元気です

madam-cricket2009-07-02


素敵な食卓を作ったのは
生活美学高等研究科華組。
こおろぎ組に巻き込まて7年目というメンバー、
人生、いろいろなことがあります。
歴史はどんどん増え、
嬉しいことも悲しいこともどっさりですが
ああ、本当に幸せです、
仲間がいるという、この幸せ。
久しぶりにアトリエに集ったみなさんの
華麗なる手さばきで
最高のお味の野菜と魚介のマリネは
あっという間。

フラワーショップ、フェリスお勧めのハーブティー
優しく香ったのでした。

こおろぎ、多忙ではありますが
元気です。
ちょっと呼吸器不調ですが
これ、生身ですから当然。
どこか不調は当然のことです。



りきまるは見た・・・・



そんなタイトルの写真を一枚。
こおろぎ自身が美容院にもいけない生活なので
当然、りきまるは、アルプスのハイジが飼ってたワンコとか
はなさか爺さんのワンコのような
そんな風情が漂い始めました。
ひさしぶりに
こおろぎ自身が花を触っていた午後、


りきまるは見た・・・


こんなシーンがありました。


こおろぎは元気です。
心配やら迷いやら悩みやらは
相変わらずどっさりですが、


先日の大学の授業で
思わず涙があふれそうになりました。


生命科学も食生活論も
ちょっとレポートを書いてもらったのです。
突然の課題だったのに
どの時間も学生さんたち必死。
生命科学は大講義室びっしりの200人以上の学生さんたちの
鉛筆の音が波のように響いて
それは感動的でした。

食生活論は二つのクラス。
一つ目のクラスも80人近くが必死。
その真剣な眼差しは教室の空気を氷らせたようでした。


今年、こおろぎの授業は変わりました。
どう変わったか
説明は難しいのですが
こおろぎが変わったのだと思うのです。
教える、ということが分かったのだと思います。
こおろぎの仕事が分かったのだと、
そういうことなのだと思うのです。


食生活論の二つ目のクラス、こちらも80名ほど。
40分くらいで書き終えて提出しなさいと指示したのに
誰も書き終わらず
もっと書く、と全員が言うのです。
もういいから・・と言うと
書きたいから書かせろというブーイング。
今までなら
早く書いて早く退出する学生が続出するのに
誰一人手をとめず、
授業時間が終わった18時になろうというときにもまだ
書き続けているのです。

問題1 味覚とはなにか
問題2 甘み、塩辛み、酸味、苦味の機能
問題3 孤食と個食の現状と問題点

簡単にいえばそんな問題です。

いつの間にか大論文がどっさり誕生しました。


18時、個々提出してきた学生達が
手が痛い、肩が痛い、といいながら
みんな笑顔。
まだ書きたかったという声ばかり。
センセー、途中までで残念だった・・と
自分の意見を書いたけれどいいのか
もっと言いたい、もっと書きたい・・・

そして何人かが
涙がでそうだ・・と言いました。

なんの涙なのでしょうか。

本当に、
こおろぎも涙がでそうだったのです。


教師をして30年、
学生達が
もっとたくさんのことを書きたい、
もっと勉強をしたい、
また書かせて欲しいと
そんなことを切望したことは
かつてありませんでした。


おもいきり一枚の紙に向かって
自分の知識を穴埋め問題ではなくて
知ってることを全部書け、と言ったとき、
こんなにみんなが真剣になるなんて


こんな経験はかつてありませんでした。
講義室に神様が降りてきたのではないかと
そんな気さえしたのです。
空気が全く違ったのです。


はりつめた空気が
学生達全員伝達して走るエンピツの音に
みんなの神経が研ぎ澄まされて


今年の学生は違う・・・
そうかもしれない。
でも今年の私も違うのです。


その私の、えいやあっ、という思いが
ちょっと伝わったのかもしれないと
そう思えました。


世のなかの
大きな流れにのまれずに
自分の考えを言える大人になれよと
事実をしっかりみすえろよと
こんなに学問、おもしろいぞと
今まで以上に、力説しているかもしれないこおろぎです。
学生の私語は極端に少なくなりましたし。


ありがとうね、みんな。
一人ずつから答案を受け取って
お疲れ様、と声をかけながら
教師をしていてよかったと
心から思ったこおろぎでした。

アーつかれたーと
たくさんの声が廊下にあふれていましたけれど
どの声もあかるくて

おもしろかったね!という声に変わって
たのしかったね、という声も混じって

こおろぎは合計400枚ほどの答案を抱えて
胸がいっぱいで
ウルウルっとしたのでした。

人生はほんとうに素敵です。