旅の重さ

madam-cricket2009-07-21


テリーちゃんの滞在は
私たち家族にたくさんの刺激と
感動をくれました。

ほとんど食べず、
どうしたらいいかと悩んだ何日間も

彼女の体力の回復とともに
そしてシャイな彼女が
少しずつ慣れてきて
私たちの英語も少しずつ
サマになってきて
なんとか
解決。


初日の夜
ホームシックで涙をこぼした
彼女も

わずか10日で
ずいぶんと大人になったのかもしれません。


短い滞在中、コロ介の高校は学校祭の準備で大わらわ。
実行委員のコロ介はダンスの振り付け等もあって
ますます大忙し。
帰りは8時で片道1時間。

細いテリーちゃんには過酷な日々だったはず。


そんな彼女の数少ない希望は
写真の楽器が見たい、演奏が聴きたい、というものでした。

食べないテリーちゃんに
せめてこおろぎができることは
彼女の希望をかなえること。


でも
ERHU
ってなんでしょう・・・


困り果てたこおろぎでしたが

すばらしい出会いを
また
いただきました。



ネットで見つけた先生に突然のご相談のメールをしたのです。
普通は不可能なことだったと思います。


しかし
こおろぎの強運か


ぜひご見学に・・・という信じられないお返事をいただき、
その上、こおろぎの心細さを慰め、励ましてくださり・・・



すばらしいERHUの先生のお教室を訪問することができたのです。

あっというまの実現でした。

ERHUとは
二胡のことです。
中国のすばらしい楽器です。



アニメについて熟知していて
アニメで日本語を学んだテリーちゃんは
久石譲さんの二胡を使った名曲に感動し、
ピアノのほかに、ヴァイオリンも習っているので
ぜひ
この美しい二胡を見たい、そしていつか自分も弾いて見たいと
思っていたとのこと。


念願かないました。

豪雨の午後、
結局、はじめはテリーちゃん一人を
連れて行く予定でしたが、
アメリカから同行しているクラスメートと先生と
こちらの高校のご担当の先生と
5名で

二胡奏者であり、指導者でもある
荒木田真穂先生のお教室をお訪ねしたのでした。


すばらしい先生でした。
初対面
というより
突然のメールへのご親切なご返信と
わずか2日間の何度かのやりとりだけで
当方をご信頼くださり、
お菓子までご用意の上、
ご自身のCDをプレゼントしてくださいました。
小説家でもいらっしゃる先生は
日本語の勉強にもなると
ご自身の作品の朗読のCDもお贈りくださいました。


二胡を愛し、美しい音色を奏でる先生は
お気持ちも大きく、すばらしいお人柄でした。

束の間でしたが
全員が大感動のひとときでした。

こおろぎも
たくさんの感動で
胸がいっぱいになったのでした。





あれもこれも
すてきな経験でした。


小さい写真は
こおろぎがセレクトした
浴衣でファッションショー。

色白のテリーちゃんにはブルー
色黒のコロ介には黒。
柄は同じ、古典的な雪輪風の柄に兎。
色違いで並ぶ二人とも
とてもよく似合っていました。

最近
オカマのリリーちゃんと名前を変えた
りきまるも
どうしても参加したいと強く主張。
まあ、気持ちはわかりますが
浴衣着てないのでNG。
お気の毒な一幕でした。



そして昨日は
いっしょに来ていたクリスタちゃんと
ステイ先のHITOMIちゃんご一家、
諸先生と
お別れパーティーでした。


あっというまの
10日間はおわりました。




朝早い飛行機で
一行は帰途につきました。


5時におきて
車で空港へ。



ヤバイ
キモイ
チョリーッス
イケメン・・・・

教えた言葉を復習しながら
楽しそうだった二人でしたが



ニコニコしていたコロ介の眼から
大粒の涙があふれました。


学校祭などで忙しすぎて
充分なことができなかったこと
つたない英語でテリーに不自由をかけたのではないかという
大きな反省、
いろいろな思いで
あふれた涙なのだと思います。



9月にはヴァージニアで待っているからねと
またいっしょにピアノを弾こうね、
今度は私の学校で楽しくすごそうねと
テリーの優しい言葉がもっとコロ介の涙を
大粒にしたようでした。



コレが本当の交換留学制度です。
短い短い期間ですが、
1年にも相当する
深い深い絆ができたようです。


今回の交換制度はある北海道の企業がスポンサーになっています。
すばらしい社会貢献だと思い、感謝しています。




こおろぎもカブトムシも
たくさんたくさん学び考えました。
17歳の少女が教えてくれたことは
予想以上に大きかったのです。
たくさんあるのです。


彼女の日本語の学び方からも
態度からも
あまりある感動を得ました。



いつもながら
思います。

人生は素敵です。
若い人は素敵です。
そして
大人たちも素敵です。


今回HITOMIちゃんのご両親とも
お友達になれたこおろぎとカブトムシ、
歩き続けていれば
幸せはたくさん見つかります。
しんどくても
面倒でも
あるかなければ
転びもしない代わりに
こんな素敵な出会いもないということで
歩ける限り歩きつづけたいと思います。




そして
フーッとひと息ついて


あら、そういえばキキから連絡ないわ・・・


「おーい、どこにいる?」とメールしたら



「夜行バスで移動して
標高2600メートルの町にいて
電波が届かなかったのでゴメン」という返信。



や、や、夜行バス?
ヒョっ、ヒョっ、標高・・・って・・・



ああ、
人生は確かに素敵です。
でも

ああ
人生は本当にドキドキハラハラするものです・・・・。


若い者みんなに幸のどっさりあらんことを!
そして
若くない人たちにはもっとたくさんの幸せを!