陰陽・実にまったく!

madam-cricket2008-06-01



写真は土浦教室のOーj子さんの「おもたせ」のケーキ。
素敵な包装でお持ちいただいた。
お味はもちろん最高だった。
ごちそう様でした。



人間、頭かかえるときもある。
こおろぎ、ちょっと、ぐっと考えこんで反省した。
頼まれたような頼まれないようなことは
二度としない・・・と思う場面があった。


良かれ、と思ってやっても、結果がよくなければどうにもならない。
こちらが善意でも
相手にとってどうかは別問題。
結果が満点なら感謝されるけれど
予想外だったら
余計なお世話とかおせっかい、ということになる。
まったく稚拙な反省をした場面があった。



さらに、
油断はできない、というシンプルな反省もした。
具体的には書けないけれど
そうだわね、たとえば
3年前のお教室の20周年記念のパーティーを開いた時のこと。
お料理は何度も何度も打ち合わせ、素材からソースの色まで
大変申し訳ないことに、某ホテルの総料理長にお聞きして
変更をお願いした部分もあった。
盛り付けを変えていただいたりもした。
さらに食器に至るまで
ああでもない、こうでもない、とお願いを続けた。
大変無礼なことをしたと思う。
だけど、だから大成功したと思っている。



たとえば
接待のとき、お料理の相談を綿密にして安心していたら
イザ、というとき唖然とする、ふつりあいな器で出てきたらどうだろうか。
たとえば、
お花を頼んだとする。まさか、そんな紙で包み、まさかそんなリボンをつけるとは思わなかった、ということもあろう。

以前、安心してお花のアレンジメントをお願いしていたお店が、
とんでもないネームスタンドやカードを使っていたことが
後日わかってがっかりしたことがある。


つまり、
やっぱり、気になるところは
すべてチェックすべき、確認すべきだと痛感したのだ。
お任せできる、信頼できる、と思っても
あとでがっかりしたくなければ
「うるさい客」であるべきなのだと
そう思う場面がこの週末重なった。


なにかとのんびりしたはずだけれど
考え込むこともあった週末、
こおろぎは大好きな古本屋さんに行った。
エリゼ宮の食卓」、「植物と行事」、「『おたく』の精神史」という
3冊を購入。
こおろぎの沈んだ気分が選んだ3冊です・・・。


見切り発車とか、
結果オーライ、
なんて言い方をするけれど
大人は大人のやり方をすべきだわね。

誰かに任せたのなら
がっかりしない方がいい。

がっかりするのがいやなら
うるさいほど確認すべきなのだ。


まあ、いつまでたっても
反省反省、後悔後悔の日々。



と、
暗い気持ちで1週間をスタートするのかと思ったら
いやー、人生、プラスとマイナス、陰と陽は見事に背中合わせ。


コロ介と夕飯食べに行った店で
想像も筆舌も超える人たちに遭遇。


広い店なのに満席。
あろうことかこおろぎたちのテーブルの右には
音楽室のモーツアルトの絵とまったくおなじ洋服の男性とフツーの女性のカップル。
左には椅子にあぐらをかいてしまった、かなり安めのキャバクラ勤務風の堂々たる
若い女性と国立大学の数学科かと思うほどまじめな優しそうな青年のカップル。
それぞれの会話が全部耳に入って
こおろぎとコロ介は、両耳がダンボ。


落ち着いてパスタもピザも食べられない。
そもそもモーツアルト、なにがどういう理由で
胸にヒラヒラついたブラウスに袖グチの広いスーツなの?
ああ、その胸のヒラヒラを留めているブローチは
ロシア皇帝からいただいたものなの?
ああ、ああ、なにゆえに、その薄いピザをナイフとフォークで小さくたたんで口にはこび、ワインも美味しい店で、水を飲みながら、マナーと洋服の関係だの、
中華料理の話だの、同人雑誌の話だの、毒キノコの話だの、滅裂な話題を
デッカイ声で語るんでしょ。


お連れの女性、フツーのファッション。なんなのこのミスマッチ。
モーツアルト、なにかの舞台の帰りかしら。それ、舞台衣装ですか?。
もー、コロ介は笑い転げて、パスタはこぼすし、手元はくるうし、


