北の桜 その2

madam-cricket2008-04-29


連休。


北国は桜が満開。
本当は桜は花が先に咲いて葉っぱはあとから・・・なのに
と毎年思ってきた。


でも葉っぱといっしょに咲く桜は桜ではないか、といえばそうではなく
その根っこをどこに張ったか、という違いでしかない。


これが不思議。これがイキモノ。
太陽の光をどのくらい浴びるかとか、
どんな温度にさらされるかとか、
そんなことで姿も形も生き方も変わる。


こおろぎ、今年の春、突然思ったんですが・・・


「北の桜も桜なのだ!」


これでイーのだ!と叫んだバカボンのパパと全く同じ心境になったのです。


ホントは違う、とか
ホントはそうじゃないとか
ホントはこんなはずじゃなかったとか


そういう見方とか考え方、こおろぎはずっとしてきたかもしれない。
何に対してもです。


居酒屋バイトとサンドイッチ屋バイトで生活費を稼ぐキキが
あるときシミジミこおろぎに言ったのだけど
「本当にいろんな生き方があるのよね。おかあちゃまはホンの狭い世界の人しか知らないのかもね・・」
4年前、医大に入ったとたん、彼女の慌て方はひどかった。
夢を手に入れた安心感より、人生他にも形があるはず、という慌て方だった。
生涯で経験できないコトの多さにあわてたんだわね・・・。
だからといって着ぐるみ着て駅前でチラシ配ったり、
パルコの前で震えながらティッシュ配ったり、
スーパーで実演販売で1日中タマネギ切ったり、
子供相手にバルーンプールでボロボロになったり、
大暴れ・・・体張って1日を30時間使って頑張る必要があったかどうかは疑問だけれど
いろんな上司に使われ、いろんな現場でいろんな仲間をどっさり得る生活で
彼女は確かに大人になった。
優しくもなった。


キキ、そのとおり!

「そのとおりなのだ!」



がんばれば「夢」が手に入るとか
「夢」に到達できないのは頑張りがたりないからだとか
そんな風につい考えてしまってはいなかっただろうか。


確かにこおろぎは頑張りが足りません。
何につけてもこおろぎには意地も根性もありません。
こおろぎを「勉強家」だとか「努力家」だとか言う方が時々いますが
それはふしあな視力ってもんです。
こおろぎはただただ自分の興味とわがままだけで歩いています。
驚異的な動物的嗅覚と植物的勘はもしかしたら誰よりも強いかもしれません。
これは自衛策として身につけたもので、
努力とは無縁です。


なのに、周囲には努力を期待し、同じ感性を望み、同じ体力、
そしてこおろぎ以上の能力を期待してはいなかったか。
少なくとも「差異」や「違い」に寛大ではありえなかった。


これがこおろぎ2008年春の反省なのです。


なぜか突然、北の桜の咲き方が愛しく思えたのです。
こんなふうにしか咲けないのですから。
いや、この表現は間違っています。
こういうふうに咲くのが北の桜なのです。
立派なもんです。
葉っぱと一緒に咲いてみなさいよ、南の桜!
咲けないでしょ、こんな風に!
ホントもウソもないわけで
北の桜、という桜なのです・・



そう思うといろんなことが楽にもなってきた。
ただし、
なんでも
「これでいいのだ!」というバカボンのパパ式感性でいては
教育も指導もなりたたないわけで
そこを見極めるのが知恵と経験。
難しいところです。


ここ数日でいろんな出会い、再会がありました。
先日恩師にばったり遭遇した以上の奇跡的な再会もありました。
思わず、これぞ運命、と思うような・・。

強運こおろぎのパワーはエネルギー蓄えています。


そうそう、キキがコロ介に、どっさり遅れた誕生日祝い持ってきました。
いやあ、キキのセンスはいいわ。
「コロ介、プレゼント遅れてごめん!真面目に生きるのやめようぜ!」的な挨拶があった。十分真面目じゃない生き方の家族なのにさね・・
プレゼントは2冊の本


その1  The Blue Day BooK 誰でも落ち込む日はある ブルーデイブック
    竹書房の抜群の写真とコメントの本。100万部突破。
    980円
    いやあ、笑ったわ。生命科学のサブテキストにしたいほど。

その2  「適当論」高田純次
     ソフトバンク新書 700円  10万部突破。
    「テキトーっ。おかあちゃまみたい!」って 何それ?


連休におススメの2冊ですッ!