母のかたち・・・



多忙な母と多忙な長女、多忙な次女がランチした。
キキの大学とコロ介の塾の中間には素敵なお店がたくさんある。
二人はいい環境ですごしている。


最近、若い母親観察を続けている。
そこで気付いたことだけど
子供に猛烈にキツイ母親がいる。
こおろぎも相当怖い母だけど
大勢の前、公の場で大声は出さなかった。
それがゆりかもめでも飛行機でも地下鉄でも
ひどい言葉でしかも大声で子供を叱る・・のではなく
なじる母親を最近何人もみかけた。
相当にイライラした母親なのだ。
こんな母が確実に増えている。育児ノイローゼなのではなく
個人的にイライラしているのだ。
こおろぎにはよくわかる。
育ってきた環境や現在の環境が理由で
子供には全く罪がないのに子供を怒鳴る。



その一方で
なにがあっても子供の意見を優先させる立派な若いママたちも増えている。
これもまたこおろぎは疑問。
子供の意見をイチイチ聞いていてどうするのだろうか。
すでに大人が決めたことに従う、
そういうことを教えるべきだ。


電車で座席が空いたとする。


「アリサちゃん、お座りしたい?それとも立っていたい?」


ふざけんなよーっ。
混んでる電車だぞ、とっとと座れ!
違うでしょうか。
それも座るのは母であり、子供は立ってるべきです。
二本足で歩けるようになったら電車では立ってなさいっ。


先日コロ介と乗った京急電車、
子供二人連れた母親が座席5人分使って座っていた。
それがまたかわいい3歳の坊やと5歳のお嬢ちゃん。
ママは偏差値の高そうなお顔立ちでお化粧なしの迷彩色。
混んでるのよ、電車。その電車で二人をゆったりと座らせて
いきなり童話を読み始めたからこおろぎ怒った!
たぶん眉間のシワはいっそう深くなり、
両頬はワナワナ震え、頭からツノが出たのだと思う。
向えに座っていたコロ介があわてて
「我慢しろ!」というサインを必死で送ってきた。


まーね、ここで怒鳴っても、迷彩ママは絶対にわからない。
多分、無農薬の野菜しか買わないし、
野原を走り回ってる鶏の玉子しか買わないし、
無添加の化粧水しか使わないし、
子供の読み聞かせが将来の国語力に繋がるとか
想像力を養うとか信じてるのだろうし
河童じゃあるまいし、水泳もちゃんと習わせて
音楽の教育にも余念がなくて
日本語もできないのに英語教室に通わせてるに違いない。


わが子しか見えないこの人には
なにを言っても無駄か。
今はこんなにかわいいお嬢ちゃんも
高校生になったら、スカートが長いの短いのとうるさいママなんか
大嫌いになるにちがいない。ママからできるだけ遠くに行こうと
多分琉球大学農学部園芸化学科とかなにかに進んで、
ブラジルの留学生と恋に落ちて
地球の裏側に行ってしまいますから!
そして今はママの童話に目を輝かせてる坊やも
中学に入るなりバンドに目覚め、そのかわいいお顔でジャニーズも視野だったのに
怖い先輩にビジュアル系バンドに誘われてマサカのボーカル。
のめりこむけど世の中そう甘くはない。
思わず知らず、歌舞伎町に身を沈めるのさっ。


アーお気の毒。だからじっと我慢したのだけれど
さてね、愛情というのは難しい。
愛があっても言葉をちゃんとつかわなければ伝わらない。
十分伝えたつもりでも伝わっていなかったりもする。
育てた子供が大人になったとき答えがでるとしたら
怖い怖い。ほんとに子育ては怖いのだ。
子育ては最高におもしろいのだけれど
けして親が楽しみすぎてはいけない。
怖さをしっかり知っていなければ、と
今、こおろぎは思っている。
それでも育てますか・・・
そういう問いかけ、だれか教育学者、してください。
少子化だ、子供を産め、という風潮、こおろぎは反対です。



さてわが家の場合はどうなんでしょね。
先生のお宅では反抗期はなかったんですかと
よく聞かれるけれど
なかった。
記憶にはない。


不細工シスターズは
「反抗した」というけれど
「反抗してもその3倍のエネルギーで跳ね飛ばされた」らしい。
忙しい母にいつ反抗してたのかしら、失礼しました・・・。


最近DNAの構造に頭抱えているので
イキモノみたら遺伝子が見える気がする。
キキが片付けられないのは私の遺伝で私が片付けられないのはママの遺伝。
コロ介が片付け上手なのはカブトムシの遺伝。
シスターズが不細工なのも無駄に陽気なのも遺伝。
もちろん成績も遺伝。
努力は環境。

今年も一部の学科の生命科学のテキストに日高敏隆先生の
「人間は遺伝か環境か?遺伝的プログラム論」を使う。
読みやすい一般向け新書。
子育てする若いママたち、読んだらいいかも。


子育てしてるような失敗したようなこおろぎは
いろんな反省しながら
「やっぱり自分育て」優先で4月をすごそうと思います。