まんじゅう怖い・・・・・

madam-cricket2009-01-03


できるならばご飯など食べないで
ズーッと本を読んでいたいこおろぎでした。


朝から顔も洗わず、掃除もせず、ただずーっと
パソコンとティーテーブル2つに本を開いて
ただひたすら
日本中のだんご、ちまき、まんじゅう、おやき、おはぎを調べている
こおろぎ、
これって異常といえば異常かも。


「おかあちゃま、お勉強終わった?」
とコロ介。
これってどお?
「コロちゃん、お勉強終わった?」と
母が言うべき台詞。
思えばこおろぎの子育てはズーッとこうでした。
母は娘達のお勉強より自分のお勉強で明け暮れていたのでした。



目下、中国の云先生の調査報告を待っているのですが
日本の冠婚葬祭と年中行事のお菓子、もっともっとあるかと思ったけれど
意外と少ない。
もち米の粉と米粉のお菓子ばかり。そして何かの行事のための
お菓子、というのは特にな,い。

基本の米の粉を
お正月、地域の神社の祭りや講、
ひな祭り、端午の節句、七夕、お盆、春の彼岸、秋の彼岸と、
形をちょっとずつ変えて登場させるだけ


農耕が基本の暮らしでは、それが当然といえば当然。

高級品の砂糖をたっぷり使った甘いあんが入る。
ものによっては塩も。


緑はほとんどがよもぎ
ほかにも香る葉はあるのに
全国よもぎ
赤は着色。
おもしろいわねえ。


柏餅といいながら、柏の葉よりサルトリイバラが多い。
サルトリイバラってサンキライのこと。
クリスマスに良く使う、あの赤い実のサンキライ。


小麦粉使う饅頭ももちろんあるけど
やっぱり米粉ともち粉が主流。

赤や緑や、黄色に着色して
椿や菊など花の絵を描くものもあって
そういうものは仏事や花祭り用が多い。
花祭りはお釈迦様の誕生日。
亡くなった日を祀るお菓子もあって、
それもカラフル。
まさに中国から来たままかも。



ひな祭り用もカラフルなお菓子少しだけあるけどね。
ひな祭りは「桜もち」と「うぐいすもち」なんて
教科書には書いてあるし、私もそう思ってたけど
そんなものどこにも登場しない。
どこにもどこにもどこにもです。

都市のお菓子屋が「近年」の和菓子である
さくら餅とうぐいすもちを、
「ひな祭り用」として売っただけなんだわ、
お菓子としての歴史、全くない。
これって
恵方巻きと同じ。

でも菱餅はある。だってお餅ですもの。
「あられ」もあった。
これもお餅ですもの。
お正月のお餅を干して作るのが原点。
節分のお豆とかね、そんなすべてを大事に
次の行事にまわしてきたのかもしれない。
日本中の行事のお菓子を概観、俯瞰して、
ただただ感動。


おはぎを代表にお彼岸のお菓子風あんモノはたくさんあるけれど
日本人は「今」を大事にしてきたのかもね。



そうか、祖先より「今」か。
これ、中国との大きなちがいかもしれない。


と、
まんじゅうやらおもちの絵や作り方で
頭がごちゃごちゃのこおろぎでした。
改めて思うのよ、「むかしから・・」ということの空しさ。
常識とか「普通はね・・・」という一般化の
ウソっぽさ。
だってね、思えば砂糖だってなかったわけだし、
よーく考えたら、ひな壇だってなかったわけだし。
大事なのは生活圏の文化だったはず。
その生活圏に「ワク」がなくなったとき、
商業主義が一気に活気づいたってことかしら。
地域社会と家庭の求心力の減退が
生活方法のハウツーを求めて
マナー本が売れ、食に関しても「ご提案」を
鵜呑みにしてきたのかも。


まんじゅうこわい・・という落語ありますが
まさにそんな感じ。
頭の中がまんじゅうとだんごだらけ。


今年は各地にこおろぎ、参上します。
どうぞみなさま、こおろぎに土地のお菓子を教えてください。
生活に根ざした「おやつ」など、
普通に暮らす人の普通の「お茶請け」教えてください。
そんなところから、
ちょっとずつ、いっしょに生活すること、生きること、
考えていけたらいいなあ・・なんてね、
思ったりしてるわけです。

写真は2枚とも、本日の夕食の器。
美しすぎるってもんでしょ。
これが私たちの国の器です。



そんな1月3日でありました。