母校

madam-cricket2009-06-07


北海道旭川東高等学校、
こおろぎはこの高校を卒業しました。
札幌の高校に行こうと思っていたのに
直前に親の反対で親元に留まることになった選択だったので
なんとなくグレ気味の高校時代でした。


それでもよい友達に恵まれ、
素敵なボーイフレンドもいて
勉強以外なら合格の高校時代でした。
でも同窓会には一度も出席したことがありませんでした。
そのこおろぎに
札幌での同窓会のお誘いがあったのが何ヶ月か前。
うっかり15分の講演をお引き受けしてしまったのでした。
よく考えたら、旧制中学校の先輩といえば
両親くらいの年齢。その方がたを前に
何を話せばよいのやら・・・
札幌でご活躍の方がただけの集いとはいえ、200〜300名のご出席と聞く。


日々の仕事の合間に
こんなこおろぎも頭を相当悩ませました。
もしかしたら、悩みの種類としては初めて経験するものだったかも。

生活美学とは何か・・・
文系と理系とは何か・・・
こおろぎの積年の疑問に、現時点で答えを出す作業となったのでした。




そして迎えた6月7日、所は京王プラザ。
一枚目の写真はホテルのロビー。
待ち合わせは12時半。
資料の写真をパワーポイントに全部載せて整理を終えたのが
12時10分。
これ、綱渡りとしてはかなり危険。
でも
それほどの重労働だったのです。
こおろぎ的に
こおろぎが勝手に重たくしてしまった労働でした。

エラーイ方がたのご挨拶や総会のあと、
こおろぎの出番。
タカーイ壇の上でのパワーポイント上映。


この10数年のこおろぎの仕事をギューッとまとめて15分。
使った写真は60枚。


こおろぎの講演のあと乾杯。

乾杯のご発声は最高齢の大先輩でした。
この白髪のロングヘアー、真っ赤な縁のめがねに
白い麻のジャケット。かくしゃくとした足取りとお話振り。
この大先輩が壇上で
「今の話はよかったなあ・・・。こういう話は
アメリカでしたら喜ばれる!いいお話でした。
大学に長くいて、アメリカにも暮らしたけれど・・・
自分が若いころは女性は大学にはいなかった・・」


どなたなのでしょう・・・
この断然おしゃれな大先輩はどなたなのでしょう・・・


乾杯のあとこおろぎは
お席に飛んでゆき、ご挨拶をさせていただきました。
名刺をお渡しして先輩のご研究をお聞きして仰天。
北大の名誉教授で経済学の大先生でいらっしゃいました。
石垣博美先生とおっしゃいます。
そのお席で
「あなたのお話はとてもおもしろかった。
いい仕事をしていますよ。
どんどんあちこちで話なさい。アメリカ人にもね!」



先生のお席の隣に真っ赤なグランドピアノがあり、
こおろぎはそのピアノの赤い色がウルウルと見えました。


論文も書けず、本もまとめられず、学会にも行けず、
何一つ褒められるもののない自分の仕事・・・

小さい体をドンドン小さくしていたこおろぎでした。

その肩を
初対面の
石垣先生がポンと叩いてくださったようで


42歳で大学に再び戻り、やっと取った博士号も
関西から北海道に帰ってからはなんの役にもたたず、
生活美学も
被服学も
全く通じない世界で
心細いこおろぎでした。


でも
「あなたはいい仕事をしていますよ」



この言葉だけでこおろぎは充分です。



帰宅後調べて驚きました。
石垣先生は大正12年2月生まれ。86歳。
お話ぶりは20歳以上お若かったです。

その後、お開きまでに
こおろぎは何十枚も諸先輩からお名刺を頂戴しました。
数式を使って日本の間を考えたり、
料理の盛り付けとファッションをいっしょに語るなど
尋常ではない内容だったにもかかわらず
ぜひ、あらためて講演を頼めないかというお話や
食のお仕事を・・・というお話、
恐縮しました。


スクリーンで見たものをコピーしてもらいたいという
方がたも大勢いらっしゃいました。
すかさず、経理がご専門の先輩が
価格設定しましょう、と申し出てくださったり。


札幌同窓会はこおろぎにとても優しい時間となりました。


生きていてよかった、
いい学校を卒業して本当によかったと
初めて思ったのでした。


こおろぎを、高校卒業以来、一度も出たことのない同窓会に誘ってくださった
28期の皆様、本当にありがとうございました。
ご依頼15分の講演は
こおろぎに「卒業」という区切りをくれました。
はからずも、仕事を整理する形になりました。
心から感謝いたします。


帰るとき、再び
大勢の方がたとお話できました。

そのうちのお一人は
大正13年生まれの牧師さんでした。


「荒井さんの間(MA)のお話はおもしろかったですよ、
日本人が好きなその、間合いというのは、あれは宗教なのですよ・・・」


ああ、またまた素敵な大先輩にお会いできました。
すでに引退されているとはいえ、時々は教会でお話されるとか。
宗教に無縁のこおろぎですが


こおろぎの滅裂な話をしっかりお聞きくださり、
いい着眼です、とお褒めいただきました。


そうそう、東京同窓会からかけつけていらした弁護士さんは
私の言うところの間合いは、まさに落語の間合いと同じだと
そこのところも研究してみては、とアドバイス
これもまた感動でした。


大学で研究をされている女性の後輩たちにも
お声をかけていただきましたし、


幸せな日曜日でした。




この写真は、今日、京王プラザでもお見せした
生活美学のクラスで以前盛り付けたものです。


やっぱりこの間合いは美しいです。


こおろぎ、
がんばれそうです。



86歳の石垣先生は
乾杯のとき
「まだ死なないような気がしています。これからも毎年来ますから」と
ハリのあるお声でおっしゃっていました。

85歳の牧師先生も
そのうち、いろいろお話しましょう、とお誘いくださいましたし
中国の調査ならお手伝いできる、とおっしゃってくださった
大先輩も何人かいらっしゃいました。


こおろぎは
まだまだ若輩。



85歳までは
全くあんじることなく、
前進し続けましょう。
そして
若い人たち
応援しましょう。


校歌を歌ったとき、
こおろぎは2番が歌えませんでした。


涙があふれてしまったのです。
母校、あまり好きではなかったこおろぎです。
勉強もせず、ダラダラ通った高校でした。
でも
この高校に守られてきたのだということ、
実感しました。


集まった名刺を抱きしめて
こおろぎ、がんばります。


お教室も大学も
こおろぎに出来ることはなんでもしましょう。



お酒飲む時間をちょっと割けば、なんとかなろうというものです。



荒井三津子、
本日、15分間の講演で

すっかり大変身いたしました。

大学の講義も
お教室のレッスンも
ガラッとかわるはず。


乞うご期待。


といいつつも、台所は食器の山
寝室は洗濯モノの山
目の前には支払いの山。

ああ、ああ、ああ・・・


ま、なんとかなります。

こおろぎ組に
強い強いパワーを送ります!

今日は笑顔の法則のお話もしましたが
笑顔で、素敵な一週間を!


追申:小さい写真は昨日のスープカレー教室様子です。
函館新聞の今回の連載、きれいな写真載せました。ぜひご覧ください。
先日書いた、キッズクラスのことを書きました。
そしてホームページの表紙も、管理人みのりちゃんが多忙な中、更新してくれました。
爽やかなフルーツ、いい季節ですね。
今月のお教室のデザートはフルーツにしましょ!