発見

madam-cricket2008-11-22


20日、函館イブニングコースでした。
みなさんご立派。こおろぎ自慢の生徒さんたちでした。
クリスマスの準備開始。
ヒムロ杉、ヒバ、染色枝、木の実、ウンリュウヤナギ・・・
手のひらに乗るような小さなオーナメント作りのコツを
あっという間に習得。
小さければ簡単、というものではありません。
大きい作品の方が簡単だと思うことも多いです。



さてこおろぎ、ダウンするわけにはゆかず、こおろぎ組の
末長い繁栄のためには健康第一。
ガラスの扉に激突してる場合ではなかったのです。


持病の首の痛みと頭痛もあって
久しぶりに脳外科の主治医を訪ねてきました。


ああ、何が怖いといってこおろぎは閉所が嫌いです。
MRIはしたがって大の苦手。

事前にいろいろ聞かれます。
看護師さんに
「ペースメーカー入ってますか?」
「いいえ」
「体に金属はいってますか?」
「いいえ」
「閉所恐怖はありますか」
「はい、何度か具合が悪くなりました」
「妊娠している可能性ありますか?」
「ひゃっひゃっひゃっ、あると思います?」
「・・・・(ムッ)・・・ありますか?」
「ひゃっひゃっひゃっ」
「ないですね!」
「ふあ〜いっ」
「刺青ありますか?」
「え?」
「刺青ありますか?」
「薔薇ですけど・・・」
「え?」
「小さいですけど」
「え?」
「背中の龍は結婚するとき消しました。」
「荒井さんっ、もう一度聞きます。刺青あるんですかっ!」
「小さい薔薇・・・あのー小さいですけど・・・
  す、す、すみません。ウソです。」
「こちらへどうぞっ!!」



MRIに刺青だめなのは知りませんんでした。
そして、この段階で看護師さんを怒らせたので
こおろぎが
閉所恐怖でMRIのトンネルに入るたびに具合が悪くなる、という
本当の大問題をまともに取り合ってもらえないという
大事態になったのでした。


技師さんに
「あのー、看護師さんに伝えたのですが、閉所恐怖なんですが」
「それで?」

あら、技師さん、看護師さんから何をどう聞いたんでしょうか。
とんでもない不真面目な患者が来たと伝えたに決まってます。
院長の知り合いだけど、コイツのいうこと、まともに聞くなと
伝わったに違いありません。


「あのね、怖いと思うから怖いんですよ。
検査できませんよ、永遠に」


なんと冷たい言い方。
「調べたいんですよね、心配なんですよね、
診て欲しいんですよね、先生に。
だったら、15分くらいじっとしててもらわないとね、
この中で息絶えた人いませんから」


ああ、ああ、ああ・・・
薔薇の刺青のせいだ、すべては刺青のせいだ・・・・


「私が息耐える第一号になるかもしれません・・・」
と精一杯抵抗しましたが
ものすごいデッカイ技師さんが
あっというまにこおろぎの頭を押さえて


「大人ですからね、我慢しましょうよ」


いやあ、辛かったですわ。


たかが15分、トンネルでじっとしているのって
これ、落ち着きのないこおろぎには大苦痛。




しかし、こおろぎ、耐えました。閉所克服。



そしてご報告。
こおろぎ、頭強打は問題ありませんでした。
このトシで脳にシミ?もなく、立派な脳だと太鼓判。
しかしながら小さな異物が発見されました。


脳外科の神の手、F先生のお友達であるM先生と
パソコンでこおろぎの脳の血管を見ていたときです。
とにかく今の技術は驚異です。
ひゃー、本当に、スゴイんです。


M先生、「あ、見つけた、ほらっ」
「あら、なんです?」
「コブ」
「昆布?」
「コブ!」


こおろぎの脳の写真のコピーに
「左なんとか動脈にチビ瘤」と書いてくださいました。
大げさに言えば動脈瘤が発見。
しかし
このカタカナの「チビ」という文字が
こおろぎを救ってくれました。
「チビ瘤」ってものすごくかわいい言い方です。
これぞ名医の表現です。
大感動。



このくらいのチビ瘤があっと言う間に大きくなったり
破裂することはまずないそうで、
もちろん治療対象でもないとのこと。
しかしながら半年に一度は検査必要とも。


持病の首の痛みも頭痛も
なんとか快方の処方。


大満足で待合室にいたら

さっきの看護師さんがやってきて
隣にぴたっと座ったのです。
手には
「脳動脈瘤を指摘された方へ」という説明書。

急な温度変化、適切な運動、太りすぎ注意、睡眠と休養、禁煙等
一般的な注意事項を説明。
でもイチイチ大問題のような言い方。
お気の毒に、動脈瘤が発見されたのですね・・・
本当にお気の毒、いつ爆発するかわからないので
どうぞお気をつけてお過ごしください・・という感じ。
これ、絶対に刺青のリベンジ。




「お酒は、日本酒なら100ml、ビールなら500ml、ウイスキーなら
ダブル1杯までなら問題ありません」とのこと。

「日本酒とビールとウイスキー、そんなにたくさん一度に飲めません」
と答えると


「ちがいますっ、一度に、ではありませんっ、日本酒だけ飲むときなら・・・」

ああ再び美人の看護師さんがムッとされたのをこおろぎ見逃しませんでした。



何はともあれ、こおろぎの脳外科検査は終了。
どうぞ、みなさまも
ご心配の向きは検査検査。
生き物ですから、どこかになにかのトラブルはあるものです。
でも予防できるものならしたほうが周囲の人のためなのです。



そうそう、
[命の授業]を続けていらっしゃった山田泉先生が他界されました。
乳がん発病のあと、すばらしい授業、講演等を続けていらっしゃった
女性です。まだまだご活躍、いえ、これからこそ、予防の大切さも含めて
大きな力を発揮していただきたかったのですが、
多くの感動を残して旅立たれました。
彼女の言葉のなかに
「人と過去はかえられないけれど、自分と未来は変えられる」というのが
あります。


本当に重い言葉です。
そして本当にすばらしいことばです。
夢ばかり語って、一歩も前に進めない
現代人に
愚痴ばかり言って
一歩も前進できない現代人に
本当に重いことばです。

人生に限りがあることを痛感した人だから
言える、深い言葉です。



それに引きかえ、脳外科でのわずかな時間さえ、
じっとしていられず、
軽い軽い存在で、看護師さんや技師さんにご迷惑をかけました。
今後半年に一度の検査のたびに、
この方がたにお世話になるかと思うとシュンとしてしまいます。
自業自得。
反省するばかりです。


3連休、残念ながらこおろぎ風邪気味。
なにかのバチに決まっています。
クリスマスツアーの準備と
書き始めた論文の準備をすすめながら
休養しようと思います。


こおろぎ組、すべてのみなさんに
素敵な週末でありますように!