそ命がけの日々と家族を守る日々だったわけで

でもこおろぎの
こんな経験や
浅知恵など
誰の役にもたたないのでね・・・。
なんの自慢にもならないわけでね・・・。





彼女が早婚を勧めること
どっさり子供を生むことを勧めることは
実は

男性社会が望んでいることなのです。


そのことを
彼女はどうお考えなのでしょうね・・・・



結婚も出産も
簡単じゃない。
本当に簡単じゃない。


たまたま学生時代に出産した彼女が
そして
つぎつぎに若くして3人のお子様に恵まれたわけで
そんな彼女の人生を肯定するのに都合よく構築した理論を
もし
鵜呑みにする女性があるとしたら
それは実に悲しいことです。



陽水さんの歌で
心静かになったはずなのに


本当にがんばって子育てをしている人、
やりたいこともできず、病気と闘っている人
自己を捨てて介護に人生をかけた人、
自分の未来より
家族の将来を選んだ人・・・
予期せず人生を失った人・・


いろんな人のいろんな人生を俯瞰できる年齢になったこおろぎは
なんだかね、
おとなげなく憤ったりしてます。




世の中の「ブーム」の作り方が
アンフェアに思えて
不安、そして立腹。



ごまめはごまめなりに
歯軋り続けるのも悪くないのかも。



キキとランチしました。

短時間
医大の近くにできたスープカレー屋で。


チーズハンバーグ入りの
辛さ何倍だかのごっついカレーを食べながら

「午後から麻酔の実習で
お互いに軽い麻酔打つから
お昼は軽くするように言われたのよねっ」と
いいながらがっちり食べてる。


え?

麻酔、友達の腕に打つの?
打たれるの?



こ、こ、怖いっ・・・

そんなにカレー、食べていいの?・・・・


「吐く人もいるんだってさ・・」


こ、こ、怖いっ、実に怖い。


人間もイキモノ。
高校時代、生物を全く勉強しなかったキキが
いきなりの医学、基礎知識なく
人体を相手に奮闘。
その様子を見ていると
ますます高校の生物ってなんだろう・・・と思う。


イキモノ学の再検討、大きなテーマ。




そして
本日のりきまるですが、超ご機嫌。
入院以来、なんだかすっかり家族の顔。
コロ介のレッスンの足元で
じっと待ってたりして
忠犬風。


忠犬といえば
ママ、やっとひとりで 近所のお豆腐屋さんに
買い物に行くと言い出しました。

りきまる連れて、ついていくと
驚くことにりきまるがママから離れない。



普段は外に出ると
とびはねて手に負えない。
アホ犬丸出しの散歩なのに

杖をついて一生けんめい歩くママを振り返り振り返り

ママのペースでママの周囲をゆっくり歩くわけです。

教えたわけでも注意したわけでもないのに・・


それはもう感動的で

この 犬の何がそう判断させるのか

普段のアホ犬散歩ではなく
なぜいきなり
ママの歩幅で
ママの周りを歩くのか
ときどきママの杖をなめたりするし


そしてお豆腐屋さんに入ったママを店の外で
じっと座って待ってる姿なんか、
通りすがりの誰もが思わず微笑むわけで

これもまた

犬の頭脳の不思議。


りきまる、あんた、イイとこあるじゃないの・・


いや、ふしぎなところがあるってことかしら。


イキモノは不思議。





華やかな女性経済評論家の対談に
ため息ついた日の夜遅く、
古い友達から電話がありました。


共通の友だち、Aちゃんの三回忌だわね・・と。


志半ばで逝った友達のことを
改めて思い出し、
陽水さんの歌でまたセンチメンタル。




夏の終わり、
おもいきりセンチメンタルに過ごそうと思います。