反対側のあぐらかいてるキャバちゃんは
なにがどうしたもんか、スーパーマリオとアホなお客の話に夢中。
これまた、パスタ食べる右手の肘が肩より高くあがっちゃって、
脇が90度あく。気になってしかたがない。もちろんズルズル音をたてる。
数学科は上手に、ホント、品のいい食べ方。ママとパパが大事に大事にそだてた自慢の一人息子に決まっている。白地に紺のストライプの真面目なシャツが育ちを物語ってる。ああ、そのパパとママがこの場面みたら、二人とも救急車で運ばれる。



ケッサクだったのは右のモーツアルト
いい洋服を着ると、よごしたくないから食べるマナーが身につくんですよ!
こんなヒラヒラしたスカーフが何枚も胸にあると、よごしたくないから姿勢もよくなるし品よく食べられるんです!
とデッカイ声で言ったとき、

左のあぐらのキャバちゃんが、脇を90度あけたまま、
「そーだよねーっつーかんじ?なるほどねーってか?
あたし、よごれんだよねー、コーユーのたべると。があっはっはっ!」
と無防備に反応した時でした。

報復絶倒、こおろぎ、化粧すべてはげおちるほど
笑いました。大声で笑えないから涙涙でした。
摩訶不思議なモーツアルトが、私達のテーブルを越えて
あぐらキャバちゃんにマナーを教えた瞬間でした。


このあぐらちゃん、
数学科に山のようなプリクラ見せてました。
いやあ、すごい化粧なんですわ、彼女。
今はなき、ヤマンバメイクの改造版。
数学科は嬉しそうにそのプリクラ見てるわけ。


コロ介が言った。
「おねえちゃんと私には、ボーイフレンドいないのに!」
そうね、まったく。
でも、不細工シスターズ、そうとう個性強いと思ったけど
モーツアルトやあぐらキャバちゃんに比べたら、私達など
地味地味。個性なんて何もない。着てるものも髪も化粧も
人間性も生きかたも、個性のみじんも持ち合わせない母娘ですわ。




こっそり写真撮るわけにもいかず
ただただ笑いをこらえて耳はダンボで両側の話題を楽しみ、
ヘトヘトになった母と娘。
テーブルを立つとき、眉間にシワ寄せて正しい坦坦麺の食べ方を
力説していたモーツアルトと目が合った。
あわてて背中をむけたけど後頭部に痛いほどモーツアルトの視線。


店を出たらコロ介がまた笑い転げる。
モーツアルトが、モーツアルト
フォーク手にもったままおかあちゃま見て口あんぐりあけて言葉なくしてた!ヒャーっツ、モーツアルト、おかあちゃまのこと穴あくほど見てた!ひゃっひゃっひゃっ!負けたと思ったのかなー、ひっひっひっ!」と無礼。



モーツアルトに何か話題を提供したのだろうか。
あー、怖い。
もしかしたら、あぐらちゃんと数学科も
世界史だの物理だのの話しながら楽しそうな不細工母娘の
話してたかもね。
「チョーむかつく親子なんですけどーっ」とか
「ぶっさいくな親子なんですけどーっつ」とか
その両方とか。



ま、悲しいこと、反省することどっさりあったあと、
信じられない人たちの、信じられない会話と情景に遭遇し、
こおろぎとコロ介、すっかり生きるエネルギーを得たしだい。
笑うということは最高のエネルギー源。


今日の収穫は、チョー気取ってたモーツアルト
ひどい北海道弁だったことと、あぐらちゃんが
ナマハゲをお手本にしたとしか思えないほど立派なメークしてたこと。
そして彼女は数学科を相手に
「チョー食べずらいんですけどー」と連発しながらズルズルパスタたべても、
数学科は本当に、ナマハゲを愛しそうに見つめて幸せそうだったことです。
ああ、世の中、わかりません。
人生は多様です。
あなたの不幸は他人の幸せかも知れず、
今の不幸はいつ幸せに変わるかも知れません・・・。
本当にわかりません。

ちょっと内容の重い本3冊買って読みふけってたこおろぎが
コロ介とでかけた店で、すっかり回復したのですから。

人生、陰と陽、バランスです。
今悲しくても、明日はお腹抱えて笑う幸せ、やってくるかも。
こおろぎ、反省は反省として、今後に生かして、
やっぱり楽しいことさがして暮らすことにします。


また1週間、ケセラセラ
こおろぎ組に幸あれ!