教育の限界

madam-cricket2008-06-27



大げさなタイトルだこと!

でも思うのよ、学んだらなにかができるとは限らないってね。

一生懸命やったからといって
できるとは限らないってね。


新装開店したレストランに行った。
お料理は変わったけど、さて従業員は前と同じなのでしょうか。
こおろぎは何年も前に行っただけなので記憶はないのです。

でも
せっかくなのに、
せっかくのお味なのに
せっかくの場所なのに
と、
こおろぎは思った。


バイキングスタイルのディナー。
なかなか素敵なメニュー。
ちょうど短大でサービスとマナーのあたりを授業で扱ったあとだったので
オードブルはどちらですか?とこおろぎは聞いたのです。
バイキングというか、ビュッフェというのは
ずらっとお料理が並んでいるのですけれど
どこからとってもいいというわけではなく、
ちゃんと冷たいオードブルから順に並んでるはず。
でも見るとあちこちにお料理が点在。炭水化物もあちこちにあるので
質問したところ

「お客様、こちらはバイキングです」
と一言。

見りゃわかる。

「どこからスタートしたらいいんでしょうか?」と
笑顔を保って聞いたら

「ですからバイキングなので、どこからでもいいんですよ!」
とぴしゃりといわれた。


どーです?この答え。


おっしゃるとおりビュフェですからね、どこでもいいっちゃいい。
でもね、料理は作り手がいる。
作り手は作ったものを美味しく食べてほしいに決まっている。
動物のえさじゃないんだから
お腹いっぱいになればいいってもんじゃないでしょ。


こおろぎは残念でした。
サミットなんてのを記念したお料理なのに
カレーライスの隣にアイスクリームがあって、
冷製オードブルの隣にデザートが並ぶのはおかしい。


もっとおかしいのはシェフが出てきてサービスの黒服さんとお喋りしていることで
並べ方がおかしいことに気がついていないのも
お客の前で私語ってのも
おかしいでしょ。


テーブルサービスでお肉が出てきた。
「○○豚のなんとかソテーでございます」と言う。
思わず、こおろぎが長いこと食べたいと思っていた
道南の幻の豚肉かと思って
産地はどこですか?どこの豚ですか?と喜んで聞いたら
「さー、分かりません」と一言。

頭にきた。

キキは居酒屋でアルバイトしている。
整形外科だの応用微生物学だのとおなじくらい居酒屋のメニューや
カクテルの勉強をしている。オーナーから出される宿題があるらしい。
お客様に聞かれたら必ず答えられるように、というサービス業の
当然の義務である。


こおろぎも授業でそう指導している。

なのに、
「さー、分かりません」って
なんだそれ?


「お調べください」とお願いすると
不満そうな顔だった。


それからややしばらくして
こおろぎがデザートを取りにいったとき、


黒服のリーダーさんが
やってきて
「八雲の豚です」と一言。
がっかり。

八雲の豚はどこでも売っている。
ではなぜ、○○豚の、と言ったのだろうか。
とても美味しい豚だったので聞いたのに。
こおろぎはその八雲の近くの
なんとか牧場の豚がすばらしく美味しいと
聞いたことがあるのだ。
そのあたりのことが知りたかったのに。


要するに答えがでるわけです。
社員が商品を愛していない店であるということがここで分かる。
従業員がお客のために動かない店であることがわかる。
従業員の指導、教育をしていない店であることがわかる。



プンプンしていたら
ごいっしょした某先生が
「先生の気に入るお店ってなかなかないでしょう?」と笑った。
そんなことはない。たくさんある。
どっさりある。数え切れないほどある。


そしてタマーに、こういう店に出会う。


残念である。
美味しいのに、
本当に残念。


だんだん気難しくなってきたのかしら、私。
いや、なんとかならないものかと思うのよ。


でも・・・
こおろぎのこの「がっかり」はもしかしたら
このお店のトップに届いてしまうかもしれない。
同行した某大先生がこおろぎの不満を伝える可能性は大きい。
伝わったら伝わったでいい。
お客を馬鹿にした接客は断じて正すべきだと思う。

ああトシをとった。

こおろぎ、片道5時間かけて仕事に行く日がある。
往復10時間かけて3時間講義をする。
その緊張した時間の合間、せっかくの食事時間に
適当な扱いをされると
情けない。
同行してくださった某大先生など
日本を代表する食物学の大家である。
でも彼女は終始笑顔。
「こおろぎ先生は厳しいものね!」と笑われるばかり。

こおろぎは
人間ができていないので
この大先生のためにもハラがたつ。
先生はこの店のマネージャーとも親しく、
だからこそ新装したからと私をさそってくださったのだ。


と、
カレーライスのとなりのアイスクリームとか
豚の産地とかで腹をたてるこおろぎですが


その場で一人上機嫌の人間がいた。
何十日ぶりかで中国から帰国したカブトムシである。
空港からこの会食にかけつけた。
とくに呼ばれたわけもないのに
匂いに引かれてやってきた。
先に来て待っているという周到さ。
遠くにカブトムシを見つけたときあまりのでかさに愕然とした。

広い店のはるかむこうに
デッカイかたまりが聳え立っていたからだ。

あまりにでかくて
飛行船かと思った。
ナマズだなまこだ、チョウザメだ、鯉だ何とか鳥だと
食べっぱなしだったらしい。


「三津子さん、いいじゃありませんか、美味しいんだから!」
とカブトムシが言えば
「そうよね、おいしいから、いいのよ」と大先生。


ああ、心の小さいのは私だけか。
こんなことで街の将来を憂い、観光都市の未来を絶望するのは
私だけか。

その後ヘトヘトになってまた5時間かけて家路についた。


写真はお友達にいただいたジャム。
函館のお菓子屋さんの逸品。
朝日の中であまりにきれいで写真を撮った。
函館には素敵なモノがたくさんある。
素敵なひとがどっさりいる。

だからね、
豚の産地はちゃんと調べましょうよ。
オードブルからデザートまで
それくらいちゃんと並べましょうよ。
そして
従業員同士のお喋りは絶対にやめてください・・・。


函館はこおろぎの生まれ故郷なのですから。

5時間かけてこれからもせっせと通いますから・・。

さて、週末にかけてビッグイベントが続く。
これを終えたら、次のステップ。
東京、関西方面へ、突然参上する予定です。


飛行船のようになってしまったカブトムシは
もう少しで破裂するのではないかと心配です。
そしてこおろぎのママの脚の激痛は全く快方に向かいません。
これでもこおろぎにはたくさん心配ごとがあるのです・・・。
しかたがないので
鼻歌うたってお掃除することにします!