行儀を考える・・・



昨日のブログはお相撲に興奮したものでした・・
失礼しました・・・が、



アサショーリューの優勝を受けた夕べと今朝の番組は
予想通り。


そして
「土俵でのブイサインはやめるべき」という
トンチンカンな意見も大声で聞えてきて
日本の限界を見ました。



相撲道に反するというのです。
横綱としての品格は
喜怒哀楽を表すべきではないのだそうです。

ふーん。


喜怒哀楽、表してはいけないと
規定があるのかどうか
こおろぎ、調べてみることにします。

くやしそうに
唇をかんでもいけないということなのですね。
痛みに耐えて顔をゆがめてもいけないということなのですね。



わからなくもありません。
しかし、
喜怒哀楽を表してはいけないのなら
何の何条の何に反するとして指導すべき。
不文律の「常識」ならそれなりに
指導をすべき。
今、この時に言うべきではなく、
23回優勝するずっと前、一回目の優勝で
デッカイ釘を刺せばよかった。
ここまで強くなってしまって
言うことをきかなくなった力士に
これってごまめの歯軋りです。



そもそも
「期待」が不思議。
○○は××であるべき・・・。
この期待、多くの場合、トラブルを生みます。


こおろぎが育った大学では
化学薬品を使わない学生は白衣など着なかった。
昆虫学でこおろぎを扱っていたので
衛生を重視することもなかった。
なのに、
同じ研究をするのに
北海道大学に来たとき、
はっきり申しましょう、北海道大学に研究生で来たとき、
こおろぎは
白衣を着ないということはやる気がないということですね、と
猛烈に叱られ、
白衣がなかったのでエプロンをしたら
ふざけているのかとさらに叱られた。
マニキュアも不真面目の証拠とされ、
笑い声さえ
真剣味欠如を指摘された。
たしかにダメな学生でした。
しかし、
研究者をめざす態度かそれが!
という視線は
鋭かったですね、大昔ですけどね。


ま、いいです。
土俵のお行儀をいうなら、
顔をバンバン叩く力士がいました。
おなかをバンバン叩く力士もいました。
どっさり塩を撒く力士もいました。

彼等はいいのですか?
ちゃんと負ける弱い力士は問題にしないということでしょうか。


たしかに、アサショーリューのアクションは大きい。
感じ悪いなーという場面は多い。
それをこおろぎは冷静に分析したいと思います。
なにがいけないのか。
感じがいいということは
どういうことなのでしょうか。


「こらえる」こと、
「みせない」こと、
これが美徳だと
今の相撲界が言うこと自体、
滑稽なので
こおろぎ、こおろぎの視線で考えていきたいと思った次第です。



ブッシュ元大統領の最後の演説のとき、
最前列の、ブッシュさんから2,3メートルのところに
座ってる皆様、足を組んでましたから。
これ、無礼ですか?
無礼ではないのです。
そのブッシュさん、地元に帰って最初の演説のとき、
隣の奥様、コートのポケットに手を入れたままでした。
これ、無礼ですか?
無礼ではありません。
ダイアナさんもだれもかれも、
足を組み、肘をつき、帽子も被ったままで
これ、だれが無礼だといえるでしょうか。

こおろぎのママは
オバマさんの演説のとき、テレビを見ながら
「みんなコート着たままなのねえ・・」とため息。
ママ、寒いんですから・・・外ですから・・と
説明。
これ、言いえて妙な発言でした。



お国柄、ということで片付けてはいけない。
人としてのルールもあるはずで
お国柄とは別のルール、そこをまず知りたい。
アメリカではいい、とか日本ではだめ、と言うとき、
そこになんのワクがあるってんでしょうか。


こおろぎ、若い頃、パリのデザイン学校に何度か行きましたが
先生は素敵でしたね。
机に座って足を組んでワインのみながら教えてくださった。
これ、無礼ですか?
生徒もまた姿勢グズグズで、でもしっかり学びました。



こおろぎ、ペットボトルが日本を滅ぼすと実は思っています。
みんな持参する。人前でも「マイボトル」平気でだして飲む。
「自分のお茶もってますから」と
いつごろから日本人言うようになったのでしょうか。
ビンのまま、飲み物飲むのは、もっともお行儀が悪いことではなかったのでしょうか。
ラッパ飲み、という言われ方で
それこそ下品の極みでありました。

会議の場にペットボトルが用意されるようになったからとて、
それをそのまま飲んでいい理由はない。
訪問先に用意された飲み物を辞退して持参したものを飲む、
これ、かなり「無礼」ではないでしょうか。
さらに、
「他者の領域」で携帯電話に出ること、これも日本的には「無礼」。
あくまでも「他者の領域」であり
自分が今対峙している相手をさえぎる行為の場合です。



考えれば
何が無礼でなにが礼に反するのか、
その基準は難しい。


近年、こおろぎがデッカイ声で言っている
真・行・草、の思想、
内と外、表と裏、
そして体軸と対象性の問題、


これを冷静に考えていきたいと思います。

感情論で好きか嫌いか、とか
「昔からそうだ」とか、
「本来そうだった」とか
「そうあるべき」という
まして「日本の常識」
そんな言い方では
次の世代は納得などしません。
うるさく言うなら、
説得力ある法則と裏づけを用意したいものです。
ましてヨソの国からきた人など
分かるはずはないのです。


朝から考えるこおろぎ、
うわべのお行儀論を反省、マナー論も反省、
おもてなしとか作法とか、
そんなことも本気で考える時が来たというこいとです。

世間とは何か、という社会学的考察も
待たれます。
オバマ夫人のドレスを見てすぐに
英国王室のイメージの踏襲だと思ったこおろぎ、
オバマさんの演説がそれまでの攻撃的、積極的なインパクトを
押さえていたこととともに、
保守的なイメージを守ったことが気になりました。
かなりうるさいパーツの集合の洋服でしたが
それでも遠目に伝わるトータルなイメージは保守的。
イザベルトレドのtoo much なデザインなのに、
これ、本当に大統領の演説と重なりますね、こおろぎには。
一杯詰まってるけど、目の前の試練を予想すれば
とりあえず無難に押さえて敵を最低限に・・という姿勢。
その意味では
あのスピーチライター同様、夫人のアドバイザーも
したたかな才能を持っているといえるのかもしれません。


1月の終りの週、風邪などひかず、
こおろぎ組のみなさん、
どうぞお大事に!