はなもどき家の食卓

madam-cricket2008-05-10


母の日だから・・・というわけではなく
ときどき、こおろぎさんちの晩御飯は、盆と正月いっしょに来たみたいな
上等な学生コンパみたいな、とんでもない状態になる。




朝5時起きのお弁当作りも相当手馴れてきた。5時半起きで
6時に完成できるようになった。
この分だとご注文受けても30個くらいなら作れそうな気分。
お問い合わせ、殺到までいかないけど
センセースゴイ!くらいの評価があって
ちょいといい気になってるっちゅーに、


なのに、コロ介の評価ときたら
聞いてがっくり。


「私のお弁当って運動部系なんだよなー」
「?」
「みんなお嬢様系なんだよなー」
「どこがちゃうん?」
ベーグルサンドなんよ、ベーグル」
「中になにはいってんの?」
クリームチーズ & ベーコンレタストマトみたいな」
「ははん?」
「まー、なんちゅーか、こじゃれたかんじ?」
「で?」
「たらこスパゲティ + サラダとか」
「ははん?」
「ごはんが小さくてさ、グリンピースのっかった小さいシューマイとかさ」
「なに、アンタ、不満なわけ?」
「いや、別に・・・」
「不満なんじゃろが!」
「いや、そーじゃないけど・・・みんなかわいいお弁当なわけで・・」
「うちのお弁当だってかわいかろ?!」
「そうそう、満足。大満足!そうそう、お弁当バコ入れが
サマンサタバサなわけよ・・・、そう、そういう違い!」
「悪かったね、ペコちゃんのオマケのハンカチで!幼稚園のときの
袋のどこが悪い?!」




なんだか不満が残った会話でした。
コロ介の周囲はとにかくインターナショナルで、
超やさしいお子様たちが多い様子。
そうか、ファッションがサマンサタバサってのなら
わが家の家風とは違う。
諦めるンだわねっ。


関西、東北、関東、加えて日常会話は英語という、
いろいろなところからのご子弟と
朝からご一緒してるせいか、広島県に生まれて六年すごし、小学校は
バリバリの函館弁に浸っていたコロ介の日本語はかなり奇妙になってきた。
こおろぎと津軽弁で会話もできるようになった。耳はかなりいい。
この耳のよさ、英語とフランス語に生かせないもんだろうか。



まあ、ベーグルサンドがいいなら作ってもいいけど
足りないモンねー、絶対。
シューマイにかわいいグリンピースもいいけど
ご不満残りますから、きっと。


そういえばコロ介、ご学友に質問されたとのこと
「コロちゃんのお弁当のゆでたまごに、どうしてごま塩かかってんの?」
ってね。黒ゴマ+塩に質問が集中したらしい。
「色合いだよ、きっと・・・って答えたけど、どーもわかんなかったみたい」
だとさ。
食卓美学的に、半熟玉子のキーロには黒ゴマでしょ。
でもハイスクールガールズにはここんとこはアピールしなかったらしい。
残念。
それでも、コロちゃんのお母さんのお弁当はちょいと注目に値するぞ、的な
ニュアンスは浸透したらしく、でもそこがまた、お嬢様たちはあくまでも
お嬢様たちだったと確信する事件もあった。


コロ介のたっての希望でアンパンマンポテトをこんがり焼いて入れた日のこと。
お嬢様たち、そのお弁当ご覧あそばして
いっせいに歓声あげたとのこと。


「すごいすごい!コロちゃんのお母さん、すごい!」
「なにが?」

「お母さんが作ったの?」
「そーだよ、いつもと同じ」
「すごい、それ、おイモ?」
「そーだよ、アンパンマン
「すごいすごい、どうやって切ったの?」
「は?」
「すごいわ、すごいわお母様!」



要するに、コロ介とお弁当食べてるお嬢様たち、
ご幼少のころは日本にいなかった方も多くていらしたのかしら、
あるいは、冷凍食品などお使いにならなかったご様子で
お弁当の定番、愛すべきアンパンマンポテトをご存知なかったのです。



こおろぎはお弁当用の冷凍食品、実は嫌いです。高い。
均一化した味も好まない。でも枝豆とアンパンマンポテトだけは
評価していたのになー。


コロ介と二人、お弁当箱洗いながら、
そっかー、サマンサタバサはアンパンマンポテトご存知なかったかー
とため息ついたのでした。


いいのよ、いいの、運動部系のドカ弁でいいさっ。
コロ介はコロ介。


今日もコロ介、ご学友とどこかでランチにでかけて帰宅。
「Mちゃんはねー、気候がよくなったから、土日はゴルフなんだって」
「なんだって?!」
「ご両親とゴルフだってさ」
「ふーん・・・そっかあ・・・高1でゴルフかあ・・・」と力ないこおろぎ。


コロちゃん、土曜の夜ですよ、切干大根でもいっしょに煮ませんか?
高野豆腐も煮ておきますか・・・・
父も母も貧乏学者。姉は姉で貧乏苦学生
ま、こんなもんです。これ以上でも以下でもありません・・・。
身の丈でずっしりたくましく、生きていこうじゃあありませんか・・・。
たまには今日のでっかい写真みたいなご飯、
おじいちゃまがご馳走してくださるんですもの、
充分幸せってもんじゃ、ないでしょうか・・・・