取り乱す私・・

madam-cricket2008-05-13


生物学に関しては、日本人の平均的知識量より、こおろぎはかなり
たくさん知っている・・と思う。
美と健康についても、こおろぎと同じ年齢の人たちの平均的知識よりは
冷静に判断できると思っていた。


だのに、だのに、
人間は弱い。
本当に弱い。


大学ではフードファシズムなんて現象を批判し、
○○をたべたら便秘にも下痢にも効くとか
△△は「カラダにいい・・」とか
□□を食べると「万病」に効くとか
美容にいいとか、癌にならないとか
果ては治ったとか。
××は不老長寿にいいとか


「植物性」とか「天然」とか
「自然」とか「イオン」とか
全くわけがわからない「マイナスイオン」とか
「ナノ分子」だとか


ああ、COQ10に踊ったのはいつだっただろか。
すでにビタミンCなど古い、古い。
ヒアルロン酸なんて、なんだかわからないのに
女性はみんな信頼し、
今はコラーゲン。


こおろぎ、ウスウス思ってました。
いえ、実ははじめからちゃんと知ってました。
知るというより
識ってる、とあえて書きたいほど、
コラーゲンというのを「飲む」ことの効果、
それも顔面の表皮に「効く」ことの「ありえなさ」を
14年も大学に学生として通い、今は大学のセンセーしてるんだもの
知ってるさ、そりゃー知ってるさっ!


だのにです、コラーゲン飲料にすっかりはまって、
いったいいくら使ったというのでしょうか。


懺悔、懺悔、懺悔!



今、生命科学の授業を2コマ受け持っていますが、
理学療法作業療法看護学、外国語学部の学生さんたちの授業では
福岡伸一先生の新書「生物と無生物の間」をサブテキストにしていて
健康栄養学科の学生さん用には日高先生の新書「人間は遺伝か環境か」を
使っているのです。日高先生の新書は実に平易な文章で、それでいて奥が深い。
一方、福岡先生の新書はやっぱり難しい。56万部売れてるというけど、
56万人が理解できるとはとうてい思えないんですけど・・・。
まあ、でも先生の文学的表現と記載は興味深く、その部分の魅力はとても大きく、
福岡先生の「冷静さ」は実にまったく知性の極地なわけで
その福岡先生、某週刊誌の対談で語っていらっしゃったのです・・・・。



コラーゲンはどんなアミノ酸からでも作れるもので、不足したら体が「自分でつくる」わけで、その力がなくなるのが「老化」。老化したから不足分を外から補う、というのはありえないというような内容です。


要するにタンパク質だから口から入れたら消化されて
また普通のアミノ酸になるわけで、それだけでなく、消化されにくいから
ほとんどが排泄されるという、事実。


ああ、当たり前なのよ、そんなことくらい、こおろぎ百も知ってるのよ!



普通の食生活をしていたら人間に必要な栄養素が不足することなどない。


そんなことも知ってる。
でも「フツー」じゃないんじゃないか・・・という不安から
サプリメントに手がでる。そこにビッグビジネスが誕生する。



マナーだの品格だのという本が売れ続けるのも同じ理由だわね。
なにかが足りないんじゃないか・・・
自分の不幸や不安は、なんとか補えるんじゃないか、
修正できるんじゃないかと思ってしまう。
周りはあおりつづける。今のほうれん草は昔のほうれん草とは違って
全く栄養素が少なくなってるとか
あなたのミネラルは不足してることがわからないのかとか、
そうかもしれないけれど、だからといって大トラブルにはならない。
正式なマナーを知らないと恥をかくとか・・・
何が正式か、全く不明なのに、恥はかきたくないのでマナー本は売れる。



とにかく、こおろぎの不安をさらりと語られちゃって
すっかり意気消沈。
「信じるモノは救われる」とまでおっしゃってる。



でもしかし、こおろぎは某社のコラーゲンドリンク、ためしに指導どおり飲んでみた。
確かに確かに確かに体調が変わった。
肌がよくなったとは思わないけど
体が変わった実感はあった。
これは多分、含まれている「コラーゲン」の効果ではなく
その他の成分によるものだと、これもウスウス思ってた。


あまりに情けないので当分、こおろぎは調査をつづけます。


「昨日」飲んだコラーゲンが、「翌朝」の肌に効果があるはずは絶対にない。
それは断言できる。
人間、そんな簡単な構造であるわけがない。


落ち着け、こおろぎ・・・。


とにかく、知らないということは犯罪だとさえ思うのです。
弱みにつけこんで「あおる」ビジネスに
立ち向かうにはやっぱり知識しかないのです。


知ること、識ることしか、ないのです。


知ればずいぶん無駄は減る。
もしかしたら日常生活も、もっと楽しくなる。
衣食住、豊かになる。
知ることだわね、やっぱり。


・・・というわけで昨日からこおろぎ
心強くして、ウスウスしってるのに
世間の情報に揺さぶられて冷静さを失い、グラグラしたことをすっかり反省して
猛勉強に入りました。


学生のみなさん、授業はもっと難しくなるかもしれません。
エコール・ド・フルールのみなさん、花や料理やデコレーション、
コミュニケーションの楽しい楽しいレッスンにもかかわらず、
たんぱく質組成やDNAの自己複製、エネルギー変換と筋収縮の
お勉強が加わるかもしれません。
でもそれこそが、無駄のない生活の基礎。生活美学の基礎かもしれません。
いえ、そうなのです。それこそがエコール・ド・フルールであるべきなのです!



アホみたいに高い化粧品やシャンプーを使ってる生徒さんがいらっしゃる。
ご飯も食べずにサプリメントで健康維持してる方もいらっしゃる。
今はいい。効果あるのならそれでいいでしょう。
でもイキモノとしてフツーじゃないことしてると
必ず「ツケ」がくる。すくなくとも
経費として、もったいない。


もったいない・・・・か。某料亭の女将も言ってたわね・・・。

お勉強お勉強。知ることこそ力。


こおろぎのコラーゲン研究は
ヒアルロン酸、「自然派」化粧品へと広がっていきます。

くやしい・・・・っ

ホント、くやしいっ。
コラーゲン飲料の分、上質の鶏肉と上質のオレンジ買って
美味しく料理して食べて運動しましょう。


あー、くやしいっ。涙・出てきた!